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キネマのススメ

クワイエットルームにようこそ

今日紹介したのは、現在公開中の「クワイエットルームにようこそ」です。

日本を代表するクリエイター・松尾スズキが、

第134回芥川賞候補となった自作の小説を、自ら監督した作品。

バツイチのフリーライター・明日香は、仕事に行き詰まり、

同棲している恋人とも、すれ違いの日々。

そんな彼女はある日、アルコールと睡眠薬の過剰摂取により、

女子だけの閉鎖病棟に担ぎ込まれ、入院生活の中で、

自分自身を見つめなおしていきます。

松尾スズキといえば、阿部サダヲや宮藤官九郎などを抱える

超人気劇団「大人計画」の主宰をはじめ、

演出家、劇作家、俳優、コラムニスト、小説家など、

あらゆる分野でマルチな才能を発揮しています。

笑いを通じて人間の本質を描き出す彼の作風は、

ブラックなギャグをまじえつつ、人間が抱える弱さを真正面からとらえています。

かなり重いテーマですが、見終わった後は、爽快な気分が残ります。

ヒロインには、9年ぶりの長編映画主演となる内田有紀。

そのほか、大竹しのぶ、蒼井優、りょう、妻夫木聡など、

個性的な演技派の役者が、期待どおりの演技を見せてくれます。

特に、拒食症の患者を演じる蒼井優は、怖くなるほどリアル!

また、宮藤官九郎が、彼自身を思わせる売れっ子放送作家を演じていて、

これまたピッタリハマっています。

最近疲れたなぁ・・・という方には、特に心にグッとくる映画ではないでしょうか。

映画「クワイエットルームにようこそ」は、

■シネプレックス熊本  で、現在上映中です。

「クワイエットルームにようこそ」オフィシャルサイト

http://www.quietroom-movie.com/

自虐の詩

今日紹介したのは、現在公開中の映画「自虐の詩」です。

「ケイゾク」「トリック」シリーズなどで知られる堤幸彦監督が、

「ケイゾク」の中谷美紀、「トリック」の阿部寛と組んだ、注目の作品。

小さな頃から不運続きの幸江は、

乱暴者で酒飲み、仕事もせずにギャンブルに明け暮れるダメ男、

イサオに、けなげに尽くす妻。

アパートの隣人に別れを勧められても、パート先のラーメン屋のマスターに

言い寄られても、ひたすらイサオを愛し続けます。

そんなある日、刑務所帰りの父親が彼女の前に現れます。

一方、イサオも働きに出ることを決意するのですが・・・。

原作は、「日本一泣ける」と絶賛された4コママンガ。

原作の舞台は東京なのを、映画では大阪の下町に変えているんですが、

これが大成功!主役の2人や、彼らを取り巻く人々の強烈なキャラクターが、

どこかうさんくさい、大阪の町の空気にうまく溶け込んでいます。

見どころは、なんと言っても、主役の2人の演技です!

去年「嫌われ松子の一生」で絶賛された中谷美紀は、今回も不幸の中に

幸せを見つけるけなげなヒロインを、生き生きと熱演。

阿部寛は、無口で乱暴で、パンチパーマという強烈な役柄!

気に入らないことがあると、すぐにちゃぶ台をひっくり返す、

かなりひどい男なんですが、それさえも最後には愛しく見えてきます…。

エンディングの終わりには、重要なシーンが残っていますので、

最後まで席を立たないでくださいね!

映画「自虐の詩」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■シネプレックス熊本  で、現在上映中です。

「自虐の詩」オフィシャルサイト http://www.jigyaku.com/index.html

パンズ・ラビリンス

今日紹介したのは、現在公開中の映画「パンズ・ラビリンス」です。

1944年のスペイン内戦を舞台にしたこの作品、

今年のアカデミー賞で3部門に輝くなど、

世界中で高い評価をうけたダークファンタジーです。

内戦で父を亡くした少女・オフェリアは、

母の再婚相手の待つ駐屯地へ身を寄せます。

しかし、義理の父となったビダル大尉は、独裁主義の冷酷な男でした。

過酷な現実から逃れたいオフェリアの前に妖精が現れ、

森の中の迷宮へと導きます。そこには、ヤギの頭と体を持つパンがいて、

魔法の国へ入るための試練を与えるのでした。

「ファンタジー」というと、ファミリー向けの口当たりのいい映画を

思い浮かべますが、この映画はそのイメージとはかなり違います。

現実の世界と幻想の世界がクロスしながら進んでいくんですが、

そのテイストには全く甘さがありません。

スクリーンには次々に、悲しみと恐怖が映し出されていくのですが、

それだけに、ファンタジーを心の友として、過酷な現実を乗り越えようとする

少女のけなげさが際立っています。

監督は、メキシコ出身の、ギレルモ・デル・トロ。

彼は「ミミック」や「ブレイド2」などホラーテイストの作品で知られていますが、

豊富な知識や技術から生まれる、ちょっとグロテスクで独創的な映像から、

「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンとよく比較されるそうです。

ファンタジーは子供のものと思っている大人にこそ見て欲しい傑作です。

映画「パンズ・ラビリンス」は、■シネプレックス熊本 で、現在上映中です。

「パンズ・ラビリンス」オフィシャルサイト http://www.panslabyrinth.jp/

未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~

現在公開中の映画「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」で

主演の福島慶太役を演じている「竹財輝之助」さんへのインタビュー

の模様をお届けしました。

熊本出身の竹財さん、役者になろうと思ったきっかけは何ですか?

もともとモデルになりたくて上京したので、大学在学中にモデルを

やっていたんですが、その延長で今の事務所に出会いまして、

役者をやってみる機会があったんですが、

「モデルは自分じゃなく洋服を魅せる」のに対して

「役者は自分の体を使って表現する 感情も入る」というところに

はまってしまって今では役者の方が好きです。

竹財さんとドリカムの曲「未来予想図」(この映画の元になっています)の

出会いはいつだったんですか?

小学生の頃です。姉が聞いてて、それを聞いたのが初めてです。

今回改めて歌詞を読み返したんですが、

古いとか新しいとう概念がなくて、歌詞を読むだけで風景がうかんでくる、

ほんとにすごい曲ですよね。

その分プレッシャーもありましたが、

映画という1つの形としてみてもらいたいと思っています。

役作りはどのようにされましたか?

監督の意向で「自然な2人をとりたい」というのがあって、

筋さえあってれば何しゃべっていいって言われていたので、

大学時代のシーンなんかはほとんどアドリブでやりました。

ヘルメットをぶつけるシーンは2人とも素で照れてしまいましたが、

映像になってみるとこれで良かったんだなと思いました。

でも自然にやるのって難しかったですね。

撮影中印象に残ったシーンはありますか?

スペインが楽しかったです。もともとガウディに興味があったので、

ガウディの建物にあえるのが嬉しかった。

共演者の加藤雅也さんと一緒にいた時間が長かったんですが、

役者としての姿勢など見習いたいことがたくさんあります。

役によってガラっと変われる役者になりたいですね。

最後に、この映画を通して伝えたいことを教えて下さい。

あったかいものを感じてその気持ちをもったまま、

謝れていない友達に「ごめんね」と言ったり、

好きな人に「愛してる」を伝えて欲しい。

言いたいことはその時、思った時に言わなきゃだめなんだと

思って欲しいです。また、親のありがたさも感じました。

僕も普段は「ありがとう」さえ言えないですが、

ちょっと言ってみようと思っています。

映画「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」は
■ シネプレックス熊本
■ ダイヤモンドシティ東宝8
■ ワーナー・マイカル・シネマズ熊本クレアで 現在上映中です。

「未来予想図~ア・イ・シ・テ・ルのサイン~」 http://www.miraiyosouzu.jp/

北極のナヌー

今日は、現在公開中の「北極のナヌー」を紹介しました。

地球上で最も北にある、海に浮かぶ氷の世界・北極は、

最も地球温暖化の影響を受けているといわれています。

その北極で、環境の変化にもまけず、懸命に生きていこうとする

ホッキョクグマ・ナヌーの姿を描いたのが、この作品です。

物語は、巣穴の中から姿を現した、ホッキョクグマのナヌーが、

母グマと一緒に、エサを求めて旅立つ場面から始まります。

厳しい自然の中で、生きていくすべを身につけていくナヌー。

やがて独り立ちの日を迎えるのですが・・・。

自然科学の分野で高い評価を誇る「ナショナル・ジオグラフィック」が、

初めて手がけた長編映画。15年の撮影期間で、

チームが回したフィルムは、なんと800時間以上に及びます!

どうやって撮ったんだろう!?と思うほど、

動物達の生活に密着した映像には、本当に驚かされます。

日本語版のナレーションを担当するのは、SMAPの稲垣吾朗。

おだやかな語り口が、映像にあたたかさを添えています。

映画「北極のナヌー」は、

■ワーナー・マイカル・シネマズ 熊本クレアで、現在上映中です。

「北極のナヌー」オフィシャルサイト http://www.nanu.jp/

エディット・ピアフ 愛の賛歌

今日は、現在公開中の「エディット・ピアフ 愛の讃歌」を紹介しました。

越路吹雪をはじめとする多くの歌手によって歌い継がれてきた

名曲「愛の讃歌」。そのオリジナルのシンガーこそが、

この映画のヒロインとして描かれるエディット・ピアフです。

1915年、第1次世界大戦の真っ只中の時代に生まれたピアフは、

生活費を得るために、日々、路上で歌っていました。

やがてその才能を見いだされたピアフは、パリの名門のクラブで

「ラ・モーム・ピアフ」(小さなスズメ)という芸名で歌うようになり

「世界の歌姫」として羽ばたいていくことになるのですが・・・・・・・・・。

この映画では、有名になった後のピアフの「恋愛の苦悩」や

「ドラッグの問題」までも容赦なく描き、人間・エディット・ピアフの

深い内面まで見事に映像化しています。

エディット・ピアフを演じるマリオン・コティアール、

美しいだけないパワフルな演技力を見せてくれます。

すでにヨーロッパでは数々の映画賞に輝き、来年のアカデミー賞でも

「主演女優賞最有力!」とまでささやかれている才色兼備の実力派です。

映画を見た後は、ピアフの歌声がより深く、あなたの心に刺さるはずです。

映画「エディット・ピアフ 愛の讃歌」は
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■シネプレックス熊本  で 現在上映中です。

「エディット・ピアフ 愛の讃歌」オフィシャルサイト http://www.piaf.jp/

クローズド・ノート

今日紹介したのは、9月29日(土)に劇場公開となる

行定勲監督作品「クローズド・ノート」です。

FMKで毎月1回「月刊行定勲」の生放送をしている行定監督、

今回は、行定監督が最も得意と言われるジャンル、「ラブ・ストーリー」。

沢尻エリカ、竹内結子の人気女優の初共演も話題の1作です。

大学生・香恵が引っ越したアパートに残されていた一冊のノート。

それは、新任教師・伊吹の書いた日記でした。やがてそのノートは、

香恵を予想もしなかった「運命の真実」に導くことになるのですが・・・。

映画全体の映像が美しい!今回、照明を担当したのは、

熊本出身の中村裕樹さん。行定監督とは、「世界の中心で愛をさけぶ」や

「春の雪」でもコンビを組んだいわば「行定組」とも言えるスタッフです。

ストーリーだけでなく、光と影で織り成される映像の深みも堪能できます。

行定勲監督からのコメント「出会いがテーマとなっているこの映画は、

人と人との結びつき、今ここに自分がいる意味を感じてもらえる

作品になっています。ぜひ劇場ご覧下さい。」

「クローズド・ノート」
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■ダイヤモンドシティ東宝8
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本クレア 9月26日(土)公開

「クローズド・ノート」オフィシャルサイト http://closed-note.com/

めがね

今日紹介したのは、9月22日(土)に公開の映画「めがね」です。

昨年公開されて女性客を中心に大ヒットを記録した映画「かもめ食堂」。

荻上直子監督をはじめとする優秀なスタッフが再び結集した作品です。

海辺の小さな町にやって来たタエコは、

素朴で小さな宿・ハマダに泊まることになります。

ご飯のおいしいその宿で、かなり不思議な微笑みの女性・サクラらに出会い

ゆっくりとタエコは変わっていきます。

タエコ役には、「かもめ食堂」に続いて小林聡美、

サクラ役には、同じく「かもめ食堂」から、もたいまさこ。

ほかにも、加瀬亮や光石研など、自然体でフワーッとした演技が

とっても素敵な役者が登場してきます。

登場人物がすべてめがねをかけているんです。

そしてまた、登場してくる食事が、どれもこれも、

かなり!かなり!おいしそうなんです!

豊かな風景と美味しい食べ物がたっぷり詰まった「めがね」。

ちょっと旅行した気分にさせてくれる素敵な映画です。

映画「めがね」 ■シネプレックス熊本   9月22日(土)公開

「めがね」オフィシャルサイト http://www.megane-movie.com/

スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ

今日紹介したのは、

9月15日(土)に公開の映画「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」です。

先日開催された「ベネチア国際映画祭」でも正式上映され、

世界的に注目されている作品です。監督は三池崇史。

三池監督が今回取り組んだのは、日本版の西部劇です。

壇ノ浦の決戦から数百年後、莫大な埋蔵金を巡って

源氏と平家の末裔たちが対立するある村に、

流れ者の凄腕ガンマンが登場します。どちらの陣営も、

この流れ者を用心棒に引き入れるべく動き出し、

事態はさらに不穏な方向へ向かっていくのですが…。

日本が舞台なんですが、どこか無国籍な映画です。登場人物は

すべて英語を話しているという不思議な雰囲気が全編に漂っています。

出演は、流れもののガンマンに伊藤英明、平家のボスに佐藤浩市、

源氏のボスに伊勢谷友介。

キーパーソンとなる2人の女性を、木村佳乃と桃井かおりが演じています。

1960年代に起きた世界的な西部劇ブームの時に、

イタリアで作られた西部劇を「マカロニ・ウエスタン」

(アメリカでは「スパゲッテイ・ウエスタン」)と呼びます。

アメリカで作られた本家の西部劇に対して、

最初は「まがいもん」「パチもん」というニュアンスで呼ばれていたんですが、

この中でも本家を越えるような面白い作品が続々登場して、

新しいエンターテイメント映画の歴史を作っていったんです。

今回の「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」は、

そういう映画の歴史を知ってみるとさらに楽しめます。

あのクエンティン・タランティーノ監督もスペシャル・ゲストとして登場!

「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」は
■TOHOシネマズ光の森
■ダイヤモンドシティ東宝8 
■熊本松竹
■シネプレックス熊本     で 9月15日(土)公開です。

オフィシャルサイト http://www.django-movie.com/

魔笛

今日紹介したのは、現在公開中の映画「魔笛」です。

モーツアルトの最後にして最高の傑作オペラとして有名な「魔笛」を

俳優・監督として活躍しているケネス・ブラナーが映画化しました。

設定を、オリジナルの舞台設定から第1次世界大戦の時代に変更して

戦車や近代兵器が飛びかう壮大なスケールの映画オペラが誕生しています。

主人公タミーノは、女王から魔法の笛・・・・魔笛(まてき)を託され、

悪の帝王と言われるザラストロに誘拐された娘パミーナを救うため

冒険の旅に出かけます。

その過程で出会う様々キャラの登場人物と素晴らしい歌の数々。

そしてクライマックスには意外なエンディングが用意されています。

モーツアルトが「魔笛」を初演したのは、1791年。

それから200年以上の時を越えてスクリーンに展開される

驚異の映像を楽しんでください。

「魔笛」は ■シネプレックス熊本  で 現在公開中です。

「魔笛」 オフィシャルサイト http://www.mateki.jp

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