企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「モスバーガー」でおなじみ、
「株式会社モスフードサービス」のヒミツに迫ります。
「モスバーガー」は、“日本生まれ、
日本の味を大切にする”ハンバーガー専門店として、
1972年にオープンしました。
1973年に味噌と醤油を使った「テリヤキバーガー」、
1987年には「モスライスバーガー」など、
日本の食文化を取り入れたユニークな商品を
次々と生み出しています。
オープン当初から「おいしさ」を追求し、商品は
作り置きをせず、一つひとつ注文を受けてから作る
『アフターオーダー方式』で提供しています。
今日お話を伺ったのは、
株式会社モスフードサービス
スーパーバイザー 菊池智三さんです。
Q1 「モスフードサービス」という社名の由来を教えてください。
店名のモスバーガーのMOSの名前の由来について
MOSとは、MOUNTAIN(山)、
OCEAN(海)、SUN(太陽)の頭文字です。
MOSには、MOUNTAIN(山のように気高く堂々と)
OCEN(海のように深く広い心で)
SUN(太陽のように燃え尽きることのない情熱を持って)
という意味があります。
これは、創業者の櫻田慧(さくらださとし)が大学時代
ワンダーフォーゲル部に所属し人間と自然は
共生していかなければならないという思いから、
人間、自然への限りない愛情と、このような理想の
人間集団でありたいという願いを込めて名付けました。
Q2 「モスフードサービスは、
どんなイメージの会社を目指しているのですか?
“モスのこころ“
「どうせ仕事をするならお客さまに感謝される仕事をしよう」
「お店はお客さまのためにある」
モスバーガーで、1972年の創業当初より
語り継がれている言葉です。
創業者である櫻田慧は、
「“モスがあるおかげで、街が明るくなった、生活が楽しくなった”と
言っていただけることを生きがいとし、お客さまが喜ぶ姿を
わが喜びとできる心を持つ人こそが、理念に共鳴した人であり、
そのような仲間と共に成長していくのが、
モスバーガーチェーンなのだ・・・」と。
誰でもわかる平易な、しかし、心に響くこの言葉が、
モスの経営理念「人間貢献・社会貢献」
を支え、すべての思想、活動の源になっています。
これからも、モスグループの原点であり、
創業以来変わらない“モスのこころ”であるこの言葉を
胸に、企業目標「食を通じて人を幸せにすること」の
実現に向けて、お客さま、地域社会の“幸せづくり”の
実施を目指していきます。
Q3 「モスフードサービス」の運営する
人気バーガーショップは、「モスバーガー」ですが、
1号店いつごろ、どこにオープンしましたか?
また、現在、全国で何店舗ありますか?
特徴のある店舗などあればご紹介ください。
モスバーガーが誕生したのは今から42年前の1972年です。
創業者の櫻田慧は、大手証券会社に勤め、
ロサンゼルスに赴任中に“トミーズ”という
小さなハンバーガー店に出会います。
その味に大きな感銘を受け
「これからはハンバーガーの時代がくると」1972年3月に、
東武東上線・成増(東京都)に実験店を開き、同年6月に
成増駅前の八百屋の倉庫を借り受けて、
2.8坪の広さで1号店の成増店をオープンしました。
2014年5月末現在国内モスバーガー1,419店
海外モスバーガー321店
Q4 「モスバーガー」は、数々のヒット商品がありますが、
最も売れた商品は何ですか?
累計でどのくらい売れている商品ですか?
店名にもなり創業当時からモスを代表する商品
「モスバーガー」です。
販売個数については公開していません。
Q5上記商品のセールスポイントや
開発秘話があれば教えてください。
モスバーガーはソースの「コク」と「まろやかさ」と
微妙な味加減により、開発に数百回の施策を重ね、
オリジナルのミートソースを誕生させ、
日本人の味覚に合わせて仕上げたハンバーガーです。
ミートソースの旨みとトマトの酸味、シャキシャキの玉ねぎが
生み出すハーモーニーが1972年の創業以来変わらぬ、
こだわりの味のメイド・イン・ジャパンのハンバーガーです。
Q6 「モスバーガー」では、最近「ミスタードーナツ」との
コラボ商品を販売されていますが、
実施の経緯などを含め詳細を教えてください。
2008年2月に両社が、資本・業務提携を結びました。
その業務提携の内容の一つに、販売促進やオリジナル商品の
共同開発があります。
その一環で今回は商品コラボ第3弾となる企画を実施しました。
これは、コラボ企画ならではの商品を提案することで
話題性を喚起し、両社のお客さまの相互乗り入れの
拡大などを目指しています。
両社のスケールメリットを生かし、
PR活動、既存商品の訴求なども同時に行ってまいります。
Q7 「モスバーガー」の歴史の中で
もっとも印象的な出来事は何ですか?
世界初といわれている『モスライスバーガー』の開発と発売です。
モスライスバーガーが開発された経緯は、
1986年当時日本人の「米離れ」問題に端を発し、
農林水産省から外食企業へお米の普及依頼がありました。
それを受けて、創業者のお米を使って何かできないかという
一言から、商品開発が始まりました。
今までにない商品開発に試行錯誤を重ね、
当初はパンに挟む具財として開発を考え、ライスコロッケや
ライスハンバーグ等に取り組んでいました。
ある時に目線を変えて日本に古くからあるおにぎりに着目し、
外側にご飯を使うことへ考え方を変えて開発を始めて行き、
今の丸いプレート(ライスプレート)に行きつきました。
しかし、今では当たり前となっている丸いプレートも
当時は丸く仕上げるということに想像以上の努力と苦労、
困難がありました。
ご飯が崩れないように固めに仕上げると食感が悪く、
ふっくらと仕上げるとボロボロとこぼれてしまい、
今の形に仕上げるために焼きおにぎりの発想から、
片面にお醤油を塗ることで食感と型崩れの問題を解決しました。
中に入れる具材もお米との相性を考え、
日本の食卓に見かける食材やお惣菜を使って仕上げています。
Q8 「モスバーガー」のメニューであまり知られていない
情報(裏メニューなど)があれば教えてください。
1.モスバーガーの生野菜は八百屋の店頭で
売られているような状態で店舗に納品されます。
店舗ではその生野菜を「野菜掲示板」に主な産地と
生産者を記載して「顔の見える野菜をして
お客さまに情報提供しています。
また、丸のままで納品された野菜はそれぞれの店舗で洗浄し、
仕込みをしています。
レタスは、1枚ずつ流水ですすぎ、その後(冷水:4℃±1℃)に浸し
十分に水を切り、バンズ(パン)の大きさに手でちぎり仕込みをします。
冷水に浸すことで、レタスを一層歯触りが良くなり旨みを
増すために行います。
2.1号店の成増店(東京都)には、1号店プレートがあります。
3.福岡ヤフオクドームにモスバーガーがあり、
その店舗しか販売していないメニューがあります。
Q9 そのほか「モスバーガー」に関する
面白いエピソードなどあればお願いします。
1.テリヤキチキンバーガーは、1984年に
“焼き鳥”にヒントを得た、和風オリジナルバーガーです。
醤油ベースのタレに漬け込んだ鶏のモモ肉(一枚肉)を
お店で丁寧に直火焼きしています。
網で焼くことで余分な脂を落とし、外側の皮はパリッと、
中はジューシーに焼き上げています。
発売当時のファストフードでは、肉を一枚肉として
使用しているところはなかったという話です。
また当時は焼き鳥屋と同じ焼き方をしていたせいで、
店内に煙が立ち込めてしまい、お客さまの中には焼き鳥屋と
間違えて入店された方もいらっしゃった、という話も
聞いています。
現在は、煙が立ち込めないように機械を開発したので、
立ち込めることはなくなりました。
店舗で直火焼きした鶏のモモ肉にオニオンスライス、
シャキシャキのレタス、その上にマヨネーズをのせて
仕上げた商品は、発売以来世代を問わず多くのお客さまに
ご愛顧いただき、人気ランキングでは2位を獲得する
メニューです。
全米の歌姫ビヨンセさんも、来日すると
必ず食べるというほどに好きな商品です。
2.ロースカツバーガーの肉は、
上質ロースの脂身を極力おさえたものを使用しています。
また開発のこだわりとして、とんかつ屋さんの味を目指し、
色々な店を食べ歩き、その中であるとんかつ屋さんの味に
巡りあい、その味を目指すために何度もお店に通い、最後に
試作品をそのとんかつ屋のご主人に実際に試食してもらい、
味を決定しました。
Q10 そのほか、オススメのアトラクション、サービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
7月8日(火)から全国のモスバーガー(一部店舗除く)で、
スパイシーな味わいの「モスのナン スパイスチキンカレー」(340円)と
“モスの夏”を代表するメニュー
「モスのナン スパイスミートタコス」(370円)を期間限定で
新発売します。
●モスのナン スパイスチキンカレー
●モスのナン スパイスミートタコス
また、それに合わせてカレーと相性の良い「ラッシー」
(Sサイズ280円、Mサイズ330円)と
「果肉あじわうマンゴーラッシー」
(Sサイズ280円、Mサイズ330円)の期間限定で発売します。
今日お話を伺ったのは、
株式会社モスフードサービス
スーパーバイザー 菊池智三さんでした。
ありがとうございました。
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