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2014年12月

「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 石丸聡子先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
6回目のゲストは、熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻
地球環境科学講座の石丸聡子先生です。
先生の専門である「岩石学」とはどんな研究なのか、詳しく伺います。
 
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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:石丸聡子(いしまるさとこ)
所属:熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻地球環境科学講座
プロフィール富山県射水市(旧新湊市)出身
2007年3月金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了
2007年4月-2008年3月金沢大学理学部教務補佐員
2008年4月-2008年12月金沢大学理工研究域研究員・博士研究員
2009年1月-2009年3月金沢大学キャリアデザインラボラトリー博士研究員
2011年2月-現在熊本大学大学院自然科学研究科助教
 
Q②石丸先生の専門である「岩石学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
地球は岩石からなる地殻とマントル,金属からなる核が層状構造を
していますが,私たちが手にすることができるのは地殻と上部マントルを
構成する岩石の一部のみです。
それら岩石は様々な履歴を持っているので,詳しく調べることで
どのようにして地球が現在の姿になったのか,
といったことを理解するために,重要な情報を示してくれます。
具体的には,野外調査で岩石を採取し,研究室に持ち帰って
観察や機器分析をおこなうことで,
その岩石のでき方や履歴を調べるということをしています。
日本でも火山活動が活発ですが,火山で作られるマグマの多くは,
マントルを構成していると考えられるかんらん岩が融解することで作られます。
マグマを作った後のかんらん岩は,時々地上で手にすることができますが,
そのかんらん岩を詳細に調べることで,
マグマの形成プロセスや地球が誕生してからこれまで
どのよう進化してきたのかを知ることができます。
 
Q③石丸先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
中学生くらいの頃から地質学や古生物学,
惑星科学に興味があって,大学入学時に地球科学を選択しました。
大学入学後もすぐに「岩石学」に興味が湧いたわけではなく,
大学の講義で実際に野外に出て行く中で
「岩石学も面白いな」と思う程度でした。
卒業研究をおこなう研究室を選ぶ時期になって先生方と
お話しをした際に,「地球が何でできているか,
そこで何が起こっているのか実際に見たことがある人は誰も居ないけど,
深部に由来する岩石を見たらそこでの現象が推測できる」と
いうようなことを言われたことがきっかけかもしれません。
特に,日本と同じようにプレートが深部に沈み込んでいく
カムチャツカ半島に産するマントルのかけらを使って
卒業研究を開始したのですが,
「日本のような環境のマントル由来の岩石は
あんまりないからまだよく分からない」というところに興味を持ちました。
 
Q④採取した岩石の履歴を調べるとのことですが、
どういう行程を経て、岩石の履歴がわかるのですか?
具体的に説明お願いします。
 
まず,岩石を光が透過する0.03mm程度の薄さにまで
研磨したものを作成して,ある特定の方向に振動する
光だけを観察できる顕微鏡(偏光顕微鏡)で見てやると,
岩石を構成している結晶によって見え方が変わります。
それぞれの試料を詳細に観察することで,
結晶ができた順序やできてから「力が加わって割れた」とかを
調べることができます。
また,岩石を構成する結晶のできた順序を元に,
結晶の化学組成を調べてその変化を捉えたりします。
例えば,オレンジ色のものを観察して,
元々は赤色だったところに黄色のものが入ってきたことを
調べるようなことでしょうか。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか? 
 
肩こりがひどいので,マッサージにいって癒やされています。
最近は週末になるとダラダラ過ごしてしまっているのですが,
時間があれば遠出をしています。
以前は朝に「どこか行きたいなぁ」と思って,鹿児島の開聞岳に
行ったり杖立温泉に行ったりしたこともあります。
阿蘇や菊池などの郊外の温泉に行ったり,
博物館に行ったりするのも好きです。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
マントル由来のかんらん岩を採取するために,
外国を含めてこれまで様々な地域に行っています。
それぞれに大変なことでいろいろと印象深い出来事があります
(カムチャツカの山小屋に泊まった際にヒグマと遭遇したことや,
ロシアでの調査は移動が大変であること,
国によってはサンプル輸送手続きが大変なこと)。
実際に持ち帰った試料を解析していて,
これまで見たことがない変な物
(平均的な化学組成から大きく離れていたり,
これまで未報告だった鉱物など)を発見してしまった時には
凄く考えるのですが,
その成因やそれが持つ意味が分かった時には
何とも言えない嬉しさがあります。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
今後もひきつづきかんらん岩を求めて世界各地を調査し,
まだ誰も見ていない・理解できていない現象を
明らかにしていきたいと思います。
 
Qここを調査したいという具体的場所などありますか?その理由は?
 
地球全体での水の動きとそれを介した元素や
物質の動きに興味があるので,
プレートが沈み込んでいる地域や大陸が衝突している地域で
調査をおこないたいと思っています。
日本近辺ではフィリピンやインドネシアなどですかね。
最近はロシアのウラル山脈のあたりやトルコで
調査をおこなっていますが,アルプス山脈のある
イタリア北部にも行きたいと考えています。

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12月4日(木)の魔法のことば

今日はラジオネーム : ちさとさんが出会った、
ゴッホの魔法のことば。

「美しい景色を探すな。
景色の中に美しいものを見つけるんだ。」

「デロンギ・ジャパン株式会社」

企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。

今日は「デロンギ・ジャパン株式会社」のヒミツに迫ります。
 
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「デロンギ・ジャパン株式会社」は、
イタリアの家電メーカーであるデロンギの日本支社にです。
1995年に日本で法人化し来年で20周年をむかえます。
日本では主に4つのカテゴリに分けて製品を提供しています。
 
4つのカテゴリとしては、
1)ヒーター関連
2)コーヒー関連
3)キッチン関連
4)ブラウンです。
 
ブラウンはデンキシェーバーなどで有名ですが、
シェーバーとオーラルケア以外の製品を
デロンギ・ジャパンが日本で販売しています。
 
お話を伺ったのは、
デロンギ・ジャパン株式会社マーケティング部の木村健二さんです。
 
Q1「デロンギ」という社名の由来を教えてください。
 
創業者の名前がデロンギになります。
現在のCEOがファビオ・デロンギという人間で、初代から数えて、
4代目の最高責任者になります。
本社はイタリア北部の街トレビゾという地域にあります。
(ベネチアから30分くらいの避暑地)。創業は1902年で1970年代まで、
部品メーカーとしてヒーター用のパーツを製造していましたので、
歴史的には100年以上ある会社になります。
 
Q2「デロンギ・ジャパン」は、
どんなイメージの会社を目指しているのですか?
 
消費者の皆さまに当社の家電製品をつうじて、
イタリアン・ライフスタイルの喜びをお届けできることを目指してます。
 
Q3「デロンギ・ジャパン」はオイルヒーターで有名ですが、
もっともヒットした商品は何ですか?
累計でどのくらい売れた商品ですか?
 
デロンギ・ジャパンとして、販売した製品で最もヒットした商品は
やはりオイルヒーターです。約20年で300万台以上を販売してきました。
現在日本においては、この分野におけるマーケットリーダーです。
 
Q4上記商品の開発ポイントがあれば教えてください。
 
ヒットの理由:
例えばエアコンは700万台のマーケットですが、
オイルヒーターは30万台市場です。この限られた市場において、
愚直に、約40年間一貫して製品を作り続け、
よりよいものを目指して改良をしてきた、この歴史こそが
弊社の強みであり、日本においてシェアNO1を
獲得できた要因だと思います。
 
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Q5「オイルヒーター」のメリットを教えてください。
 
複数ありますが、1番のメリットは「乾燥しにくい」
暖房器具であるという点です。暖房器具も多種ありますが、
主流はエアコンかと思います。エアコンは、
「強制的に風を出す」暖房であるため、どうしても室内や
お肌などの水分が蒸発しがちになります。
一方で、オイルヒーターは「風をださない」で輻射的に
お部屋を暖めるため、やさしい暖かさが
お部屋の隅々まで広がります。どうしても風を使う暖房や、
こたつなどの部分型暖房は、部屋全体を暖めるということが苦手です。
 
Q6「デロンギ」の歴史の中でもっとも印象的な出来事は何ですか?
 
1975年にデロンギブランドで、電気式ポータブルラジエターヒーターを
発売しました。ヒーターといえば部屋に備え付けのものが
一般的だった当時、部屋から部屋へ移動できる点が受けて
たちまち大人気となりました。
 
Q7「デロンギ・ジャパン」は、リサイクルや
植林などエコ活動も行っているそうですが、詳しく教えて下さい。
 
リサイクルについては、エコ回収(つまり再資源化)を行っております。
長年ご愛用頂いたオイルヒーターを責任もって
お客様からお預かりします。各パーツに分けてこちらはリサイクルし、
およそ98%のリサイクル率を達成しております。
原則、無料引き取りで、お客様には送料のみ負担頂きます。
また植林プロジェクト「デロンギの森」というのを
2008年より実施しております。売り上げの一部で、
インドネシアのバリ島での植林活動をサポートし
環境への負荷軽減ならびに地域住民の雇用創出、
生活向上を目指しております。
 
Q8そのほか、オススメの商品、サービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
 
デロンギといえば、皆様オイルヒーターを想起される方が
多いと思いますが、世界的にみると、コーヒー関連、
中でも全自動エスプレッソマシンの売上が非常に高まっております。
日本市場においてもコーヒー文化が根付いて来ている昨今、
弊社としては、本格的なエスプレッソコーヒーや
カプチーノが豆から挽いて味わえる
「全自動エスプレッソマシン」の市場を拡げて行きたいと考えています。
主には首都圏になってしまうのですが、
試飲や体験会イベントなどを通じて、お客様に
製品の質の高さを感じて頂けるよう、活動してまいります。
 
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「デロンギ・ジャパン株式会社」オフィシャルサイト
http://www.delonghi.co.jp/
 
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12月3日(水)の魔法のことば

今日はラジオネーム : ロッキーさんが出会った、
ウィリアム・ジェームスの魔法のことば。

「ある程度の年齢になると、
人生とは自分の考え方次第で
変えられるものだということが分かる。」

「鶏肉と蕪の煮込み」

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「やさしいごはん」
おいしい食べ物は人を元気にします。
おいしいものをおいしい季節に食べたいですね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
このコーナー『やさしいごはん』では
毎回、季節にぴったりの食に関する話題を
お届けしています。
 
今日登場してくれたのは、
『オーガニックママン』松田耒布さんです。

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Q① 松田さんの近況は?
 
11月末に行われたパトリスジュリアン氏のトークショーに
参加して参りました。モロッコ出身でフランスと日本を中心に
活躍されているパトリス氏は「ル・クルーゼ」や
「ゲランドの塩」を広めた世界的にご活躍の
「ライフスタイルコーディネーター」です。
持参した本にサインを頂けて大変感激しました!

Q② 今日のオススメの食材、(料理)を教えてください。

パトリス氏は「タジン鍋」を広めた方でもあるのですが、
フライパンや普通のお鍋でも出来る
「鶏肉と蕪の煮込み」をご紹介します!
 
※材料(2人分)

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鶏手羽4本
鶏もも肉1枚
玉ねぎ1/2個
蕪1/2個
水1カップ
コンソメ1/2個
しょうが1/2片
にんにく1片
オリーブオイル大さじ1
塩適量
(あれば塩麹大さじ1/2)
 
※作り方
 
①玉ねぎは5ミリにスライス、
しょうがとにんにくは粗めのみじん切りに。蕪は乱切り。
 
②鶏もも肉は1/4にカットし、手羽肉とともに軽く塩をふる。
 
③フライパンや鍋(浅めのものが良い)に
オリーブオイルを入れて火にかけ、玉ねぎとにんにくを敷き、
その上に鶏肉を並べ、
 
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水、コンソメ、しょうが、
あれば塩麹を入れて蓋をし、
 
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中火で30分程煮込み、
お好みで塩を適量加えて味を調えたら出来上がり!
 
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FDA 「ポータブルトラベルバッグ」 プレゼント

今週の「FMK Morning Glory」は、プレゼントがあります!
 
「FDA阿蘇くまもと空港フライトインフォメーション」でおなじみの
FDAフジドリームエアラインズから
FDA「ポータブルトラベルバッグ」を
3人の方にプレゼントします。
 
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*色は選べません
 
プレゼント希望の方は、
あなたのラジオネーム、住所、氏名、年齢、電話番号、
「FDAに乗って行きたい場所」を必ず書いて、
メール、FAXで応募してください。

メールは、glory@fmkumamoto.jp
FAXは、096-355-5200 まで。

締切は6日(土)必着です。

たくさんのご応募をお待ちしております☆

12月2日(火)の魔法のことば

今日はラジオネーム : みとさんが出会った、
スティーヴン・R・コヴィーの魔法のことば。

「現状に対して責任転嫁をしている限り、
他の道を選択しても結果は同じである。」

「フューリー」

「FMK Morning Glory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「フューリー」です。
 
この映画は、ブラッド・ピットが主演・製作総指揮を担当した、
話題の戦争映画です。
タイトルの「フューリー」というのは、主人公たちが
乗り込む戦車のニックネームで、“激しい怒り”という意味です。
ブラッド・ピットは俳優しても人気ですが、
プロデューサーとしても有能な人物で、これまでも、
今年のアカデミー賞を受賞した「それでも夜(よ)は明ける」や
「ワールド・ウォーZ」や「キック・アス」など30本以上の作品の
プロデュースをつとめ、ヒットを連発しています。
 
そんなブラッド・ピット主演の最新作がこの「フューリー」なんです。
 
舞台は、第二次世界大戦末期の1945年4月。
ナチスドイツが陥落し、ヨーロッパ戦線が終結する1か月前の
ある1日の出来事を描いています。
ブラッド・ピットが演じるのは、ウォーダディー(war daddy)と呼ばれる、
シャーマン戦車隊の部隊長。
この部隊に欠員の穴埋めとして、
ノーマンという若い新人の兵士が配属されます。
わずかな訓練しか受けていないノーマンは、
突然送り込まれた戦場という過酷な状況に戸惑いながら、
仲間との親交を深めていきますが
進軍中にドイツ軍の攻撃を受けて、他の部隊がほぼ全滅。
なんとか生き残ったウォーダディーの部隊は、
たった5人で300人のドイツ軍部隊と渡り合うことになります!
 
この作品でいま一番の話題になっているのが、
撮影に本物の戦車が使われていること。
特に、ミリタリー・マニアにとても人気の高い、
ドイツ軍のティーガー戦車の本物が
劇中で活躍することが大きな売りになっています。
いまでは伝説化しているティーガー戦車は、
飛行機を打ち落とすほどの威力の88ミリの対空砲を備え、
装甲も10センチと当時としては驚くほど厚いボディ。
2キロ先のアメリカ軍のシャーマン戦車を一撃で
破壊するほどの高性能を誇った当時世界最高峰の戦車でした。
この高性能戦車と対戦するため、米軍は物量で対抗。
1台のティーガー戦車に対して、
複数のシャーマン戦車で対抗する作戦をとります。
それは、何台かの味方は破壊されることを想定した上で、
敵を倒すという非情な物量作戦でした。
 
「フューリー」に登場するティーガー戦車は、
イギリスのボービントン戦車博物館に収蔵されていた実物で、
現在残っている6台のうち、唯一走行可能なものを使用しています。
これまでの戦争映画で登場したティーガー戦車は、
主にソ連製の戦車を改造してティーガーに
見せたかけたものが多かったらしいです。
あの細部にこだわりぬいて」第二世界大戦を再現した
スピルバーグの超大作「プライベート・ライアン」でさえ、
戦車に関しては妥協するしかなかったということで、
今回の「フューリー」におけるホンモノのティーガー戦車の登場が、
いかに大変なことかということがお分かりいただけるかと思います。
 
監督・脚本を担当したデビッド・エアーは、
なんと海軍出身者。精神的にも肉体的にも
追い詰められた兵士達の過酷な状況を表現するため、
撮影前に俳優たちにトレーニング期間を設けただけでなく、
戦車の中での寝泊まりや野宿も経験させたそうです。
戦車を「我が家」として暮らす戦場の男たちのリアリティが
圧倒的映像で描かれています。
たった一日の物語なのですが、彼らが潜り抜けてきた
修羅場を観客が感じられるような「男の絆」が感じられる映画です。
 
今までの戦争映画のような英雄的な物語ではない、
戦争のリアルな状況を徹底的に追求し、
戦争の異常さ、愚かさを描き出した作品。
これまでのアメリカ映画では描かれてこなかった
「残酷な戦争の真実」が描かれています。
そのためアメリカでこの映画が公開された
衝撃はかなりものがあったようです。
来年発表されるアカデミー賞でも有力候補作品として
ノミネートされる可能性の高い力作です。
 
今日ご紹介した映画「フューリー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「フューリー」オフィシャルサイト
 
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12月1日(月)の魔法のことば

今日はラジオネーム : ミミさんが出会った、
ヘレン・ケラーの魔法のことば。

「希望がなければ何事も成就しない。」

「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 藤本秀子先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
5回目のゲストは、熊本大学五高記念館の藤本秀子先生です。
先生が携わっている五高記念館の企画運営について詳しく伺います。

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Qお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:藤本秀子(ふじもとひでこ)
所属:熊本大学五高記念館
プロフィール
・大学卒業後、「(財)熊本開発研究センター」に勤務し、
地域開発、まちづくりなどの仕事に関わりました。
 
・五高記念館に来る前には「(財)グランメッセ熊本」で
自主事業の展示会の企画運営などを行っていました。
 
・五高記念館では、記念館や記念館が行うイベントの
企画運営と展覧会の企画運営を行っています。
 
Qものすごく基本的な質問で恐縮ですが、
「五高」について、簡単に教えてください。
 
明治期の学校教育充実の課程で、
明治19年「中学校令」が公布され尋常中学校と
高等中学校が設けられることになります。
高等中学校は全国を5つの学区に分け
それぞれに1校ずつもうけられたのが旧制高等学校です。
 
明治27年に高等学校令」が公布され
高等中学校は高等学校になりました。
(この時、第一から第五までの高等中学校は
第一高等学校から第五高等学校になります。)
 
その後、第六から第八までの高等学校ができ、
番号ではない地名を冠した高等学校もできていきます。
最終的には官立、公立、
私立で39校の高等学校ができました。
(最大数は第二次大戦終結時)
 
戦後は、昭和22年に「教育基本法」が公布され、
昭和25年に最後の卒業生を送り出し、
旧制度の高等学校は廃止されました。
 
この間、昭和24年には、五高最後の入学生
(昭和23年入学)が1年を終了したところで、
新制大学の2年生に編入されました。
 
第五高等学校の著名教授陣としては、
第三代校長の嘉納治五郎、
英語教授夏目金之助(漱石)、
外人教師ラフカディオ・ハーン、
漢学教授秋月胤永など
 
著名卒業生には、内閣総理大臣池田勇人、
同佐藤栄作、外務大臣重光葵、物理学者寺田寅彦、
漢学者宇野哲人、経済学者大内兵衛(マルクス経済学)、
作家下村湖人、同上林暁、同梅崎春生、
映画監督牛原虚彦、劇作家木下順二など
 
代表的寮歌は「武夫原頭に」
五高精神は「剛毅木訥」
etc.
 
Q「五高記念館」の基本情報を教えてください。
 
熊本大学五高記念館概要
◆所在地〒860-8555熊本市中央区黒髪2丁目40番1号
(黒髪キャンパス北地区内)
◆電話 096-342-2050
◆施設
建物面積
本館1,806㎡(2階建)化学実験場419㎡(平屋建)
建物構造 : 煉瓦組積造
 
ご利用案内
◆開館時間 午前10時~午後4時
※但し、入館は午後3時30分迄です。
 
◆休館日
毎週火曜日年末年始その他
※3月~11月の祝日は開館します。
※12月~2月の祝日は土日と重なった場合のみ開館します。
※熊本大学の行事の都合上、臨時に休館する場合があります。
 
◆その他 入館料無料
※車椅子での見学を希望される方は、事前にご連絡ください。
※団体でご見学の場合は五高記念館までお問い合せください。
 
◆駐車場現在、専用の駐車場はありません。
できるだけ公共交通機関をご利用ください。
 
Q藤本さんのお仕事について、
わかりやすく教えてください。
 
・藤本は、専門の研究分野はありません。
「五高記念館」の企画運営が主な仕事です。
平成17年度に熊本大学の政策創造研究センター(当時)の
研究プロジェクトとして、
「地域資源としての五高記念館の利活用整備プロジェクト」があり、
その取りまとめをお引き受けしたのが
五高記念館との最初の関わりです。
 
・五高記念館は、熊本大学野前身校の一つである
旧制第五高等学校の本館を記念館として公開しているものです。
平成22年12月には博物館相当施設に指定されています。
 
・現在、五高記念館スタッフは、下記のような活動を行っています。
展観事業として
①旧制第五高等学校に関する資料収集、保存、分析、研究
②旧制第五高等学校の教師、生徒、卒業生に関する調査
③上記の調査研究に基づく常設展示や企画展示の制作
④その他
(ア) 熊本大学の前身校に関する資料収集や調査
(イ) 旧制高等教育に関する資料収集や研究など
 
教育普及事業として
⑤展示の多言語化や外国語によるガイド育成事業
⑥市民向け「五高記念館文化講座」の実施
⑦その他
 
Q藤本さんがこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
五高記念館の運営企画に携わるきっかけは、
上記のとおり政策創造研究センター(当時)の
プロジェクトに関わったことですが、
以来今日まで仕事を続けることになったのは、
・五高卒業生に尊敬すべき考えの方が多かったこと
(経歴もすごい方が多いのですが、何よりも考え方が素晴らしかった)
・高校時代に教えを受けた先生方の多くが五高出身であり、
五高の校風を思わせる校風があったこと
(自由自治の考え方など五高の気風校風そのものだったのだと、
この仕事に携わってから実感しました)
・前述した自由自治の考え方や剛毅木訥に象徴される
五高の精神は、現今の学生はじめ若い人々に
伝えて行くべきものと思えたこと。
 
Q「五高記念館」の展示物の見所などあれば
いくつか具体的に紹介お願いします。
 
五高記念館は、旧制第五高等学校の歴史、文化、
関係する人々などについて総合的に展示している資料館です。
常設展示をご覧いただけば、五高だけではなく
旧制高等学校の概要がお解りいただけると思います。
特に見所というと、建物五高記念館(第五高等中学校本館)、
化学実験場、表門(赤門)は重要文化財
 
※化学実験場は今年3月、建物とドラフトチャンバーが
日本化学会の化学遺産にも指定されました。
黎明期の姿が解る「生徒募集告知木札」
第三代校長嘉納治五郎が依頼した勝海舟の扁額
「入神致用」モンタージュボイスで制作した
「夏目漱石の祝辞」etc.
 
Qお仕事以外での趣味などありますか?
 
草月(いけ花)、私の右脳の活性化に寄与しています。
多分一番リフレッシュできるのがいけ花です。
熊本まちなみトラストで建物や街並みの
保存活用について活動や学習をしています。
熊本産業遺産研究会で産業遺産
(主に近代化遺産ですが)について学習しています。
上記二つは年齢や立場役職などの垣根を越えて
つきあえる人間関係がリフレッシュにつながっていると思います。
 
Qこれまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
・開校120周年記念同窓会に際し、
五高に関する資料等の寄贈を募ったところ、
昭和18年の学徒出陣により出征し戦死した五高生が、
友人に託した歌集が書かれた当時のままに寄贈されたこと
(五高生同士の友情は時を超え、かくあるものと感じた。
これ以外にもエピソード多し。
青春の日に真の友人を得るということが、
その人の人生を支え、どれほど豊かにするものであるかを
しることができるエピソードばかりです)
 
・難病により寝たきりになられた卒業生が、
家族を五高に伴いたいと奥様と二人の息子さんと共に
記念館を訪ねられたこと
(五高生としての誇りや友と切磋琢磨した日々が、
その人の人生を支え、家族にもその事実を
伝えるべきものと考えておられること)
 
・夏目漱石が教師として在籍した頃、
御茶屋の借金を漱石に肩代わりさせたという
エピソードのある五高生の姪にあたる方が
「叔父はそのような人柄ではなく、
借金を作ったことがあったとしても
人様に肩代わりをさせるような家ではない
(豪農で素封家とのこと)」記念館に
そのように展示して欲しいといってこられたこと。
姪にあたる方も90才近い老齢の方でしたが、
ずっと忸怩たる思いであったとのこと。
(調べてみると実際そのような事実はなく、
漱石の人柄を強調するための作り話と考えられる)
一教師、一生徒についてもできるだけ
伝聞や風評に惑わされず事実を掘り起こし、
伝えて行く使命があると感じた
 
Q今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
旧制高等学校教育についての資料収集や研究、
展示などを通じて、現今の教育に資する面、
見習うべき面を伝えて行きたい
 
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