今日ご紹介したのは、現在、公開中の
「ロック・オブ・エイジズ」です。
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昨年からトム・クルーズがロックシンガーを演じるということで
かなり話題になっていたこの作品。
今回、トム・クルーズは主演ではないんですが、とにかくロックのカリスマに
なりきって演じていて、このトム様を見るだけでも、この映画をみる価値が
あるくらいすごい演技を見せています。
いつも主演ばっかりのトム・クルーズは、たま~に助演にまわったときに、
特にぶっ飛んだ演技を見せることが多いようです。
アカデミー賞で助演男優賞にノミネートされた「マグノリア」では、
あやしい教祖を演じていましたが、今回演じるロックのカリスマである
ステーシー・ジャックスは、それ以上の怪しさ炸裂の演技を見せてくれます。
ロン毛に革パン、全身にはタトゥー。
常にスコッチのボトルを片手に酒をあおりながら人と話すという、
ロック・シンガーのイメージをそのまま実体化したようなキャラクターを演じています。
この役のために1日5時間、週5日のボイストレーニングを受けて
カリスマに成りきる準備をしたというトム様のロック魂にも注目です。
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今回の作品は、舞台のアカデミー賞と言われる「トニー賞」で
作品賞ほか5部門にノミネートされ、ブロードウェイを筆頭に世界各国で
ヒットを記録し続けているミュージカルの実写映画化。
2007年に公開され大ヒットしたミュージカル映画「ヘアスプレー」の
アダム・シャンクマン監督がメガホンをとっています。
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舞台は1987年のハリウッド。
サクセスをつかもうとする若者たちがひしめくサンセット大通りに建つ
伝説のライブハウス「バーボンルーム」。
そこで働きながらロック・スターを目指す若者ドリュー。
そしてシンガーになるのを夢見てオクラホマの田舎から飛び出してきた
女の子シェリー。ライブハウスで働きながら、二人は、次第に心を
寄せ合うようになっていきます。
一方、彼らがあこがれている人気バンド「アーセナル」の
カリスマ・ボーカリストであるステイシー・ジャックスは、成功に酔いしれ、
酒と女におぼれる日々を送っていました。
そんなある日、ひょんなことからドリューは、プロのアーチストとして
デビューするきっかけを掴みますが、成功への階段は、
そう簡単なものではなかったのです・・・・・・。
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とにかく「ロック・オブ・エイジズ」の中で流れる楽曲は、ハードロックの中でも
メロディアスなバラードナンバーが多いです。
80年代から90年代に大ヒットした こういうジャンルのバラードは、
特に「パワーバラード」と呼ばれています。
それまでは、熱狂的なファンは多かったものの、メガヒットとまでは
いかなかったこのジャンルの音楽がアメリカ全土、さらには世界各国に
突然ひろがるようなります。ひろめたのは、24時間アーチストの
プロモーション・ビデオをオンエアする放送局「MTV」。
1981年のスタートです。
「MTV」がスタートしてからは、アーチストが新曲を出すと、
プロモーション・ビデオを作るのが当たり前になりました。
いまでは当たり前のPVは、このころからスタートしたんですね。
ハード・ロック界では、1000万枚以上という驚異的のアルバム・セールスを
記録するアーチストも登場してきます。まさにハードロックの黄金時代ですね。
「MTV」ブームは、音楽業界だけでなく、映画業界にも広がってゆきます。
「MTV」風の短いカッティングに音楽をシンクロさせる演出の映画が
いくつも製作されるようになりました。
「フラッシュダンス」「フットルース」そしてトムクルーズ主演の「トップガン」などは、
当時「MTV映画」と呼ばれていました。
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同じ頃、ここ熊本でも「サタデー・ミュージック・スペシャル」という
音楽テレビ番組が大評判でした。
正確に言うと、「MTV」より先にスタートした番組ですから、世界初の
MTVプログラムだったようです。
出演していたのは、「FMK パンゲア!」木曜日のDJでもおなじみ、
われらが かなぶんや さん。
熊本の30代・40代に音楽ファン、特に洋楽ロックのファンが多いのは、
ぶんちゃんのおかげといっていいと思います。
ぶんちゃんは、特にこの「パワーバラード」のジャンルに造詣が深くて、
日本の音楽業界では、「東の伊藤正則、西のかなぶんや」と
呼ばれるくらいの「パワーバラード」通です。
90年代にはこの種の楽曲ばかりを選曲したアルバム「パワーバラード」を
2枚もリリースしています。(名盤です!)
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日本全国、いろんな街がありますが「パワーバラード」が全面フューチャーされた
この映画「ロック・オブ・エイジズ」を最も楽しめるのは、
わたしたち熊本県人だと言っても過言ではないと思います。
是非、劇場で観た人は、かなぶんや さんに 御礼のメールをしてほしいですね。
「ぶんちゃん すばらしいロックを教えてくれてありがとう!」って。
わたし、松崎も、いつかそんなラジオパーソナリティになりたいですねぇ・・・・・。
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「デフ・レパード」「ジャーニー」「ボン・ジョヴィ」「ポイズン」
「ホワイトスネイク」などのハードロックなヒットナンバーが多数登場し
映画を彩ります。
80年代の音楽が好きな人は、絶対に見逃せない1作です。
かなり細かい部分まで実際のロック・ヒストリーを参考にして物語が
作られていますので、マニアックな楽しみ方もできる映画なんですが、
そんなことは全く知らなくても「シカゴ」や「バーレスク」、「マンマ・ミーア」などの
ミュージカル映画が好きな人は大丈夫。
コンサートに行ったような気分が味わえるお得な映画とも言えるでしょう。
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さらに80年代の様々なディテールが再現されているのに注目です。
ステーシー・ジャックスのマネージャーは、いつも携帯電話を持っていて、
仕事の話をしている忙しい人物なんですが、当時としては最新型だった
携帯電話の巨大なこと!お弁当箱ぐらいの大きながあります。
巨大な携帯を「俺って業界のイケてる男だぜ!」って感じて
使っているのが、かなり笑えるシーンです。
また、主人公のカップルがデートとするのは、タワーレコード。
もちろん売っているのはCDじゃくなって、LPレコードとカセットテープです。
このシーンには、いろんなロックの名盤がディスプレイされているのが
アップで写されています。
映画のストーリーとは、別にこういうディテールがてんこ盛りの映画なので、
何人かで映画館に行って、あとで話が盛り上がるタイプの映画ですね。
80年代にロックバンドをやっていた人たちなんかは、
きっと涙なしには見られない1作になっているはずです。
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この「ロック・オブ・エイジズ」のオフィシャルサイトが、なかなか面白くて、
ロックスターの髪型になれるアプリや、質問に答えるとあなたのバンド名を
つけてくれるアプリなど、映画の内容にリンクした面白サービスをやっています。
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今日ご紹介した映画「ロック・オブ・エイジズ」は、
■TOHOシネマズ 宇城
で、公開中。
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(『ロック・オブ・エイジズ』オフィシャルサイト http://wwws.warnerbros.co.jp/rockofages/)
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