企業にまつわる気になる疑問を解決する「会社のヒミツ」。
今日は「株式会社 昭文社」のヒミツに迫ります。
「株式会社昭文社」は、「まっぷる」「ことりっぷ」などの旅行ガイドブックや
「スーパーマップル」「文庫地図」などの地図の出版事業を行っています。
また、おでかけを楽しくするスマートフォンアプリの制作や、
カーナビゲーションデータ制作、観光情報のデジタル事業などを
展開している会社です。
お話を伺ったのは、株式会社 昭文社 広報の和田史子さんです。
Q1「昭文社」というと、ガイドブックや地図のイメージが強いのですが、
その他にもさまざまな事業を展開しているんですね。
出版物で培ったノウハウを活かして、さまざまな事業を展開しています。
たとえば、駅や観光案内所に置いてある地図付きの観光パンフレットも
昭文社が制作しているものがあります。
また最近は、日本に来る外国人観光客の方むけに、
日本の観光情報を発信しています。
台湾やタイ向けのFacebookページではすでに65万人もの
外国人のファンがいまして、昨年11月には日本旅行で使えるアプリ
「DiGJAPAN!(ディグジャパン)」もリリースしています。
日本の方にも、世界の方にも「旅やおでかけ」を通して
「幸せの記憶となる体験」を楽しんでいただけるよう、
出版物やアプリ、ナビなどさまざまな形で厳選された
旅行情報を発信しています。
Q2「昭文社」という社名の由来を教えてください。
昭文社の地図の歴史は創業の年の1960年(昭和35年)に発行した
『大阪市区分地図篇』(官公庁・企業向け高額版)、
『大阪市精図』『河内市精図』(一般向け廉価版)から始まりました。
社名の由来は、「昭和」始まったことと、地図はもちろん広く
「文化」の一端を担うものを作れる会社でありたい、
という創業者の思いから名づけられました。
Q3「昭文社」は、どんなイメージの会社を目指しているのですか?
「旅やおでかけと言えば昭文社」と言っていただけるような
会社を目指しています。旅やおでかけ、というのは日常から離れて
非日常を味わう特別な体験です。
夏休みの海外旅行も、家族で行く温泉旅館も、
友達とでかけた日帰り旅も、週末に楽しむ登山も、
デートのドライブも、人生のなかの「幸せの記憶となる体験」だと
考えています。
昭文社には「旅やおでかけ」が大好きな「旅やおでかけ」のプロが
集まっています。そんな私たちが、ひとりでも多くの方の
「幸せの記憶となる体験」のお手伝いをしたい、という想いで
国内・国外問わず「旅やおでかけ」に役立つ情報をお届けしています。
旅やおでかけというのは、特別な体験であると同時に、
体験する回数は決して多くありません。
ちょっとした週末のおでかけを含めても年に10回程度と
言う方が多いのではないでしょうか?ですから、
その貴重な機会に昭文社の情報をお役立ていただけるよう、
間違いのない、旅やおでかけをもっともりあげる、
そして何よりもっと旅に行きたくなるような、
ワクワクするような情報をお届けするようにしています。
Q4「昭文社」の商品でもっともヒットしたのは何ですか?
それは、いつごろ、どんなきっかけで発売された商品ですか?
1989年に創刊した「まっぷるマガジン」シリーズです。
元々各都道府県の観光情報をまとめて紹介していた
「エアリアガイド」シリーズというものがありましたが、
1989年、により旅行客のための観光情報に特化した
ガイドブックシリーズに生まれ変わりました。
各観光地の特色や見どころ、グルメ、体験スポットを分かりやすく、
ワクワクするようなビジュアルでご紹介しています。
現在は旅に求められる要素が多様化しており、
観光地をご紹介する定番のガイドブックから、
ファミリー向けのガイドブック、ドライブがメインのガイドブック、
温泉、お得に泊まれる旅館、産直市場など、
まっぷるシリーズの中でも
さまざまなジャンルのガイドブックを制作しております。
まっぷるは創刊されてから26年が経ちますが、
全部で3200冊を越えるタイトルが発売されております。
平均して年間120タイトル以上出版していることになります。
Q5上記商品の開発ポイントがあれば教えてください。
人気の秘密でお答えします。
「まっぷるマガジン」シリーズは、観光地ごとの情報を
ぎっしり詰め込んだオールマイティなガイドブックです。
読者の方には「旅の定番」「旅行の教科書」といった
お声もいただくのですが、初めての場所を旅する
不安を解消するのにも、新たな楽しみを探しに行くリピートの旅でも、
ご満足いただけています。
観光地には数多くのスポットやお店がありますが、
その中でどれを選んだら良いのか迷われることもよくあると思います。
「まっぷるマガジン」は情報量たっぷりですが、
そのどの物件も皆さまの「旅の記憶」を幸せなものにできるように、
編集部でしっかりと情報を厳選しています。
安心して旅を楽しんでいただけるのも人気の秘密かもしれません。
加えて付録地図も充実しています。
もともと地図会社でしたので、意匠、情報鮮度、詳しさ、
見易さすべてにおいてこだわって制作しています。
地図も旅先で重要なアイテムなので。
また、ガイドブックにもデザインにもこだわっています。
旅やおでかけを計画するとき、そして出かけるとき人の心は
明るくテンションの高い状態にあると思います。
そんな気持ちを盛り上げられるように元気になるデザイン、
旅への思いを高める美しい写真を使用することを心がけています。
さらに、「まっぷる」には無料アプリ「まっぷるリンク」がついていまして、
本の読者の方は電子書籍を無料で見る事ができます。
このアプリが大変好調で、この春200万ダウンロードを突破しました。
写真が大きな「まっぷる」は旅行のプランニングに
見るときには便利ですが、旅先での持ち歩きには
少し荷物になるという声を反映して、
旅先ではスマートフォンだけでも街歩きができるよう
「ダブル使い」をおすすめしています。
Q6「昭文社」は、エイプリルフールに
面白い企画を実施したことがあるそうですが、詳しく教えてください。
元々弊社「昭文社」と学習参考書などを出版されている
「旺文社」さんは間違えられることが多く、お問い合わせの電話では
しょっちゅう、名刺交換をした方にさえ社名を間違えられることも
あるほどです。
2010年に、Twitterの公式アカウント同士でお互いよく間違えられる、
というのが話題になったことから旺文社さんとつながりを
持つことになりました。以後、Twitter上ではよくやり取りしていました。
2013年に、よく間違えられることを逆手に何かできないか、
ということになり「昭文社×旺文社どどっちがどっち?!キャペーン」
というTwitterとFacebookを利用したキャンペーンを実施しました。
お客様に両社が混同されないよう「○○なら昭文社、●●なら旺文社」
というキャッチコピーを考えていただき応募していただく、
というもので、WEBニュースや朝のワイドショーなどでも
話題にしていただきました。両社とも、昭和に創業した会社で、
出版からスタートしましたが現在はデジタル分野など幅広い分野で
サービスを提供しています。このキャンペーンを機に、
両社のことをより良く知っていただければと思いました。
「どっちがどっち?!キャンペーン」から一年たった
2014年の4月1日に、エイプリルフールということで、
お互いのアカウントアイコンを交換して、お互いの会社の
アプリを使った感想をツイートするということもやりました。
昭文社は、旺文社さんの英単語学習アプリ「ターゲット1900」で
英単語の勉強をし、旺文社さんには弊社の
「まっぷるリンク」というガイドブック連携のアプリを使っていただき
鎌倉を旅していただきました。まだ詳細は申せませんが、
今年のエイプリルフールもおもしろいことをやりたいと、
作戦会議中です。ぜひ、お楽しみに。
Q7「昭文社」の歴史の中でもっとも印象的な出来事は何ですか?
震災の時、東京千代田区にあった昭文社の本社ビルも激しい揺れに
みまわれました。いったい何が起こったのだろう?
外回りをしている社員は無事なのか?と心配して社内が混乱する中、
営業部の電話は断続的に鳴っていました。
その電話は地図の注文の電話でした。被災地のことを調べたり、
避難や移動で地図の注文が地震直後から相次いだのです。
とはいえ、昭文社の倉庫も被災していて商品が
すぐに取り出せない状況でした。
地震から数日以内に東北の地図を緊急出版することが決まり、
「復興支援地図」として無償配布することになりました。
通常の流通ルートが使えなかったため、
キャラバン隊として被災地には社員が車で地図を運びました。
また、少し経ってからですが、東北を旅で応援しようという
旅行ガイドブックのキャンペーンも行いました。
昭文社は「地図」と「旅行」の2つの大きな柱でやってきた会社ですが、
昭文社が今目指している旅やおでかけを応援するということは、
安全な日常が担保されてこそのことです。緊急時や
日常生活を便利にする「地図会社」としての社会的責任と、
旅やおでかけでニッポンを元気にする、人々に幸せな
体験をしてもらう「旅行」事業のミッションは、
どちらも昭文社にとって大切なことだと社員が痛感した出来事でした。
あれから4年経過しましたが、東北に旅人が行き交う風景を
1日でも早く取り戻せる様に、我々にできることを
継続してやっていこうと思っています。
Q8そのほか、「昭文社」に関する面白いエピソードなどあればお願いします。
①弊社の営業マンは、「地図を出版している会社なので、
営業先に向かうときに絶対に道を間違えられなくて緊張する」と
よく言っています。地図が好きな人間が多いのですが、
中には会社に入るまで地図を読むのは苦手だったと言う人もいるんです。
②弊社の社長はたいへんエネルギッシュなスポーツマンで、
明るくユーモアのある社長です。マラソン大会にも参加して、
5キロのランニング大会で、40代の部で10位にランクイン、
社員3人と参加した企業対抗駅伝では業種別ランキング
(マスコミ・広告部門)2位ランクイン、など走るのがとても速いのです。
③旅行好きの人間が多いのですが、マニアックな人が多く、
三百名山を制覇した人や、世界50カ国以上旅してる人、
鉄道マニアの人、お得な切符を駆使する人、
などなど旅行話を聞いていると飽きません。
④地図を編集している地図編集部では、忘年会の余興で
市区町村のカタチを見て、当てるというものがありました。
日々地図と向き合っている部署ならではの余興だと
思いますが大いに盛り上がったそうです。
⑤③と関係して、旅行好きな人間が多いので、
長期の休みを比較的取りやすい雰囲気があります。
一週間ほど休んでモロッコに行った人間や、
アラスカに行く人間などもいます。
⑥社内にさまざまな同好会があります。本社近くにある
皇居をみんなで走ったり大会に出たりするランニングクラブや、
将棋同好会、野球部、落語同好会もあります。
また同好会ではありませんが、地図知識と体力を
兼ね備えないといけないオリエンテーリングやロゲイニング、
トレランといったスポーツを愛好する人が十数人いて、
課外活動がさかんです。活動のあとは、
地図とガイドブックの知識を総動員して、
最適なアフター(飲み会)の会場探しをします。
こんなところにも仕事が生かされていたりするんです。
Q9そのほか、オススメの商品、サービス、
キャンペーンなどPRしたい案件があればお願いします。
先ほども少しご紹介しましたが、昭文社のガイドブックシリーズ
「まっぷるマガジン」には大変便利なスマホアプリサービス
「まっぷるリンク」が付いています。
これは、ガイドブックの中身をそっくりスマホにいれて持ち歩ける
読者限定の無料サービスです。アプリをインストールしていただき、
ガイドブックについているQRコードを読み込んでいただくと、
そのガイドブックの地図や電子書籍などのコンテンツが
ダウンロードできます。プランニングは見やすい
ガイドブックでしていただいて、現地で地図を確認したり、
ガイドブックの内容を見返したいときにはスマホで、
と便利に使い分けていただけます。具体的には、まず、
購入したガイドブックの電子書籍版がタダで読めます。
こちらはすべてのページをご覧いただけるだけでなく、
付箋をつけたりメモをすることもできます。
現地で見返すだけではなく本を見ながら気になるところに
付箋を立てる、などプランニングにも役立てていただけます。
また、ガイドブックの中にある地図もダウンロードできます。
現在地や、行きたいお店、そこへ行くための方向指示も
スマホ上で表示することができるので、
地図が苦手な方にも快適に旅を楽しんでいただけます。
さらに、この「まっぷるリンク」からお得に旅館や
ホテルの宿泊予約をすることができます。
「まっぷるリンク」から宿泊予約をしていただくと、
弊社が提供している「マップルトラベル」というサービスで
提供している宿泊料金の5%OFF価格で予約していただけるんです。
便利な上に大変お得なサービスがつまっているアプリなので、
ぜひ「まっぷるマガジン」を手にとられた皆さまにお使いいただき、
旅をより楽しく充実させていただければと思っています。
・まっぷる 超詳細!京都さんぽ地図 mini
京都の街のおすすめのさんぽコースを紹介しているガイドブックです。
見開きに、地図とお店・見どころの紹介が一緒に掲載されているので、
ページを行ったり着たりせずに散歩コース全体を見ることができます。
地図が見やすい大きめサイズ(A4変伴)と、
こちらの持ち歩きしやすいmini版
(A5変判 タテ197mm×ヨコ150mm)があります。
大きめサイズは、第一回京都ガイド本大賞にも選ばれました。
・ことりっぷシリーズ
女子旅のお供ととして女性から圧倒的な支持を受けている
ガイドブックです。持ち歩きしやすいサイズに、
週末の小さなたびにぴったりの厳選された情報など、
「ことりっぷ」ならではのこだわりが詰まっています。
「ことりっぷ 由布院・黒川温泉 阿蘇・高千穂」では、
良質な温泉や素敵な旅館はもちろん、
阿蘇の大自然やみどころ、思わず立ち寄りたくなるカフェや
雑貨屋さんを紹介しています。
また、2014年5月には季節号「ことりっぷ マガジン」を発刊して、
旅と日常のくらしをつなぐ情報を季節ごとにお届けしています。
・まっぷる 北陸新幹線で行こう!
3月14日に開業したばかりの北陸新幹線を
100%楽しむための情報がつまった一冊です。
金沢の観光情報はもちろん、新しく開業した新駅からいける、
立山・黒部アルペンルート、白川郷・五箇山などにも注目が集まっています。
登山に欠かせない情報がつまった、登山地図『山と高原地図』シリーズ、
ツーリングが楽しくなるコメント情報が人気の『ツーリングマップル』シリーズ、
どちらも昭文社のロングセラーブランドです。
春の陽気を感じる今日この頃、
おでかけの計画を立てるのにぴったりのシリーズです。
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
詳しくはここ↓