企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日はココアシガレットなどでおなじみ、
「オリオン株式会社」のヒミツに迫ります。
「オリオン株式会社」は、大和製菓として1948年に創業。
1951年、ココアシガレットを販売します。
翌年の1952年、タバコのピースのデザインが改装されたと
同じ頃に今のパッケージデザインでココアシガレットを
発売しました。
1957年に オリオン株式会社 設立。
その後1972年に梅ミンツ、1978年にミニコーラなど、
おなじみのお菓子を発売してきた会社です。
お話を伺ったのは、
オリオン株式会社 企画部の高岡五郎さんです。
Q「オリオン」という社名の由来を教えて下さい。
聞いた話ですが、横文字で最後に“ん”が付くのが
運がいいということで星座にちなんで
オリオンという社名になったらしいです。
会社設立の時に出来たトレードマーク”笑い星“は
商品を買ってもらった人に笑顔を提供する
という目的で作られました。
オリオンには「4c」とよばれるキャッチフレーズがあります。
これは高価なダイアモンドの4c
(カット、カラット、カラー、クラリティ)に
引っ掛けているんです。
1個20円.30円の駄菓子にも4cがあったら
おもしろいやないかと、そこで見て楽しい、もらって
うれしい、食べて美味しい、また欲しいという我社の4c
(4つの~しい)が生まれました。
5ツ星の商品(ロングセラー商品)になるのは全社員の魂が
(たましい)が必要やというオチが付きます。
Q「オリオン」のロングセラー商品といえば、
「ココアシガレット」ですが、いつごろ、
どんなきっかけで作られた商品なのでしょうか?
また「ココアシガレット」の現在までの累計販売数は?
創業よりココアシガレットの元になるものを
作っていたようですが1951年に発売されました。
戦後まもない頃、まだテレビのなかった時代を
思い浮かべてください。
当時は地震、雷、火事。おやじというくらい、
父親に威厳がありました。子供たちの情報源としては
学校と家庭しかなく縁側でタバコを吸っている
父親の姿をみて大人への憧れを持ったものです。
鳩がオリーブの葉をくわえているピースのデザインは
アメリカの商業デザイナーレイモンドローウィに
よるもので昭和27年4月に発売されました。
ピースのデザイン改装にあたって、ローウィに支払われた
金額は150万円。当時の内閣総理大臣の月給が11万円から
見てもすごい報酬だったことがわかります。
当然、マスコミなどでも話題となりましたが、
この新しいデザインのピースが発売されるやいなや、
売り上げは、前年同月に比べ3倍にもなりました。
のちに商業デザインの成功例として取り上げられる
ピースのデザインは、復興期にあった日本の産業界にも
強い影響を与え、「デザインが嗜好まで変えた」とも
いわれました。
また、その濃紺地は「ピース紺」という新しい
色調を生むなど、一般の人々の間にもデザインに
対する関心を深めるきっかけとなりました。
ということでほとんどのお父さんはピースを吸うように
なったのです。これに目をつけたオリオンはパッケージの色を
紺色にして街の駄菓子屋さんに並べたとこと
子供はとびついて大人がするように口にくわえ大人の気分を
味わったようで、あそんで食べるお菓子として
爆発的に売れました。
Q「ココアシガレット」の開発のポイントを教えてください。
発売当時はシガレット菓子といっていろんな会社が
シガレット型の菓子を販売していました。
発売時のココアシガレットは高価なチョコレートは
使えないのでココアを使って中身の茶色い部分を形成し、
外側の白い紙の部分をハッカの香りがするようしました。
口にくわえた時にスースーするように工夫しました。
平成3年に一部製造方法を変更して二億円をかけて
完全自動化して生産現在の形になる。
この時に価格を30円にする。発売60周年を迎えた2011年から
子供に喫煙を助長するお菓子から、
禁煙グッズに変身。オリオンはあなたの禁煙を応援します。
とパッケージに書いております。
Q そのほか「オリオン」の商品に関する
なにか面白いエピソードなどあればお願いします。
●聞いた話ですが、昭和30年代前半愛知県の
児童審議委員会というところから子供の喫煙を助長すると
販売を自粛しなさいという指導がありその地域の販売を
自粛していたら、かえってそこに他の地域から商品が
入ってきて余計によく売れた。
●昭和48年(1973年)発売
梅ミンツ サラリーマン愛用の仁丹の姉妹品梅仁丹が
はやったので梅ミンツを販売。
子供の間では梅仁丹と呼ばれていた。
ココアシガレットがタバコだったので、梅ミンツの容器は
Dunhillのライター型容器をつくった。
中身が見える菓子は菓子一杯入れないと
入れないので大変だった。
今は蓋など衛生的な形状になっています。
●ミニコーラ 1967年に100円札が廃止になって
高度成長期が始まります。
万博でプルトップ付き買える自動販売機が道端に出回ります。
でも自動販売機で売られているのはコーラとか
コーヒーばかりで子供用の飲み物はほとんどなく、
まして子供のお小遣いで100円はちょっと
手の届かない存在でした。
そこに目を付けたオリオンが醤油の蓋の応用で
プルトップ式のラムネを開発しました。
問屋の人はこんな乾電池みたいなものが売れるのか?という声を
聞きながら駄菓子屋さんの店頭に並べたところ、
子供はプルトップを引きちぎって、
本当のコーラを飲むようにミニコーラを食べました。
弊社のトラックの積荷が盗まれるようなこともあり、
他社からも類似品が出回りました。
売れた売れたと喜んでいると1979年7月に
ご本家コカ・コカ・コーラボトラーズ
から不正競争防止法第一条第一項に該当すると
販売停止の要請がありました。
この間にオリオンは意匠登録と
商標登録の申請をしておりました。
そして10年間の審査及び裁判の結果、
奇跡というかどういう訳かオリオンの申請が
本国内に於いて全て認められたのです。
無断で海外に輸出されてその国の
コカ・コーラから警告文が来た例もあります。
まさにこれこそオリオン魂???これに味をしめて
いろいろパロディ商品を発売していったのです。
「食べルンです」という商品は 写ルンですを模した
商品でしたが、本家の富士フィルムからフィルムの景品に
使いたいということで大量の注文を頂いたことがあります。
もちろん怒られたこともしばしば、イモムシ型の
グミキャンディーをウィンナーの袋に入れた
「シャレデッセン」はグミの形が気持ち悪いと不評で
売れなかったのですが、ダルビッシュさんのいた
チームから警告を受けました。
Q そのほか、オススメのサービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
まだまだ暑い日が続いていますが、今年から
鹿児島県姶良市のランドアートさんとの共同開発で
熱中症対策の「梅塩飴タブレット」というのを作っています。
ランドアート社は小学校の時使っていた竹のサシを
作っていたことから土木測量、建築関係に業務用として
熱中症対策グッズを販売されています。
また兵庫県加古郡稲美町の岡野歯科医院の院長との
共同開発で「歯医者さんは目がいのち」の
キャッチフレーズで販売している
「キシリブルーベリータブレット」は
全国の歯医者さんにも置いてもらっています。
また「ビリケングミ」や「ひこにゃんグミ」など
お土産物も作っています。
このように駄菓子作りの技術を使って新しい分野での
商品を提供しております。
次のターゲットはくまモンです。
楽しいお菓子をいっぱい作り続けますので
皆さん応援よろしくお願いいたします。
オリオン株式会社 オフィシャルサイト
スタジオにもココアシガレット!!
-----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓