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キネマのススメ

「アウトロー」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介するのは、現在公開中の「アウトロー」です。

この映画「アウトロー」は、トム・クルーズの主演最新作で、
彼の新たなアクションシリーズになります。

トム・クルーズというと、やはり「ミッション・インポッシブル」シリーズの
イーサン・ハント役が有名ですが、さわやかでスタイリッシュで、
笑顔がまぶしい誰にでも愛されるハリウッド・スターというのが、
彼のパブリック・イメージだ思うんですが、今回の作品では、
これまでとはまったく違った「男臭い」ハードな役を演じています。

その主人公の名前は、ジャック・リーチャー。
かつてはアメリカ軍の秘密捜査官として活躍していたものの、
今は過去を捨て、街から街へとさまよう、一匹狼のアウトローです。

物語の発端となるのは、ピッツバーグ郊外で起こった殺人事件。
容疑者として、アメリカ軍のスナイパーだった男が逮捕されますが、
彼は刑務所への護送中、
アクシデントから意識不明の重体となってしまいます。

容疑者の男と接点を持つジャック・リーチャーは、
この事件の不審な点に気付き、裏に隠された真相を
あぶりだしていきます。

作品の最大の見どころであり、魅力となるのが、
主人公ジャック・リーチャーのキャラクター。
どこからも足がつかないように素性を隠し、
恐ろしく頭が良くて戦闘能力も抜群。
さらに、正義のためなら手段を選ばず徹底的にクールになれる・・・。
いわば「ゴルゴ13」的な、ハードボイルドなヒーローです。

これまでトム・クルーズが演じてきたヒーローといえば、
仲間や愛する女性を大切にし、彼らを守るために戦う
といったものでしたが、それとはかなり違うので、
ちょっとびっくりするかも。
でも、この硬派なヒーローも、トムに意外と(といっては失礼ですが)
良く似合っているんです!

このジャック・リーチャーが自分に課している「7か条」というものがあります。
その1:職には就かない。
その2:住居はもたない。
その3:わずらわしい物
         (携帯電話、免許証、クレジットカードなど)は持たない。
その4:人とは絶対につながらない
その5:証拠は信じない。
その6:法律は関係ない。
その7:悪は決して許さない。

誰にも頼らず、誰も信じず、己の判断と己のこぶしのみを信じて、
事件に挑んでいく姿は、最近のハリウッド映画では
かなり珍しいキャラクターです。
70年代のアクション映画(例えば『ダーティ・ハリー』や
『フレンチ・コネクション』)などを思い出す映画ファンも多いことでしょう。

個人的な見所をひとつあげれば、
ラスボスとして登場する「ゼック」という男の不気味さ!
なんと演じているのは俳優ではなく、ドイツで数多くの問題作を
作ってきた「鬼才」として有名なヴェルナー・ヘルツウォーク監督です。
俳優では出せない不気味な怖さを醸し出している点に
是非、注目してください。

とにかく全体的に「大人な映画」を感じさせる1作です。
映画自体の作りも“アクション大作”といった派手なものではなく、
余計なものをそぎ落とした、男っぽいつくりとなっていて、
上質なミステリー映画としても楽しめます。
大人のアクションを見たい方に、おすすめの一本ですよ!

今日ご紹介した映画「アウトロー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

「アウトロー」オフィシャルサイト
http://www.outlaw-movie.jp/

 

                                   

 

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「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介するのは、現在公開中の
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」です。

この映画は、タイトルから想像される通り、少年とトラが
一隻のボートで227日間にわたって漂流するというお話です。
全世界でベストセラーとなった原作小説を、最新技術を使った
壮大で迫力満点なビジュアルで展開していて、今年度の
アカデミー賞では、なんと11部門にノミネートされているんです!

映画の大半を占めるのは、海原を漂うボートの中の少年とトラ。
最初はトラを恐れていた少年が、自分が生きるために、
トラと一緒にサバイバルする方法を編み出していきます。
この、限られた空間の中で繰り広げられる、
トラと少年の微妙で濃密な関係は、これまでの動物映画とは
一線を画す面白さで、観客はまるで一緒に
トラと過ごしているような体験をすることになります。

さらに注目したいのが、映像の美しさ!
すさまじい嵐や穏やかな夕暮れの大海原、
空一面を覆い尽くす星空、
そして、クジラやイルカといった海の生き物たち。
海のさまざまな表情を最新の3D映像で描き出し、
あの「タイタニック」や「アバター」の
ジェームズ・キャメロン監督も絶賛したんだそうです。

と・・・・・・ここまで紹介してきたところで、
実はどうしても紹介したいポイントがあります。

それは、映画の冒頭30分間の部分。
少年とトラの漂流がスタートする前のシーンなのです。

正直、映画を見ているとこの部分がちょっと退屈に
見えるんですが、映画を最後まで見ると、
この冒頭のパートが、かなり重要な描写をしていることがわかります。

映画の最後の最後に少年が語る「ある話」と
この冒頭の部分がリンクしていますので、
映画をご覧になる時は、退屈だなんて思わないで、
しっかりと目を凝らして見ていてください。

ネタバレするといけないので、解説はこのへんにしておきますが。
この映画がなぜアカデミー賞11部門もノミネートされているか?
そのへんの秘密はこのあたりの哲学的深い構成にあると
言っていいかもしれません。

監督は、「グリーン・デスティニー」や
「ブロークバック・マウンテン」の台湾出身の巨匠アン・リー。
彼は、人の心を丁寧に描き出す演出で評価される一方、
ワイヤーアクションなど先進的な技術も積極的に
取り入れることでも知られています。
今回はまさに、その両方が堪能できる作品と言えるでしょう!
映像美、演出、そして見事なストーリーテリング!
これぞ映画といえる大作を、ぜひ大きなスクリーンで、体験してください!

今日ご紹介した映画「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」オフィシャルサイト 

http://www.foxmovies.jp/lifeofpi/

 

                                             

 

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「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介したのは、今週土曜日・1月26日から公開される

「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」
です。

この映画は、FMKで毎月オンエアされている
スペシャルプログラム「月刊行定勲」でも
おなじみ、熊本出身の行定勲 監督の作品です。
ここ数年の行定監督は、韓国との合作となった
オムニバス作品「カメリア」への参加やBeeTVでの
ドラマ作品「パーティは終わった」など、
映画以外の作品を精力的に発表してきました。
先日は第二高校50周年記念映画
「初恋 第二篇」を発表したばかりです。
今回は、満を持しての3年ぶりの本格映画作品となります。

原作は、直木賞作家・井上荒野の小説「つやのよる」。
タイトルの「つや」というのは、ある女性の名前。
この、「艶」という1人の女性をめぐる、さまざまな愛のかたちが
描き出されています。

主人公は、艶とともに大島に駆け落ちしてきた男・松生。
彼は、彼女の奔放な恋愛に悩まされて続けていましたが、
そんな艶は病におかされ、こん睡状態に陥ってしまいます。
彼女を失うことに耐えられなくなった松生は、
艶が過去に関係をもった男たちに連絡を取り始めます。

平穏な暮らしを送っていた家族やカップルに突然現れた
「艶」という存在は、女性たちの心をかき乱していきます。

主人公の松生を演じるのは、阿部寛。
ローマ人からクールな男まで、さまざまな役を演じている彼ですが、
今回は一人の女性にとことん愛を捧げる男。
役のために11キロも体重を落とし、
感情のままに生きる、今までにない男の姿を見せています。

一方、「艶」という女性に翻弄される女性たちを演じるのは、小泉今日子、
野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、
大竹しのぶという、豪華女優陣!
取っ組み合いのケンカをしたり、大胆なラブシーンに挑んだり、
女性の情念をあらわにしたりと、
これまたそれぞれに見ごたえのある演技を見せています。

男女が出会って、恋に落ちて、トラブルを乗り越えて結ばれる・・・。
そんな分かりやすいラブストーリーではなく、複雑な味や香りを楽しむ、
熟成した赤ワインのような恋愛映画です。
ぜひ、その豊かな味わいをお楽しみください!

今日ご紹介した映画「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」は、

■シネプレックス熊本
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、今週土曜日・1月26日から公開されます。

「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」
オフィシャルサイト http://tsuya-yoru.jp/

                                                     

 

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「東京家族」

今日ご紹介したのは、今週土曜日・1月19日(土)から公開される「東京家族」です。

この映画、クランクインの前からかなり話題になっているので、ご存じの方も

いらっしゃるのではないかと思います。

これは、「寅さんシリーズ」でおなじみの山田洋次監督が、

小津安二郎監督による1953年の名作

「東京物語」をモチーフに作り出した家族の物語です。

小津安二郎といえば、黒澤明と並び、海外の人からも尊敬される日本映画の巨匠。

その代表作である「東京物語」は、去年、世界の映画監督が選ぶすぐれた映画第1位にも

選ばれた、すごい映画なんです。

「東京家族」では、主な設定はオリジナルをそのまま使い、

細かいエピソードを現代に置き換えています。

物語の主人公は、瀬戸内海の小島に暮らす、平山夫妻。

彼らは東京で暮らす3人の子供たちに会うため上京してきます。

しかし、久しぶりに会った子供たちとは、生活リズムの違いから

気持ちがすれ違い、夫妻は子供たちのもとを離れて転々とすることに。

そんな中、母は末の息子から結婚相手を紹介されるのですが・・・。

平山夫妻役を演じるのは、名優・橋爪功と吉行和子。

子供たちを、西村雅彦、中嶋朋子、妻夫木聡が演じています。

「東京物語」は60年前の映画なんですが、

設定を現代に変えても古びていないのはさすがです。

そして山田監督は、設定を同じにしているだけでなく、

撮影スタイルやセリフについても、「東京物語」を意識して撮っている場面が

たくさんあります。

「東京家族」は、名監督の技を、現代に伝える作品といってもいいかもしれませんね。

2月にドイツで開催される「ベルリン国際映画祭」では、小津監督の「東京物語」と

山田監督の「東京家族」が特別上映されることが発表されています。

「東京物語」では、戦争で失われた息子と残されたお嫁さんのエピソードが

重要なポイントとして描かれていますが、この「東京家族」では、

「東日本大震災」のエピソードが舞台の背景として登場してきます。

もともと、「東京家族」は、2011年の4月に撮影がスタートするはずでした。

ところが3月11日の「東日本大震災」の発生を受け、山田監督は、

撮影の延期を決断します。

その後、「震災後の日本」と「家族」というモチーフが加わった

新しいシナリオで1年後に撮影することとなったのです。

「戦争」と「大震災」。大きな「喪失感」の後に、日本の「家族」の形が、

どう変わってしまったのか?

そして、何がいつまでも変えてはいけない大切なものなのか?

そんなポイントで映画を観ると、より深い感動が得られるかもしれません。

小津監督のオリジナルと見比べるのもよし、何の予備知識もなく楽しむのもよし。

山田洋次監督が描き出した今の家族の姿を、ぜひご覧になってみてください!

今日ご紹介した映画「東京家族」は、

■Denkikan

■TOHOシネマズ 光の森

■TOHOシネマズ はません

■TOHOシネマズ 宇城

■シネプレックス熊本

■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、1月19日(土)公開です。

(「東京家族」オフィシャルサイト http://www.tokyo-kazoku.jp/

 

 

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この映画を見逃すな!2013年、映画界大予想大会

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日は、2013年1発目のスペシャル・バージョンということでゲストを迎えてお送りします。
題して、「この映画を見逃すな!2013年、映画界大予想大会」!!

ゲストは、熊本日日新聞の映画評論コーナー「熊本シネマレビュー」の執筆者。
月に1回のスペシャル・プログラム「月刊行定勲」では、行定勲監督と一緒に番組に出演しています。
FMKで一番の映画好き、昨年のお正月に続いて2回目の登場、きべとしお さんです。

 

「つやのよる ある愛に関わった女たちの物語」 予告編

 

「ジャンゴ繋がれざる者」予告編

 

「パシフィック・リム」予告編《海外版》

 

「渾身KON-SHIN」予告編

 

1月12日(土)から「TOHOシネマズはません」「TOHOシネマズ光の森」で公開となる「渾身KON-SHIN」。

この映画の招待券をペアで2組の方にプレゼント。

本日の「キネマのススメ」の感想や番組へのメッセージを書いて

メールはglory@fmkumamoto.jp

FAXは096-355-5200

まで送ってください。締め切りは本日中です。

 

 

 

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レ・ミゼラブル

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介したのは、現在公開中の「レ・ミゼラブル」です。

「レ・ミゼラブル」といえば、フランスの文豪ビクトル・ユーゴーによって
150年以上も前に書かれた古典。日本では「ああ無情」というタイトルで有名です。
これまでに何度も映画や舞台になっているので、
何かしらご覧になった方も多いと思います。
数ある中でも最も有名なのが、1985年にロンドンで初演され、
ロングランヒットとなったミュージカル!
日本をはじめ、世界43か国21か国語に翻訳され、この中で歌われる曲も
良く知られています。特に有名なのが、あのスーザン・ボイルが
オーディション番組で歌った「夢やぶれて」ですね。

この、超有名なミュージカルを映画化したのが、今日ご紹介する「レ・ミゼラブル」。
アカデミー賞の前哨戦であるゴールデン・グローブ賞にも
作品賞を含む4部門にノミネートされ、アカデミー賞でも有力候補といわれています。

舞台は、19世紀のフランス。1本のパンを盗み、19年間牢獄で過ごした
ジャン・バルジャンは、脱獄し修道院に逃げ込みます。そこで罪をつぐなった彼は、
名前を変え、新たな人生を歩み始めますが、警部ジャベールは執拗に彼を追い続けます。
やがてバルジャンは、ふとしたことから幼い娘を育てることになりますが、
それが彼の運命を大きく変えていきます・・・。

主人公ジャン・バルジャンを演じるのは、「X-メン」のヒュー・ジャックマン。
ハリウッドの中でもかなりのエンターテイナーとして有名ですが、
もともと舞台俳優で、ミュージカルにも出演しているんです。
今回のジャン・バルジャン役でも、素晴らしい演技と歌声を披露してくれていますよ。
そして、宿敵ジャベール警部には、「グラディエーター」のラッセル・クロウ。
あまり歌と結びつかないかもしれませんが、実は彼は、元バンドのボーカリスト!
意外と歌はお手のものなんです。
また、「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイや「マンマ・ミーア」の
アマンダ・セイフライドなど、そのほかのキャストたちも
撮影のかなり前からトレーニングし、素晴らしい歌声を聞かせてくれています。

監督は、「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を獲得したトム・フーパー。
普通ミュージカル映画というのは、撮影の前に歌を録音して、その録音した音楽に合わせて口パクで撮影するのだそうですが、
この「レ・ミゼラブル」はライブで歌いながら撮影しています。
技術的にはたいへん困難な作業を強いられるのですが、
役を演じる俳優の感情がダイレクトに歌声に反映されているので、
伝わってくる感動が2倍にも3倍にもなっています。
まるでライブのステージを見ているかのような臨場感!
“本物の歌声”がスクリーンから聞こえてきます。
この感動をぜひ、大きなスクリーンで体験してみてください!

 

今日ご紹介した映画「レ・ミゼラブ」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■DENKIKAN
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、現在公開中です。

(「レ・ミゼラブル」オフィシャルサイト http://www.lesmiserables-movie.jp/

 

 

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映画妖怪人間ベム

毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています「キネマのススメ」。
今日ご紹介したのは、現在大ヒット公開中の「映画妖怪人間ベム」。
1968年のアニメ版、昨年オンエアされた実写テレビ版につづき、ついに映画版となって「妖怪人間ベム」が登場です。
人間になれなかった「妖怪人間」として、人しれず人間を助け続けているベム、ベラ、ベロ。
彼らがたどり着いたある街では、連続怪事件が発生。
そこには「新薬開発」にからむ巨大な陰謀が隠されていたのですが・・・・・・・・。
映画版ならではのスケールで、スクリーンに帰ってきた「妖怪人間たち」の活躍に注目です。

今回は、主役のベムを演じた亀梨和也さんにお話をうかがいました。

この「映画妖怪人間ベム」は、

TOHOシネマズ はません
TOHOシネマズ宇城
TOHOシネマズ 光の森  
シネプレックス 熊本
ワーナー・マイカル・シネマズ熊本 で公開中です。

「映画妖怪人間ベム」オフィシャルサイト http://www.bem-movie.jp/

「フランケンウィニー」

今日ご紹介したのは、今週土曜日・12月15日から公開される

「フランケンウィニー」です。

この映画「フランケンウィニー」は、「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」や

「チャーリーとチョコレート工場」などで知られるヒットメーカー、

ティム・バートン監督の最新作です。

この監督の特徴は、なんといってもカラフルなビジュアル・イメージです。

SFXを駆使した壮大な世界とそこで生きる不思議な登場人物たち。

まさに映画でしか出会えないマジックがたっぷりつまった作品を作る監督です。

前作の「ダーク・シャドウ」や「アリス・イン・ワンダーランド」は、

そんなティム・バートン監督の最も得意なジャンルの映画だったと言えるでしょう。

うって変わって今回の「フランケンウィニー」は、もっと個人的な思い入れで作られた作品。

それはとっても優しくて感動的な作品に仕上がりました。

そのストーリーは・・・、

科学と映画作りが大好きな少年ヴィクターは、ある日愛犬スパーキーを

交通事故で亡くしてしまいます。

悲しみにくれるヴィクターでしたが、学校の理科の実験をヒントに、

スパーキーをよみがえらせることに成功!

しかしそれが街の人々に知られてしまい、大騒動になっていきます。

実はこの映画、ティム・バートン監督が、ディズニースタジオでアニメーターとして

働いていた1984年、30分の短編実写映画として作ったものがもとになっているんです。

これがプロデューサーの目に留まり、長編映画「ピーウィーの大冒険」の監督に

抜擢されたという、まさにティム・バートン監督のキャリアのスタートとなった、

記念すべき作品なんですね。

28年ぶりに長編映画としてよみがえった今回は、当時は実現できなかった

ストップモーション・アニメとして製作。

パペットを少しずつ動かしながらの撮影には、2年以上かかったといいます。

しかも今回全編を「モノクロで3D映画」という古い映画の手法と

最新技術ハイブリッドという新しい映画として仕上げています。

ティム・バートン監督は内気であまり友達のいない少年時代を過ごしたそうで、

テレビで観る昔の怪奇映画と飼っている犬が一番の友達だったそうです。

そう思いながらこの映画を見ると、「フランケンシュタイン」のように

愛犬スパーキーを蘇らせるヴィクター少年は、

ティム・バートン監督自身のことなんだなぁ・・・とわかってきます。

クライマックスでは、ある「奇跡的な展開」が待っているのですが、

これは是非劇場で確認してほしいですね。

涙を拭くハンカチをお忘れなく!

映画的な背景や技術的なことはいくらでも語れるこの映画ですが、

決して難しい内容ではなく、単純に誰もが楽しめるエンターテイメント作品です。

特にスパーキーの可愛さには、犬好きでなくてもメロメロになること請け合いですよ。

ちょっと怖くて不思議な、ティム・バートンのエッセンスがギュッとつまった1作!

ぜひスクリーンでお楽しみください!

今日ご紹介した映画「フランケンウィニー」は、

■TOHOシネマズ 光の森

■TOHOシネマズ はません

■TOHOシネマズ 宇城

■シネプレックス熊本

■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、今週土曜日・12月15日から公開されます。

(「フランケンウィニー」オフィシャルサイト http://www.disney.co.jp/movies/frankenweenie/

 

      

 

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「007 スカイフォール」

今日ご紹介したのは、現在公開中の

「007 スカイフォール」です。

映画ファンにはおなじみの007シリーズ。

スパイ映画は数々ありますが、007はその元祖ということで、

ちょっと特別な感じがありますよね。

しかも今回は、シリーズ製作50周年を迎えた記念すべき作品!

もちろん世界的な注目度も高く、本国イギリスをはじめ、

すでに公開された25か国ではいずれも初登場1位を獲得。

アメリカではシリーズ最大のオープニング記録を打ち立てているんです。

その気になる内容ですが・・・、

各国のテロ組織に潜入している工作員を記録したハードディスクが、

MI6(エムアイ・シックス)から何者かによって奪われます。

ボンドは犯人を追いつめますが、上司であるMの命令で放たれた銃弾に撃たれ、

谷底へ落ちてしまいます。奇跡的に命を取り留めたボンドは、

MI6のオフィスが爆破されたというニュースを見て、再び現場に復帰。

犯人の手掛かりを求めて上海へ渡ります・・・。

007というと、毎回のお約束というべき「見せ場」があります。

例えば、オープニングのタイトル映像、例えば、007が使う秘密の武器。

例えば、「ボンドガール」の美しい衣装の数々。

例えば、ボンドの自己紹介の台詞「マイ・ネーム・イズ・ボンド。ジェームズ・ボンド」などなど。

このお約束の「見せ場」が、今回どれもこれも工夫が凝らされた名シーンになっていて、

シリーズをずっと見ているファンなら「ニヤリ」と嬉しくなること間違いなしです。

それもそのはず、今回メガホンをとったのは、「アメリカン・ビューティー」で

アカデミー賞を受賞したこともあるサム・メンデス監督。

実は、アカデミー監督が007を監督するのは、初めてのことなんです。

通常ボンド映画の監督というのは、アクション演出に長けた職人派の監督が

招かれることが多いのですが、今回50周年という記念すべき作品ということもあって、

監督のみならず、キャストやスタッフもアカデミー賞を受賞したり、

ノミネートされたりした高名な人材たちが結集しています。

人間ドラマを描くことに定評のあるサム・メンデス監督ですが、

実は007シリーズの大ファンだったということで、細部にわたって行き届いた演出が凝らされています。

これまで007映画では描かれなかった珍しいシーンも登場してきますよ。

中でも、昔からのファンが楽しめるのは、往年のボンド・カーである

愛車アストン・マーチンDB5の登場の仕方でしょう。

数多くの名車を乗りこなしてきた007が、愛車をどんな風に隠していたのか?

そしてそのボンドカーがどんな活躍を見せるのか?

また、007の上司であるMとボンドの関係性なども描かれ、

人間ドラマとしても見ごたえのあるものに仕上がっています。

単に命令するものと実行するものという関係をこえた二人の信頼関係がこの映画の縦軸になっています。

M役のジュディ・デンチの演技も見ものです。

ボンドを演じるのは、6代目ボンドのダニエル・クレイグ。

当初は「金髪の007なんて007じゃない!」というファンもいたのですが、

ボンド役もこれが3作目となり、新たなボンド像も板についてきています。

とくにあの引き締まった肉体。撮影中は毎日2時間の筋トレで筋肉美を

保っていたという役者根性にも脱帽です。

悪役には、「ノーカントリー」でアカデミー賞を受賞したハビエル・バルデム。

今回は髪を金髪に染め、強烈な存在感を見せていますよ。

バルデムが演じる悪役は、ある意味「ダークサイドに堕ちた007」ともいえる元スパイの男で、

彼とボンドの対決を通じて、物語は「なぜジェームズ・ボンドはスパイになって戦い続けるのか?」という

007の存在意義に迫るというハードな展開を見せていきます。

数年前の「ダークナイト」が、すべてのヒーロー映画のあり方を変えてしまったように、

この「スカイフォール」は、今後のスパイ映画の金字塔として語り継がれる作品になることでしょう。

往年のボンドファンはもちろん、映画ファンなら見逃せない1本です。

これまで007映画を観たことのない人こそ観るべき映画かもしれません。

ぜひスクリーンでご覧になってください!

今日ご紹介した映画「007 スカイフォール」は、

■TOHOシネマズ 光の森

■TOHOシネマズ はません

■TOHOシネマズ 宇城

■シネプレックス熊本

■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本

で、現在公開中です。

(「007 スカイフォール」オフィシャルサイト http://www.skyfall.jp/

 

       

 

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人生の特等席

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています「キネマのススメ」。
毎週、(わたくし)松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「人生の特等席」です。

この映画は、名優クリント・イーストウッドの4年ぶりの主演作ということで、大変話題になっている作品です。
“あれ?イーストウッドといえば、俳優を引退するって言ったんじゃなかったっけ?”と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際彼は、2008年当時、監督・主演した「グラン・トリノ」を発表したのち、“俳優引退宣言”と思われるコメントをしていました。
確かに「グラン・トリノ」は、イーストウッドの俳優キャリアの集大成ともいえる作品で、苦労した老人が、出会った若者に人生の本当の意味を教えるという素晴らしい役でした。
その後、イーストウッドは監督に専念して、精力的に作品を発表してきました。
誰もが、イーストウッドはこのまま監督専業になると思っていた矢先に・・・・・。

この「人生の特等席」で82歳にしてスクリーンに復帰!
しかも自分でメガホンをとらず、今回は、俳優に徹しているんです。
他の人に監督を任せ、純粋に俳優として主演するのは、「ザ・シークレット・サービス」以来、実に19年ぶりというんですから、注目を集めるのもわかりますね。

さて、そんなイーストウッドが今回演じるのは、大リーグのベテランスカウトマン・ガス・ロベル。
数々の名選手を発掘してきた彼でしたが、年には勝てず、スカウトマンの命である視力にも衰えを感じていました。
野球界は、データ主義、コンピュータ主義の新しい時代を迎えています。
(このあたりはブラッド・ピット主演の「マネー・ボール」で描かれていましたね。この映画と見比べると面白いですよ。)

この「人生の特等席」では、時代遅れの老スカウト・ガスを球団は、無慈悲に解雇しようとしています。
そんなピンチのガスをサポートするために現れたのが、長い間疎遠になっていた娘のミッキー。
ガスとミッキーは、最後のスカウトの旅に出るのですが、2人は衝突を繰り返すばかり。
果たして父と娘は分かり合えるのか?そしてスカウトの行方は?

大リーグ、親子の心の葛藤・・・というテーマですから、展開はわりと想像できますが、そこはイーストウッド!熟練した演技と存在感で、新鮮な驚きを見せてくれます。
スカウト活動に夢中で家族を顧みず、家族と疎遠になっている老人という主人公のキャラは、そのままイーストウッド自身の私生活とも重なります。
何度かの離婚、結婚を繰り返し、妻や子供たちとの関係も決してハッピーではなかったイーストウッドが、自分自身の人生の償いのために、この役を演じているかのように見えるのは、考えすぎでしょうか・・・・。
いやいや、きっとイーストウッドの中では、映画界と野球界が重なってたはずです。頑固に昔ながらの映画作りのスタイルを守っているイーストウッドは、自らの目と耳だけを信じてスカウトをする主人公ガスとピッタリ重なって見えます。

そんなイーストウッドを演出したのが、これが監督デビュー作となるロバート・ローレンツ監督です。
実は彼は、製作スタッフとして、長年イーストウッドの監督作に携わってきた
いわばイーストウッドの弟子。
弟子の監督デビュー作に、師匠が主演して花を添えたんですね。

ローレンツ監督、さすがにイーストウッドの愛弟子とあって、監督デビュー作とは思えない安定した演出ぶりです。
時にしんみりと、時にドキドキさせ、痛快なラストへつなげる演出はまさに師匠ゆずり。
ぜひ、その師弟愛をスクリーンでご覧になってみてください!

■TOHOシネマズ はません
■シネプレックス熊本
■ワーナー・マイカル・シネマズ熊本
で、現在公開中です。

この映画「人生の特等席」の中では、カントリーの定番「ユー・アー・マイ・サンシャイン」が何度も流れます。
映画の中では、死に別れた妻のお墓に向かって、この歌の歌詞を主人公が朗読するシーンが出てきます。
シンプルな歌詞を朗読するだけのシーンなのに、忘れられない感動的なシーンになっています。
こういう役者を名優というんでしょうね。まだまだイーストウッドのスクリーンでの演技が見たくなる1本です。

 

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