企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は、小中学校への理科実験機器の卸販売などを手掛ける、
教育・情報・オフィスの専門商社、株式会社内田洋行の
教育マテリアル企画部 マテリアル企画1課の足利昌俊さんに
お話をうかがいました。
~~~~~株式会社内田洋行 会社概要~~~~~
内田洋行は、教育・情報・オフィスの専門商社です。
2010年に、創業100周年を迎えています。
特に教育事業では、1948年(昭和23年)より、小中学校への理科実験機器の卸販売をはじめ
現在では、小学校から大学までの情報ネットワークの環境構築やシステムの開発から
提供まで、教育の情報化に取り組んでいます。
(内田洋行)http://www.uchida.co.jp/
Q① 「内田洋行」という社名の由来を教えて下さい。
弊社の創業者が、内田小太郎です。
内田洋行は、明治43年、中国・大連で事業をスタートしました。
社名の「洋行」は、 当時中国語で、「外国人の店」や「貿易商社」を意味すると同時に明治時代には、“洋行する”というは言葉が使用され、新天地を開拓していく“フロンティア精神”も意味していました。
Q② まず、「内田洋行」が販売している商品、美術室などでおなじみの石膏の「胸像」について教えてください。まず、正式名称は? いつごろから「内田洋行」では販売されていますか?
一番最初に石膏像の製作を始めたのは、「菊地鋳太郎(とうたろう)」という作家らしい。
最初は西欧風インテリアと彫刻家が作り出したのではないか、とのことです。
何かのきっかけで、美術の勉強の対象(教材)として扱われたのではないか。
教材としては、宮本美術石膏像製作所で、昭和22年ごろかと思われます。発端となった経緯は不明。
③ この「胸像」、現在、何種ぐらい販売されていますか?
5種類(ミロのヴィーナス、アグリッパ、ジュリアンメジチ、パルテノンヴィーナス、闘士の胸像)
Q④ 「内田洋行」は、その他にも教育機器をさまざま開発されているそうですが、
なにか開発エピソードのあるものがありますか?
デジタル顕微鏡 (正式名称 デジタル顕微鏡 D-EL2)
いきなりですが、ミジンコの目はいくつあるかご存知ですか?
ミジンコ自体はご存知の方が多いと思いますが、池の中などに生息している小さな生き物です。ミジンコは甲殻類に属し、エビやカニと同じ仲間の生き物なのです。しかし意外に知られていないことなのですが、ミジンコは複眼と言われる目は正面の中央部に1つしかありません。
ミジンコは小学校・中学校で必ず教科書に載っており、必ず顕微鏡で観察する授業があります。しかし教科書には横向きの写真しか載っていないため、ミジンコの目は両サイドに2つあると勘違いしている人が多く、実際の授業にて偶然縦向きの正面を向いたミジンコを見た児童は、ミジンコと理解できません。先生に質問してもミジンコは泳ぎまわっているから、先生も同じ映像を確認することができず、先生に説明することができない。そして1つ目の生物をミジンコではない別の生物だと思い込んでしまう。実際にこのような事が教育現場ではよくあります。
そこで近年小学校・中学校でデジタル顕微鏡と言う顕微鏡が注目されております。デジタル顕微鏡は大型TVやPCに観察している映像をリアルタイムで映し出す事が出来る新しい顕微鏡です。
デジタル顕微鏡を使えば児童が見ている映像をリアルタイムで先生も確認できます。逆に先生が演示用として児童全員に観察物を見せることもできます。ミジンコの目が1つだということもみんなで確認することができるのです。
Q⑤ 「デジタル電子顕微鏡」は、いつごろ、どんなきっかけで開発されたものですか?
実はデジタル顕微鏡は10年以上前から販売しておりました。
しかし、当時は通常の顕微鏡と比べて高価で、導入している学校は多くありませんでした。
しかし近年、デジタル機器の価格が下がり、弊社デモ去年春に48,000円(税抜き)のD-EL2というデジタル顕微鏡を発売することができました。
Q⑥ 「デジタル電子顕微鏡」、開発のポイントは?
とにかく学校での活用シーンを想い描いて開発しました。
例えばD-EL2は、ビデオ端子1本で簡単に大型テレビに映し出す事ができます。以前はPCを使用してモニタやプロジェクターに映し出すものが多かったのですが、D-EL2はPCなしで簡単に映し出す事ができます。また専用ケーブルは学校仕様で、5mもあるロングケーブルを付属しております。教卓にD-EL2を置いて、遠くの大型TVやプロジェクターに接続する事ができます。
またD-EL2は接眼レンズの代わりに3.5インチの液晶モニタが付いています。液晶画面ですのでグループ実験や演示実験で、大勢で同時に観察することもできます。
そしてD-EL2はデジタルカメラのように、ワンボタンでSDカードに保存することもできます。実験の記録や教材作成に最適な顕微鏡なのです。
おかげさまで発売時からとても反響が良く、お問い合わせもたくさんいただいております。そして授業でご使用いただいている学校様が急激に増加致しました。
Q⑦ そのほか、「内田洋行」の商品に関するなにか面白い開発秘話エピソードなどあればお願いします。
新学習指導要領の改訂で、小学校・中学校共に理科の授業時間が増加しました。
それに伴い、教科書が厚くなり、実験内容も増加しました。
その中の一つとして、今の小学性は双眼実体顕微鏡を用いて観察を行います。単眼の顕微鏡と違い、立体的な映像で観察することが可能な顕微鏡です。
そこで弊社では、顕微鏡本体だけではなく、先程のミジンコの話に戻ってしまいますが、ミジンコの自然な動きを観察できるように「ミジンコ観察用プール」と言う商品も開発しました。
直径12mmと小さな樹脂製のミジンコを観察するためだけのプールです。このプールを使用すると顕微鏡の視野内に収まるので、視野外にミジンコが逃げることなく、双眼実体顕微鏡で、簡単に観察することができます。一度見てもらえばわかりますがミジンコが泳いでいる姿はとても可愛く、必ずくぎ付けになります。
実は私自身がミジンコのファンになってしまい、会社のデスクでミジンコを育てているくらいなのです。
Q⑧ そのほか、オススメのサービス、キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
New Education Expoという、”未来の教育を考える” 教育関係者向けのセミナー&展示会が毎年あります。 本年も東京と大阪の2会場で行います。東京では6/7(木)・8(金)・9(土)に東京ファッションタウン(TFTビル)にて、大阪会場は6/22(金)・23(土)に大阪マーチャンダイズ・マートにて行います。
もちろんそのエキスポの理科ブースにミジンコと顕微鏡を持って出店しますので、見てみたいという方は是非お越しください。
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