11月6日(木)の名盤は…
今週は1980年代に多くのヒット曲を生み出し、
現在も地道に活動を続けるイギリスの女性シンガー、
「キム・ワイルド」を紹介しました。
1960年、ロンドンに生まれた彼女は、
父親が1950年~60年代にかけてヒット曲を量産し、
“イギリスのロックン・ロール生みの親のひとり”と言われる、
マーティ・ワイルド。
母親も同じ時期に人気のあったガールズ・グループのメンバーという、
二世アーティストです。
弟のリッキーと共に父親のステージにバック・ボーカルとして
参加しているところを大物プロデューサー、ミッキー・モストに見出され、
1981年にデビューします。
契約したRAKレーベルと言えば、社長のモストを中心に
プロダクション・スタッフがガチガチに固まっていて、
どのアーティストもみんな同じ音にしてしまうほど協力な
レーベル・カラーを持っていることで有名ですが、
彼女の場合はお父さんの力が大きかったのか、
会社側のスタッフを一切いれず、
父親と弟がプロデュースと楽曲提供、母親がマネージャーと、
すべてを家族で固める特例が許されたようです。
デビュー曲の「キッズ・イン・アメリカ」は、
当時全盛だったニュー・ウェイヴの手法を生かしたロックン・ロールで、
全英2位の大ヒット。
実際には若い姉弟がナメられないように、父親は名前を貸しただけで、
ほとんどすべての作曲、編曲、制作を担当した弟リッキー君こそが
本当の天才と言ってもいいんじゃないでしょうか。
ちなみにこの時、お姉さんのキムが20歳だったので、
弟のリッキー君は10代です!
ともあれ、これまでの長いキャリアの中で、
人気が下がってくるとスタイルを変えて、一発逆転のヒット曲を放ち、
ミュージック・シーンに残っているキム・ワイルドですが、
お父さん、お母さん、弟との絆は一貫して変わっていません。
キム・ワイルドというアーティスト名は、キム・ワイルド個人のものではなく、
ワイルド一家のグループ名と考えてもいいのかもしれませんね。
今日は、1981年のデビュー曲「キッズ・イン・アメリカ」をお届けしました。