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ヒューマン・ラボ

熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 徳野貞雄先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」。
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第9回の講師は徳野貞雄先生です。

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Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:徳野貞雄(とくのさだお)
所属:熊本大学文学部総合人間学科地域社会学
 
プロフィール:
1949年大阪府貝塚市生まれ。
1987年九州大学大学院文学研究科博士課程修了

1987年山口大学人文学部助手

1989年広島県立大学経営学部助教授
1997年熊本大学文学部地域科学科社会学助教授

その間にシェフィールド大学(イギリス)客員研究員。
1999年現職
 
食と農の専門家として日本全国の農村に出かけ、
フィールドワークをこなす活動派。
全国合鴨水稲会世話人。
『道の駅』命名者。
上記肩書き以外の主な役職:
九州農業・農村デザイン塾々長
九州番頭さんの会主催者

全国合鴨水稲会世話人
国土交通省地域振興アドバイザー
 
Q② 徳野先生の専門である
「農村社会学、農業社会学、地域振興論」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
農村を軸に地域社会の構造変動や
住民の生活構造についての研究
(過疎地域論や混住化社会論などを含む)。
担い手問題や農業後継者問題および
有機農業運動など農業問題における
人間の社会的領域に関する研究。
関連して現代社会における消費者(国民)
の食生活構造など。
現代の高度産業社会化の
日本における『食と農』に関する研究を
農業社会学として提唱している。

「マチおこし」「村おこし」のシステム開発や
地域活性化集団の運営および農山村型
第三セクターに関する研究。
 
・社会学の他の領域にもつよい関心がある。
 
Q③ 徳野先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
山口大学で過ごした学生時代に、
研究テーマを女工の実態として社会を探ろうと
試みた。社会に対する関心が強く、その後、
農村社会学が研究の主軸となった。
 
社会学というのは、人間の共同性の研究。
共同性とは、具体的現実における生活構造に
他ならない。つまり、現実の中に加わらないと
社会は見えてこない。現実に加わる術が実践であり、
実践によってしか見えてこない社会の問題がある。
机の上だけでやる研究は社会学学にすぎない。
真の社会学とはよべない。
「自分が生きて行く」こと、
「生き続けて行くこと」を探求し続ける。

Q④ 徳野先生の研究テーマについて。

家族は何人ですか?と尋ねると、その時一緒に
暮らしている人数を答える人がほとんどです。

これは、「家族」と「世帯」を混同しているからです。
世帯は、同居している人数、家族はたとえ離れて
暮らしていても、空間を超えて機能するものなのです。
それは、近所に住んでいようが、
海外と離れていても、「家族」です。

また、世帯をみると日本は戦後経済発展とともに
単独世代、夫婦二人世帯が増えた。
世帯数が増えれば、家電製品や車、
住宅建築が増える。
そうして、経済を発展させてきました。
しかし、現代は本当に必要なものはすぐに手に入る、
モノがあふれていると言ってもいい。
そんななか、これからの「幸福」は、モノをどれだけ
持っているかではなく、身近な人とどれだけ
つき合えるかで決まってきます。
身近にいる子どもや孫、隣人でも友人でもいい、
日常的に交流ができることが充実した生活を
送ることができるでしょう。
 
Q⑤ これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
現代は家族が崩壊したというが、
家族が無くなったわけではく、
社会構造が変化しただけ。
それを考慮せずに、数十年前の社会構造を
念頭に置いたままで、データを分析したり
議論したりするからうまくいかないのだ。
「家族は何人?」と質問すると、
ほとんどの人が同居している親族のみの数を
答える。しかし、それは「世帯」であって
家族ではないだ。
携帯電話はインターネットの普及の影響で、
いつでも連絡が取れる。
車や公共交通機関が発達し、離れて暮らしている
子どもなどの世帯も含めて“家族”とするべき。
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
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熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 有馬英俊先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第8回の講師は有馬英俊先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:有馬英俊(ありまひでとし)
所属:熊本大学大学院生命科学研究部製剤設計学分野
プロフィール
昭和37年6月30日生まれ、福岡市早良区出身、A型
座右の銘
至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり(吉田松陰)
かくすればかくなるものと知りながら
已むに已まれぬ大和魂(吉田松陰)
 
1991年熊本大学大学院薬学研究科
博士後期課程修了(薬学博士)
1991年エーザイ㈱入社筑波研究所配属
1993年東京薬科大学助手
1997年東京薬科大学薬学部講師
1998年熊本大学薬学部助手
2000年留学南カリフォルニア大学客員研究員
2001年熊本大学大学院医学薬学研究部助教授
2007年熊本大学大学院医学薬学研究部教授
2010年熊本大学大学院生命科学研究部教授
 
私の夢
シクロデキストリンやサクランを含む
医薬品の開発を基礎研究の面から支援することで、
病気で苦しんでいる患者さんやそのご家族に希望を与えたい。
 
Q②有馬先生の専門である「製剤学」とは、
どんな学問ですか、わかりやすく教えてください。
 
製剤学は製剤設計及びその調製方法ならびに
その製品について考える学問です。
製剤とは、医薬品などの有効成分に
医薬品添加剤を加えて、使用するのに適当な形に
製したもの、またはその工程をいう。
使用方法、有効成分の効果・安全性ならびに
安定性などを考慮してデザインされます。
日本薬局方第16改正では、製剤の種類には、
錠剤、カプセル剤、注射剤などをはじめとして
72種類が収載されています。
 
Q③有馬先生の専門である
「シクロデキストリンおよびサクランを
基盤分子とする統合型DDSの開発ならびに
医薬品への有効に関する研究」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
シクロデキストリンはグルコースを構成成分とする
環状のオリゴ糖であり、分子内に世界で
一番小さな空洞を有し、その空洞に様々な
分子を取り込み、様々な分子の性質を改善する
ことができます。
この特徴を利用して、消臭芳香剤
(ファブリーズ、バウンス、レノア)、
ウイルス・細菌除菌・消臭スプレー
(I(アイ)のちから)、
高級シャンプー(エルセベ)、
食品(練りワサビ、焼チョコ、
きた味おにおんスパイスなど)、
機能性食品(コエンザイムQ10、α-リポ酸)、
飲料水(ヘルシア、カテキン緑茶など)、
化粧品(ビバーチェ)、医薬品
(プロスタグランジン、イトラコナゾールなど)、
などの領域で広く利用されています。
 
特に、医薬品の分野では、
医薬品分子の水への溶解性や安定性および
吸収性を高めたり、副作用の軽減を目的として、
約50の医薬品に利用されています。
超高分子多糖体サクランは、
日本固有の食用藍藻である淡水性の光合成微生物
スイゼンジノリが分泌する寒天状物質であり、
その構成単糖として、多くの硫酸基とカルボン酸基、
アミノ基を有する分子量2000万を超える
両性電解質の多糖体であります。
 
サクランは、既存の代表的な保水剤である
ヒアルロン酸の約10倍高い吸水性を有すること、
また、サクランは、優れたフィルムやゲルを
形成することから、新しい天然物成分として
期待されています。
さらに最近、大変興味深いことに、
サクラン自体が、抗炎症作用や抗アレルギー作用を
有することが見いだされ注目されています。
このような背景のもと、現在、我々は、
次のような研究を展開しています。
 
・シクロデキストリンによる
抗がん剤のがん細胞特異的デリバリー
・シクロデキストリン/デンドリマー結合体による
DNAやRNAの細胞特異的なデリバリー
・シクロデキストリン超分子複合体を用いた
タンパク質の安定化と徐放化
・サクランの抗炎症・抗アレルギー作用
メカニズムの解明
・サクラン含有化粧品の有効性評価
・シクロデキストリンとサクランの統合による
新規医薬品・ドラッグデリバリーシステムの構築
 
Q④有馬先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
シクロデキストリンに関する研究は、製剤設計学分野
(当時、製剤学研究室)の前教授上釜兼人先生の
ライフワークであったこと、また、私が大学4年次に
製剤学研究室に配属されたことがきっかけです。
サクランに関する研究は、グリーンサイエンス・
マテリアル社長が、共同研究先に我々を選んで
頂いたことがきっかけです。
その後、2012年1月にサクラン研究会が発足し、
(現在、私が初代会長)いくつかの大学
(北陸先端科学技術大学院大学、高知大学など)、
企業(グリーンサイエンスマテリアルなど)と
共同研究を実施しています。
 
Q⑤これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
「薬学」という大きな学問体系の中の
「製剤学」という領域を私は担当しておりまして、
その「製剤学」の中で、特に
「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」に関する
研究を現在、専門分野として進めています。
そのDDSに関する研究の中で、私は、
「シクロデキストリン」および「サクラン」の二つを
基盤物質(中心的な物質)として位置づけ、
その2種を薬物キャリアとして用いることで、
薬の有効性・安全性・品質を最大限に高める
研究を行っています。
 
一方、このDDS研究を続ける中で、
我々の研究グループでは、シクロデキストリン自体が
「抗がん剤」、「ライソゾーム病治療薬」、
「アミロイドーシス治療薬」として期待できる
基礎的な知見が見いだされてきています。
 
また、サクラン自体も、ステロイド剤に
匹敵するほどの、抗炎症効果、抗アレルギー効果を
有することが見いだされてきています。
我々の研究を通して、シクロデキストリンや
サクランが将来、医薬品として開発され、
病気で苦しんでいる患者様やそのご家族の
皆様に希望を与えられればと思っています。
 
また、我々の研究を通して、
サクラン含有化粧品や白髪染めなどが商品化され、
世の中の役にたっていることはうれしい限りです。
 
Q⑥今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
シクロデキストリン含有医薬品および
サクラン含有医薬品の開発を成功させたい。
シクロデキストリン研究拠点およびサクラン
研究拠点を熊本に作りたい。
シクロデキストリンおよびサクランに
関する相談は、常時、受け付けていますので、
お気軽にご相談下さい。
 
リーディング大学院HIGOプログラム
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
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熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 都竹茂樹先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第7回の講師は都竹茂樹先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:都竹茂樹(つづく・しげき)
所属:政策創造研究教育センター・教授
プロフィール
高知医科大学医学部卒業(医師)
名古屋大学大学院修了(医学博士)
ハーバード公衆衛生大学院修了(公衆衛生学修士)
国立長寿医療研究センター、ハワイ骨粗鬆症財団、
日本ボディデザイン医科学研究所などを経て、
2011年7月より現職。
 
Q②都竹先生の専門である
「ヘルスプロモーション」とは、どんな研究ですか、
わかりやすく教えてください。
 
ヘルスというのは「健康」。
プロモーションというのは「推進・増進」
という意味があります。2つあわせると、
健康推進、健康増進。かなり堅いイメージに
なってしまいますが、私は主に肥満や糖尿病、
心筋梗塞などの生活習慣病をどうやって予防するか、
結局のところ食事と運動しかないんですけど、
(1)適切な食事と適度な運動にどう取り組んで
もらうか、(2)そして続けてもらうか、
について研究・実践しています。
 
Q③都竹先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
もともとは臨床医をしていましたが、
生活習慣病の患者さんの中には、
「クスリさえ飲んでいれば大丈夫だろう」と、
病気の予防の基本中の基本である
「食事と運動は二の次」という方が数多くみえました。
そういう方たちって、やっぱり最後にはクスリでも
コントロールできず、「あぁあのとき、
ちゃんと食事と運動をやっていれば良かった・・・」。
 
でもその時は手遅れなんです。
私はそういう例をたくさんみてきました。
でもやらない方たちを責めても何も解決しません。
そもそも、誰もが頭では食事と運動が大切とは
分かっています。しかし、なかなか行動に移せない。
要は習慣を変えるって非常に難しい。
でも変えないと、病気のリスクは減らせない。
頑張れ頑張れでは三日しかもたない。
だから取り組めるきっかけづくりを、
そして続けられる仕組みづくりをと
ヘルスプロモーションに取り組み始めました。
 
Q④今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
森都心プラザ図書館とのコラボ企画!と
いうことで、皆さんのカラダを変える
お手伝いをする、大人の学校
「ボディデザインスクール」を、
くまもと森都心プラザで開催します。
 
第1回目は年が明けた
1月14日(火)19:00~20:30です。
正月太りの解消法もお教えします!
 
第2回は1ヶ月後の
2月13日19:00~20:30(木)です。
 
どなたでもご参加頂けますが、両日参加
できる方で、事前のお申し込みが必要です。
先着30名となっておりますので、
お早めにご連絡ください。
 
お申し込みは森都心プラザ図書館へ♪
〒860-0047
熊本市西区春日1丁目14番1号
☎096-355-7401
e-mail:library☆stsplaza.jp
(☆を@にして送信して下さい)
 
熊大のHPでも紹介しています。
 
同様のスクールを、2月9日にも開催します。
こちらは熊本市さんが主催。
 
場所ウェルパルくまもと1階大会議室
時間14時00分~16時00分
テーマ「カラダ引き締めのコツ教えます!」
定員150人(事前申込みあり、先着順)
 
お問い合わせ、お申し込みは、
申込み1月6日~31日17時まで
電話096-334-1500
インターネットhttp://higomaru-call.jp
 
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熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
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熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 滝川清先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
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熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第6回の講師は滝川清先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:滝川清
所属:沿岸域環境科学教育研究センター
 
Q②滝川先生の専門である「海岸環境工学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
また、「環境と防災の調和した
八代海再生プロジェクト」について教えてください。
 
「海岸環境工学」:
周りを海に囲まれ、厳しい自然環境にある我が国において、
国土とともに沿岸域に集中する人々の生命と
財産を守るための「海岸の工学」と、
「海岸環境の保全とその継承」を目的とする研究で、
「気象・海象・地象」と「人を含む生態系」に
関わる非常に広範な研究分野。
 
「環境と防災の調和した八代海再生プロジェクト」
◎研究背景と目的◎
八代海域は、人間活動の影響による自然・
生態環境の悪化、台風の常襲地帯による高潮・
高波、洪水、強風等による水・土砂災害の
防災問題にも直面しています。
 
そのため環境と防災の調和した沿岸地域社会の
創成に関する対応策の構築が、海域に面する
自治体や住民から切望されています。
 
そこで平成23年度から、有明海のように広範囲に
渡る詳細な調査・研究が行われていない
「八代海」を対象として、文部科学省特別経費
によるプロジェクト「生物多様性のある八代海
沿岸海域環境の俯瞰型再生研究プロジェクト
(代表:滝川)」が5カ年の予定で開始しました。
 
本プロジェクトは、地域に立地する熊本大学が、
長年にわたり取り組んできた海域環境の研究・
教育の実績に基づき、工学・理学・社会学等に
わたる学際的学術研究の展開と実証実験を
行なって、生物多様性のある八代海域の
俯瞰型再生の研究に取り組み、「環境・防護・
利用の調和した八代海の再生・創成」を目標として
多様な学術研究機能の発揮を目的としています。
 
◎研究計画および成果・波及効果◎
わが国で最も閉鎖度が高く、環境悪化が
有明海と同様に著しい「八代海」が抱える
環境再生と防災問題の緊急かつ重要な地域課題に
対し、これまでの有明海再生に取り組んできた
多大な研究・教育等の実績に基づき、
「環境と防災が調和し、生物多様性のある
八代海の再生・創成」を目標に、
従来は学術領域として分離していた「自然・生態」
「安全・防災」「開発・利用」の3領域の
総合化の視点「俯瞰型」を基本として、
 
①自治体等の視点に立った環境と防災の調和した
再生・創成ビジョンを樹立し、
 
②「海域環境変動と生物生息環境変動の把握」と
研究を基に、生物生産や生物群を維持できる
「生物多様性の沿岸域環境」を再生する
俯瞰型再生方法論を構築すると共に、
 
③この俯瞰方再生方法論に基づいて海域環境の
「未知事象の解明」
「環境変動の評価と予測手法の開発」
「生成技術の開発と実証」と学術研究を進展し、
 
④「自然・生態」「安全・防災」
「開発・利用」のバランスを考慮した、
環境と防災の調和に関する科学的アプローチの
視点から、沿岸海域環境の地域特性に応じた
「生物多様性のある沿岸海岸域環境の再生・
保全の実践マスタープラン」の策定を行う。
 
本プロジェクトの成果は、学際的学術研究を
もたらすだけでなく、地域還元・波及効果として
①海域環境の真の再生による生物多様性・
水産資源の回復及び増加による地域活性化、
②環境と防災の調和した安全・安心な持続性の
ある地域社会の形成、
③底質改善や水質改善技術の開発による
地域環境産業の振興など、大いに期待されています。
 
Q③滝川先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
有明海の環境再生については、2000年冬の
「ノリ不作」依頼、国や研究機関を中心に
数多くの調査・研究が実施されてきており、
滝川も「有明海の再生プロジェクト
(略称):科学技術振興調整費(約4億円)」を
実施し多くの研究成果と国策に反映してきています。
 
しかしながら、八代海に関しては、
環境悪化が著しいにもかかわらず、
十分な調査・研究が進んでおらず、
不明な点が数多い状況にあります。
 
また、八代海は台風の常襲地帯で毎年、
高潮など海象災害の危険にさらされており、
災害に関する課題もあり、この相反する課題に
如何に対処するか緊急の課題です。
 
このような八代海の「環境と防災に関する
総合的研究と対策の提示」が不可欠であると、
長年来、考えてきておりました。
ようやく、23年度からの文部科学省からの
研究予算が認められ実施している現状です。
 
Q④これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
1999年9月の「不知火海高潮災害」:
災害直後の調査から、復興対策に当たっての国
・県等の委員長として、その対策の任に当たった。
想定最大高潮を基準とした新たな“減災”対策の
基本指針を策定した.
 
佐賀県の芦刈町では、我が国初の住民参加による
高潮ハザードマップ作成を指導するなど、
我国初の海岸災害の減災対策の理念を提言し,
熊本県および国の高潮減災対策の
基本方針として策定した.
これを受けて「熊本県海岸保全基本計画検討会
(委員長)」では防護・環境・利用の調和を
目指した基本計画を策定した.
 
さらに17年度の新規事業として熊本県では
複合型災害を想定して
「高潮・洪水浸水氾濫ハザードマップ策定
(減災プロジェクト)」が開始され,
この実施に際しての学術的指導・
提言を行っている.
 
「有明海・八代海の環境再生への取り組み」:
国土交通省の「有明・八代海海域境検討委員会
委員長(「海輝」および「海煌」調査の委員会)」
や農林水産省の「ノリ不作の第3者委員会委員,
同数値モデル部会委員長」,
 
また,これに引き続き環境省に設置された
「有明・八代海(等)総合調査評価委員会委員
(再生法に基づく国の諮問委員会),
同委員会に設置の海域再生対策検討小委員会
(委員長)」,水産庁の「有明海漁場
改善技術検討委員会委員」等々や熊本県の
「有明海・八代海干潟等沿岸海域再生検討
委員会(委員長)」などを通じて,
“海域環境のマスタープラン作り”に向けて
技術指導・政策提言等を行っている.
 
また,国土交通省や農林水産省などとの
共同研究をも数多く実施中で有明海・
八代海再生に精力的に取り組んでいる.
 
Q⑤今後の活動予定やPRしたいことなど
あれば教えてください。
 
①有明海・八代海の再生策のシナリオ策定:
環境省、国土交通省などの委員会の委員長の
重席にあり、その任に鋭意、尽力したい。
 
②八代海再生プロジェクトの推進:
現在、熊大で取り組んでいる
「八代海再生プロジェクト」のリーダーとして、
その成果をまとめ国策へと反映していく。
(平成23年~27年度の5年間の
プロジェクトで、あと2年間)
 
③NPO法人:みらい有明・不知火:
2002.6に設立のNPO法人の
理事長として、海域の環境・防災に関する
学術的調査・研究の推進、成果の提供を推進し、
環境と防災の調和を目指した
地域のあり方に関する活動を継続。
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
 
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熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 江川良裕先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第5回の講師は江川良裕先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:江川良裕(えかわよしひろ)
所属:文学部コミュニケーション情報学科
(大学院社会文化科学研究科教授システム学専攻)
 
プロフィール
関西学院大学社会学部卒業後、地方テレビ局、
広告プロダクションを経て、
(株)西武百貨店で開発企画業務に従事。
複合商業施設や地域開発などの自社開発物件の企画と
コンサルティングを担当。
その後、商業および都市開発専門の
コンサルティング会社を経て、
メーカー系のシンクタンク、
コンサルティング会社である富士通総研に勤務。
インターネット・ビジネスやサービスを中心とした
事業や商品の企画、マーケティングなどを
中心とした経営コンサルタントとして活動。
2004年10月より現職。
 
Q②江川先生の専門である「経営学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
経営学、もう少し細かく言うと事業戦略や
ビジネス・モデル、マーケティングが専門です。
 
事業戦略はその名の通り、事業単位での競争力に
焦点を当てており、事業としてどのような
ポジションを採るか、ヒト・モノ・カネ・
情報・知識などの組織資源をどのように
有効活用するか、ということなどが議論の
中心になっています。
 
一方で、マーケティングとは、事業より
小さな世界、製品やサービスという単位で、
競合製品やサービスにおいて、より具体的な
差別化や優位性獲得を考えるものです。
 
ビジネス・モデルとは事業戦略と
マーケティングの中間的あるいは包括的な概念と
言っても良いと思います。
価値提供、業務、収益を結びつける「勝ちパターン」
「勝利のシナリオ」みたいなものです。
 
最近では、こういった知識やノウハウを
社会的課題や地域社会にどのように
適応していくかについて興味をもっており、
研究という枠を超え、教育や地場産業との
連携などの視点から色々と試行をおこなっています。
これまで、社会的課題は公共やボランティアに
よって解決されるのが一般的だったわけですが、
公共による解決は品質やレベルが最低限で
固定的なものになりがちですし、
ボランティアによる解決は継続性という面で
脆弱です。そこから出てきたのが、
ソーシャル・アントレプレナーシップや
ソーシャル・イノベーションという考え方で、
ビジネス的な知識や手法を使って課題を
柔軟かつ持続性のある形で解決しようと
いうものです。
 
そもそも民間ベースでの事業化が難しいと
考えられた分野ですから、より高度な戦略や
モデル、マーケティングが要求されるわけで、
そこに惹かれたのです。
これについては、アントレプレナー意識を
醸成する教育をテーマにして、授業科目で
色々な試行をおこなっています。
学部あるいは大学院向けの教養教育において、
実践家を招いて課題を設定し解決のための
企画を考えるような授業などです。
 
一方で、経営学的な視点を地場産業に
適用していくことについては、
産学連携で何かを生み出すという以上に、
学生の教育の場として企業の現場を
活用することを狙っています。
 
つまり、より実践的なインターンシップ。
あらかじめプログラム化された既存の
インターンシップではなく、
チャレンジしたいことを学生から企業に提案させ、
企業サイドに認められたら実施するという
「プロジェクト」的な位置づけで、
経営学的な知識やスピリッツを現場で学生に
身につけさせることが目的です。
私のゼミの学生を中心に参加させており、
現在は鶴屋百貨店の子どもフロアの
プロモーションに協力しているほか、
調整中の企業もあります。
 
Q③江川先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
何か特別な出来事があったわけではなく
「徐々に何となく」です。
大学時代は社会学部で人間工学のゼミに
所属しており、経営なんかには全く興味が
ありませんでした。
経営学的なアプローチに興味をもった
最初が西武百貨店時代で、バブル最盛期には
「生活総合百貨店」や「まちづくり」を掲げ、
商業施設に本物の教会を誘致する、
北欧から巨大なもみの木を、ハリウッドからは
リメイクの映画で使ったキングコングの
強大なロボットを運び込み、
コングの手のひらで結婚式をあげようとか、
およそ今では考えられないアクロバティックな
企画を形にしていた企業です。
そういうところから、マーケティングの
おもしろさや深さについて考えるようになりました。
また、施設開発などから事業開発などに
フィールドを移して経営コンサルタントして
活動する中から、「プロデュース」という
視点を学んだと思います。
 
コンサルタントという仕事には何か形になった
商品があるわけではありません。
「企画書」とか「報告書」と呼ばれる
紙の冊子にクライアントは数千万円を
支払うこともあるわけで、論理的でクリアなこと、
信頼されることが求められます。
また、世界的に有名なコンサルティング・
ファームなどとの競合コンペなどでは、
ブランド力に優る相手に、どのようにすれば
勝てるのかを考えることが必要でした。
 
後は「出会い」です。
教育という切り口を重視するようになったのは、
通商産業省と文部科学省の共管で設立された
コンピューター教育開発センターのプロジェクトに
誘って頂いたことですし、私の大学院での所属が
社会文化科学研究科教授システム学専攻に
なっているのも、なぜか着任してあまり期間も
経っていない時に、話をしたこともない
先生から声をかられたからです。
 
また、社会的課題解決という分野については、
ボランティア活動をしている他学部の学生が
研究室に突然訪ねてきて、
「この人の講演会を学校でおこないたいのですが、
協力してもらえませんか」としゃべり始めたのです。
そこからネットワークが広がっていきました。
 
Q④これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
最近で良かったなと感じるのは、鶴屋百貨店に対する
子ども向けプロモーション・イベントの
役員プレゼンテーションでしょうか。
 
企画検討作業を本格化させたのが今年の春先で、
プレゼンが7月。
その間、私がサポートしながら学生のチームに
企画を検討させ、クライアントである鶴屋百貨店の
担当者と調整に当たらせたのですが、
スタート当初は「大丈夫」だろうかという感じでした。
 
前提や与件を確認せず、事例などのデータも集めずに
ミーティングをおこない、フラッシュ・アイデア
だけで役割分担し相互の連携もなく進めていくので、
「どこかで見たような古くさいネタ」しか出てこない。
 
また、アイデアやストーリーに根拠がないので、
クライアントを説得できず、結局言われたことを
無条件に飲んでくる。そんなことに対して、
「誰のために企画があるのか」と問い直し、
時にはクライアントと私がぶつかるわけです。
 
ただ、それが学生には響かないらしい。
他の先生を通じてですが
「なぜ、江川先生があんなに
一生懸命になるのかが分からない」という
学生の声があったという話には、
ちょっとショックでした。
 
ただ、そんな手応えの少ないことでも
続けることは大事なもので、対面での
ミーティングだけではなく、SNSなども積極的に
使って指導や議論を続けることで、
学生も変化していきます。
 
ヒントになる事例などを含めてアドバイスや
作業指示をSNSに書き込み、
学生にはそれに応えさせる形で作業報告を求める、
というように企画検討を進め、時には、
「言われて動くのは学生のバイト、
言われても動けないのは学生以下」とか、
声を荒げることもありました。
 
そんな一進一退の作業でしたが、
プレゼン当日にはかなり成長した姿を
学生は見せくれました。企画内容が大きく
改善されたことはもちろん、
社長以下数十名の同意を得られたことは、
単純に嬉しかったです。
 
Q⑤今後の活動予定やPRしたいこと
などあれば教えてください。
 
鶴屋さんとのプロジェクトのように、
地域の企業などの現場に入って、
学生の力や私の知識や経験を含めて、
商品やプロモーションなどの開発を
おこなってくださる企業などがあれば、
是非声をかけて頂きたいと思います。
 
紹介した社会的課題解決の分野のほかには、
商業施設・都市開発、教育などのほか、
ネット・サービス系のマーケティングや
事業開発は私のもうひとつのテーマです。
 
学生にとっては学内ではできない体験が
得られる一方で、学生と連携するという意味で
企業にとっては広報的な点でもメリットが
あると思います。
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 尾上哲治先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
11月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
 
第4回の講師は尾上哲治先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:尾上哲治(おのうえてつじ)
所属:熊本大学大学院自然科学研究科
 
プロフィール
2005年3月九州大学大学院理学府博士課程卒業.
2005年4月-2007年3月鹿児島大学理学部助手.
2007年4月-2013年3月鹿児島大学理工学研究科助教.
2013年4月-現在熊本大学自然科学研究科准教授.
 
Q②尾上先生の専門である「地質学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
・岩石に残された記録から
  地球と生命の歴史を明らかにする学問です.
 
・世界中の岩石を採取し,地球の歴史を調べています.
 
・野外調査が基本なので,かなりハードだと思います.
  外国では探検としかいいようがない調査もします.
 
・自分の研究テーマは地質学のなかでも,
  宇宙物質を扱った特殊なものです.
  過去の地球に落下した隕石や
  宇宙塵(うちゅうじん)などの
  宇宙物質を調べています.
 
Q③尾上先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
・地質学をはじめたきっかけは,
  熊本大学の講義で,地球の歴史についての
  講義を受講したことがきっかけです.
  それまでは,高校で物理と化学しか専攻して
  いなかったので,地学という学問の面白さを
  しりませんでした.
 
・今は,岩石中に残された宇宙物質の記録から
  「過去の太陽系の歴史を明らかにする」を
  研究テーマにしています.岩石の記録から
  「過去の地球の歴史を明らかにする」という
  地質学の研究テーマはあたりまえのものに
  なっているので,これをさらに太陽系へと
  拡張したいとあるとき思いつきました.
 
Q④これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
・日本の地層から,今から2億1500万年前に
  巨大隕石の衝突が起こった証拠を世界で
  はじめて発見したことです.
  これまでの長い人間の歴史の中で,
  誰も知らなかったことを発見したときの興奮は
  たとえようのないものです.自分だけしか
  しらない人の秘密って,ちょっと嬉しいですよね.
  それをとてつもなく大きくしたような興奮が,
  地球の歴史の秘密を発見したときに味わえます.
 
Q⑤今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
・地球の岩石から,昔の太陽系の歴史を
  明らかにする学問を創設したい.
 
・このような研究分野はないと思うので,
  熊本大学でこの分野のトップを目指す.
 
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 石原明子先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
今月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
第3回の講師は石原明子先生です。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:石原明子(いしはらあきこ)熊本大学教員(准教授)
所属:大学院社会文化科学研究科

プロフィール
東京都生まれ。
国際基督教大学教養学部理学科卒業(教養学士)、
京都大学大学院文学研究科修了(文学修士)、
カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生大学院修了
(公衆衛生修士)、
イースタンメノナイト大学大学院紛争変容・
平和構築大学院資格(修復的正義・開発学)
 
京都大学大学院時代の高校非常勤講師の時代に
教師が天職だと感じ、自分で将来は学校を創りたいと思う。
が、なぜか、大学院修了後、国立保健医療科学院、
国立精神保健研究所など厚生労働省の3つの研究所で
医療政策研究の分野で10年働く。
その10年の中で、教育にも使えて、高齢化や平和といった
持続可能性の問題の解決にも使える
紛争解決学の分野と出会う。
2008年より熊本大学大学院社会文化科学研究科准教授
(紛争変容・平和構築学)。
イースタンメノナイト大学では、修復的正義の祖父と
呼ばれるハワード・ゼア氏のもとで学ぶ。
 
Q②石原先生の専門である「紛争解決・平和構築学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
一言でいうと、対立や葛藤を入口にして、平和や幸せ、
持続可能性への扉を開く学問です。
対立や葛藤や紛争は、普通は、平和や幸せや持続可能性を
さまたげるもの、と私たちは思いがちです。
しかし、もし、対立や葛藤こそが、社会の平和や
自分や他人の幸せや、関係性や社会の持続可能性の
カギを握っているとしたら、どうでしょうか?
面白いと思いませんか?
 
紛争解決学では単に目の前の紛争や葛藤がなくなれば
よいというだけでなくて、そこを入口にして、
より平和な社会(平和な社会というのは、
単に争いがないだけでなく、自分も他人も含む
すべての人が生き生きと幸せに生きられる状態)を
築いていこうとする学問なのです。
 
紛争解決学では、紛争は幸せへの入口、
紛争が幸せへの扉を開く、と考えています。
(それがなぜかというと、10個くらい理由があるのですが、
一つには、紛争や対立は、最も他者と強く深く
出会う瞬間です。ガキ大将同士が喧嘩の後に大親友に
なるということがあるように、対立や紛争は、
もしかしたらその他者と最も深い関係を結ぶ
きっかけになるかもしれません。
 
また、私たちは他者と出会って、自分が何者かを
深く知るチャンスをもらいます。
相手を好きだ、嫌いだいと感じるということは、
そう感じる自分と深く出会うチャンスでもあります。
 
また、対立は、それまで関係性や組織・地域で
潜在的に抱えてきた問題が表に顔を出すチャンス、
つまり、関係性や組織や地域をよりよくする
チャンスかもしれないということです。
 
Q③石原先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
小学校の卒業文集で、将来の夢は「国会議員になって
戦争の100パーセントない平和な世の中をつくること」と
書きました(笑)。
でも、どうやって平和な社会をつくっていいのか
わからなかったし、大人になれば、戦いや葛藤のない
社会や人生なんてありえないし、むしろ、それが
生きるということだ、ということに気付き始めます。
 
わたしは、大学受験のころ、ちょうど自分の人生観や
世界観がひっくりかえるような経験をしました。
それまでの自分の人生観や世界観が否定されて
悩んでいる最中は、とっても苦しいのですが、
悩みぬいた結果、もともとの自分の世界観と、
それを否定した自分の敵ともいえる世界観の両方が
両立するような新しい世界観にたどり着いたとき、
なんか自分が生まれ変わったような
新しい人生が始まるような気持ちがしました。
 
大学院生のころ、お金がなかったので、
いわゆる“不良”が集まる高校の非常勤講師を
していたのですが、生徒と共にいる(格闘している?)
時間は、理屈を越えて幸せでした。
 
生きているという感じがして、天職だと思いました。
その過程を通じて、教育とは何であるべきかを
考えさせられました。
そのときに、生きるということは、常に自分と
異なった他者と出会い、影響し影響され、
変化して人は生きていく。
 
その出会って変化していく過程を
しっかり生き抜いていける力が人生では大切だし、
それは、様々な人がともに生きる
この社会の平和ともつながる。
そんな「異なる他者(価値観)と出会って、
ぶつかって、変化する」過程を生きる力をつける
ことができる学問はないだろうか、
と模索していた中で、紛争解決学と出会いました。
 
Q④石原先生の研究テーマについて

<紛争解決学について>
 
1.紛争解決学の大学院には
どのような方がこられているのですか?
法律関係の方々が多いのでしょうか?
 
そんなことはありません。私たちの日常には、
どの場所でも、対立や葛藤や問題が経ち現れてきます。
私たちのコースは、社会人大学院なので、
20代から60代までの様々なご職業の方が
学生として学んでいます。
 
これまでは、医療事故や安全を扱う看護師、
いじめ等専門の学校教員、企業経営者、家事調停委員、
政治家、損保会社の交通事故加害者代理交渉人、
消費者紛争相談員、組織開発ファシリテーター、
僧侶、元自衛官、介護福祉士、
鍼灸師、NPO代表などの方々がおられます。
 
2.紛争解決に向いている人ってどんな人ですか?
やっぱり、マザーテレサやガンジーのような
こころの清らかな人
あるいは人格者でないと無理なのでしょうか?
 
こころの清らかな人や人格者しか
紛争解決をできないとしたら、紛争解決学が
存在する意味はないと思います。
 
私たちは、だれでもが対立や葛藤を解決していく
能力の種を持っていると思います。
マザーテレサやガンジーのようなすごい人
だけでなくても、だれでもが対立や葛藤に向き合って
よりよい人生や関係性や社会をつくって
いけるための知恵が紛争解決学にはある、
それを学んでいただきたいと思っています。
 
3.紛争解決学を学ぶと、どんないいことがありますか?
 
紛争解決学を学んでよかったと思うことは、
自分自身が生きることが一番楽になったことですね。
やっぱり、もめごとや葛藤や対立って、嫌なもので、
誰かからひどいことをいわれたり、攻撃されたりしたら、
傷つきますよね。でもそんなときに、
なんでもめごとや対立が起こるのかというメカニズム・
秘密を知っていれば、なーんだ!と
気が楽になるかもしれませんし、解決のための方法を
知っていれば希望がもてますよね。
他の人の葛藤や対立の解決の旅路をご一緒させて
いただくことも、その方々の人生の旅路を
本当に濃く同行する旅で、人間がもっと好きに
なることがあっても嫌いになることは
あまりないかもしれません。
 
4.誰にでも簡単にできる
紛争解決の知恵があったら教えてください。
 
(1)ウィンウィン解決
 
ウィンとは、勝つという意味の英語です。
普通、対立だと、勝ち負けという結末しか
思い浮かばないですが、両方が満足できる解決策を
探す秘訣です。
例えば、両者が一つのものをほしがったとしましょう。
そのとき、お互いに「どうしてそれがほしいのか」と
いうことを聞いてみます。そして、
その「ほしい理由」の方に焦点をあてて、
その両者の「ほしい理由」となっている部分
(ニーズと呼びます)を満たす別の選択肢を
探してみる、そして両方が満足できる
第3の選択肢を探すというのがウィンウィン解決です。
 
(2)押してダメなら、引いてみよう
もめたとき、「ここでひっこめたら、負けだ!」
「ここで力を抜いたら負けだ」というときは結構あります。
そんなとき、ちょっと、実験だと思って、
引いてみる、一瞬、相手の立場に立ってみて
なんでそんな主張を相手がするのかな、と
一呼吸つきながら思いを巡らせてみると、
急に新しく状況が展開するというようなことがあります。
 
(3)コミュニケーションチャンネルを変えてみよう
 
誰かとのやりとりや、あるいは自分自身の中で
行き詰ってしまったときに、コミュニケーションの
チャンネルを変えてみるという手法があります。
私たちは、言葉
(書き言葉もあれば、話し言葉もあります)、
視覚(絵、動き、におい、音)、触覚など様々な
コミュニケーションのチャンネルを持っていますが、
一つのチャンネルで行き詰ったら、
違うチャンネルでコミュニケーションをとってみたり、
考えてみると、展開することがあります。
 
(4)敵が先生だ!問題こそが先生だ!
 
紛争解決学では、その抱える紛争や問題、
こそが先生だ、という考え方があります。
たとえば、会社の中で、全然働かないサボっている
同僚がいて、「あんたばっかり手を抜くから、
いっつも私ばっかりに仕事がかぶってきて」と怒りを
感じているとします。この場合、問題や敵が先生だ、
ということはどういうことでしょうか。
つまり、一生懸命に働いているその人
(マジメ子さん)にとっては、その問題のある人に
見習って「サボる」のが答えだ、
ということになります。
 
それにはいくつかの理由があります。
つまり、怒りを感じるということは、
疲れている、休みを必要としていることを
知らせてくれている、ということです。
だから、少し「働かない」「サボる」「休む」ことが
その人に必要と教えてくれています。
 
次に、敵・問題の人は、マジメ子さんにとって
新しい生き方や価値観の可能性を教えてくれていると
いうものの見方ができます。
それまでマジメ子さんは、会社に入ったら一生懸命に
働かなきゃいけない、という価値観で
生きてきたかもしれません。
 
そのような生き方を続けていたら、
もしかしたら将来過労死をしてしまうかもしれない、
そんなときに、一生懸命働くのもいいし、
少しサボる生き方もいい、と2つの生き方を
選べるようになると、マジメ子さんの人生はより
豊かなものになりえます。
 
第3に、組織の中でのこととして、
マジメ子さんが少し働かなくなると、
サボっていた人が急に働き始めることも起こりえます。
サボり子さんは、もしかしたら、
もう少し仕事をしたいと思っていた、
あるいはもう少しする能力はあったのに、
サボり子さんより優秀なマジメ子さんが
いつも一歩先に仕事をしてしまうので、
つい手を出せないでいて、その関係性が
固定化してしまっていたのかもしれません。
 
Q⑤<具体的な研究テーマについて>
 
1.石原先生の具体的な
研究の内容について教えてください。
 
紛争解決・平和構築学全般を扱っていますが、
その中でもとくに、「修復的正義」という分野が
一番の専門です。誰からが誰かを傷つけてしまったときに、
そこから、どのようにしてそのことに向き合って
関係性を修復していけるのかといった分野です。
 
例えば、犯罪や事故などによって、
誰かが誰かに被害をもたらしてしまったときに、
単に加害者が法律で裁かれて刑を受けるだけでは、
被害者が癒され、加害者がしたことに
責任をとったり反省して次の人生に向かって
いけるというわけではないのではないでしょうか。
 
修復的正義では、被害者が癒されるためには
どんなことを必要としているか
(加害者にどうしてほしいかということも含めて)と
いうことに真剣に耳を傾け、それに向かって、
加害者ができることは何なのか
(したことに責任をとる)を加害者自身が
しっかり考え、加害者がその責任をとって
いけるように周りからもしっかりサポートして
いくというような哲学です。
 
通常の裁判等の制度では、被害者と加害者が
直接コミュニケーションを取ったり対話をする
プロセスというのはほとんど考えにくいのですが、
被害者によっては、加害者と直接会って、
話をしたい、真実を直接聞きだしたいという
気持ちを持たれる方もおられます。
そのような場合に、被害者が加害者に聞きたいことを
聞き、その被害を受けたことで被害者の人生に
何が起こったのかを加害者に直接伝え、
加害者がそれを聞いて自分がしたことの意味に
向き合い、責任をとっていくという対話の
プロセスを支援します。
 
被害者も、加害者に対して直接向き合って
行動をしていくことで、癒しや力の回復が
やってくることもあります。
 
傷つけられた関係性を修復しようとすれば、
ただ水に流すだけでなく、起こったことや
してしまったことに向き合い、責任をとり、
もっと良い未来に向かってどうしていったらいいのか、
これからどう生きていくのかということに
真剣に向き合っていく必要があります。
 
そのような取り組みを、被害者も加害者も
人間であるという視点から、
支援していこうという取り組みです。
このような哲学は様々な分野に応用されます。
特に、学校の中での子どもの問題行動や
あるいは少年犯罪などは、適用されることで
効果があることが多いようです。
 
大人の犯罪や事故などの加害について
適用する動きもあります。
交通事故や医療事故にも適用できるでしょう。
また、地域社会において、地域の企業が地域住民に
迷惑をかけてしまうような公害事件や
原発事故ような場合にも重要な視点となると
思われます。外国では、内戦後の和解などに
応用されます。つまり、誰かが誰かを
傷つけてしまったときに、それでもなお、
共に生きていかねばならないというような
状況の時には、このように起こったことや
してしまったことに向き合って、
責任を取りながら、関係性を修復していくと
いう営みが重要になります。
 
2.具体的にはどのような場面での修復的正義や
紛争解決・平和構築の研究や実践を
しておられるのですか?
 
今一番力をいれているのが、震災による
原発災害からの再生にこの考え方を応用する
という営みです。
 
私たちの生活に必須である電気をつくる産業によって、
決定的で甚大な被害が及ぼされてしまったのが
原発事故です。
 
また、その中では、加害者と被害者の関係というのも、
非常に複雑です。まず第一に、加害者としての
電力会社と被害者としての被災者という
構造があるのはもちろんですが、地域では、
一人の人が電力会社の社員でありかつ
被災住民であったりもします。
 
と同時に、東京や関東民の電気を作っていた
東京電力が主に東北の地域を汚染してしまったと
いうような構造もあったり、また、同時に、
電気を使って生活しているという意味では、
この文明を享受するすべての市民・国民が
考えていかねばならない問題も突き付けられています。
 
原発事故の問題は非常に複雑で、おそらく、
裁判や既存の制度による補償だけで片付かない
本質的な現代社会の問題を私たちに
突き付けているのだと思います。
 
そのような複雑で本質的な課題に向き合うときに、
この修復的正義や紛争解決・平和構築の
考え方が役立ちます。
 
またそのほか、学校での暴力やいじめの問題に、
この修復的正義の考え方を応用する研究も始めています。
また、私たちの研究室には、医療事故や交通事故に
この考え方を応用する研究をしている人たちも
います。弁護士の方々で被害者支援をされている
方々との修復的正義に関する交流も始まっており、
今後展開を心待ちにしているところです。
あと海外では、私はナイジェリアの内戦地での
平和構築のために修復的正義を応用していく
研究にも取り組んでいます。
内戦地では地域住民が暴力をふるったり
殺しあったりということが起こるわけですが、
そのことによる癒されない傷や関係性が、
復讐という形で次の暴力を生んで行きます。
それを暴力による復讐でなく、
対話による正義の確立(修復的正義)を
支援していくことで、暴力の連鎖を
食い止めようという営みです。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
今、東日本大震災による原発災害下の問題に
取り組んでいます。震災後に、実際に福島や
近県にも何度も通い、また、震災後に熊本に
引っ越してこられた方々と出会って、
お話を伺ったり、その問題解決のための
取り組みに共に取り組んだりしています。
 
なぜ、紛争解決・平和構築の人間がこの問題に
かかわってるかについてはいくつかの理由が
あります。第1に、原発災害の厳しい状況の中で、
原発災害の被災地域や被災された方々の中では、
今、多くの対立や人間関係の分断が起こって
しまっています。これは非常に残念なことに、
水俣病の歴史の中で起こった地域社会の分断と
似たことが起こってしまっています。
 
第2に、紛争解決は平和の実現を目指す
平和構築学とコインの裏表といいましたが、実際に
人々が常に放射線の健康リスクやストレスに
さらされて暮らさなければならなかったり、
上記のような対立や葛藤の中に生きることは
平和な状態ではないといえますので、
私たちの分野が大いに関係してきます。
 
第3に、なぜそのような健康リスクに
さらされ続けたり不必要な対立や葛藤に
追いやられるかということの背景には、
原発政策と核兵器政策があまり知られては
いませんが切っても切り離せない関係に
あるということがあるから、ということがあり、
実は原発問題は戦争の問題とも深くつながって
いるので、紛争解決・平和構築学の
直接の対象になります。
 
原発災害は、多くの人々の命や健康を
危険にさらすだけでなく、人生そのものや
これまで気づきあげてきた人間関係を
深く傷つけてしまいました。
 
これまでホッとして土に触れ空気を吸い水や
畑で取れた恵みを子どもや家族といただく場所だった
自宅がふるさとが、一瞬にして半永久的に奪われました。
先祖代々気づきあげていた歴史が文化が奪われました。
強制避難区域以外でも、多くの家庭で、
命を守るために子どもとお母さんだけ
遠方に引っ越すという決断をしたり、
あるいは家庭の中で意見が一致せず、
離婚も含めそのまま家族ばらばらに過ごして
おられる方もいらっしゃります。
 
少女たちは、大人たちが放射線について
あまり語らない中で、放射線のことを心配したり
語ることが悪いことだ思うになり、
普段は多くを語りませんが、ふとした瞬間に
「もうわたし結婚できないんだよね。
子ども産めないんだよね。汚染されちゃったから」
とつぶやきます。
 
平和というと、単に戦争や殴り合い・
殺し合いがない状態をイメージされるかもしれませんが、
目に見える戦争がなくても、この社会では、
誰かのいのちが、目に見える形・見えない形、
気づかれる形・気づかれない形で軽んじられたり、
同じように扱われていないことが少なからずあります。
それは紛れもなく、「平和」でない状態、
つまりより平和を必要としている状態なのです。
 
私たちの仕事は、対立や葛藤に悩む方々のお話を
伺ったり、その解決や平和構築の手伝いを
しようとする仕事です。
 
しかし、私がこの分野をやっていて本当に良かったと
思うことは、そのような現場に行って、
実際にいつも、最も優しさを頂き、
元気をいただき、そして人間の深さや知恵に
触れて成長させられて帰ってくるのはいつも
自分自身だということです。語りつくせませんが、
この原発災害に関する仕事を通じて、
出会ったみなさんから教えていただいたことの深さ、
いただいた優しさや愛は言葉に
しつくせないものがあります。
 
福島のお母さんたち女性たち、若者たちは、
言ってみれば、東京の人のための電気を作ってい
東電の原発災害で、故郷を奪われ、
自分や子供の命を危険にさらされて、
東電や東京の人などを恨んだり殺しても
殺しきれない気持ちがあってもおかしくないと
思いますが、多くの方々は、
「自分は被害者で誰かが悪い」と人のせいに
するよりも、「原発のこと、
この社会のこと知らなかった自分の責任。
大人である自分の責任」といい、
その問題に向き合って、本当にあるべき
持続可能な社会に向けて歩みだそうとされています。
 
紛争解決や平和構築の学問をやってよかったことは、
もちろん、その知識やスキル自体が、
自分が葛藤や対立によりよく向き合ったり
自分の身の回りに平和を創ることを助ける、
ということもありますが、それ以上に、常に、
人間ってなんて深くやさしく強くのだ、
と目を見開かされる人々との出会いがあることで
あると感じています。
 
Q⑦今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
現在、紛争解決・平和構築学の知見を応用して、
東日本大震災後の被災者支援事業を行っており、
近日、関連するイベントが目白押しです!
 
イベント1:シンポジウム・対話の会
「ふくしまの今×水俣」
ふくしまの、大学生から40代までの若手・
中堅リーダーを水俣に案内するスタディ・ツアー
交流事業を11月末に計画しています。
12月1日(日)午後2時から、
ふくしまの若手・中堅リーダーから
「今のふくしま」と「水俣訪問後の思い」などを
お話しいただくシンポジウムと対話の会を、
熊本大学文学部で行います。どなたもお越しください!
 
イベント2:熊カフェ―コーヒー片手に
リラックスタイム熊本に避難されてきた方の中では、
震災後3年を迎える中、今後の人生のことについて
大きな決断を迫られていたり、
その悩みを話す機会がない方もいらっしゃると思います。
毎週木曜日午前10時から12時、震災から3年の思いを
珈琲片手にリラックスしながら語り合う
「熊カフェ」を行います。
 
避難者の方、支援者の方、持続可能な社会に
関心のある方など、どなたさまも歓迎いたします!
場所は、熊本市大江の南阿蘇珈琲店などで。
 
大学院生募集!
―主に週末だけで学位がとれる社会人向けの
大学院で紛争解決・平和構築学を学んでみませんか?
実は、私のいる熊本大学大学院の交渉紛争解決・
組織経営専門職コース(博士前期課程)、
交渉紛争解決学領域(博士後期課程)は、
日本で最初でかつ唯一の紛争解決学を専攻できる
大学院なのです。
 
ここは、主に社会人を対象とした大学院で、
主に土曜日や平日夜間で学位が取れる大学院です。
毎年、医療や教育を含む対人援助職の方、
地域や組織を変えていこうとするNPOや企業のリーダー、
プロや葛藤解決ファシリテーター、政治家、法律職の方、
家裁の調停委員の方など、様々なバッググラウンドを
持った社会人が大学院生として来てくださり、
ともにこの新しい分野を作り上げていく仲間と
なってくれています。毎年、博士前期課程(修士課程)、
博士後期課程(博士課程)の学生を
夏と冬に募集しています。
 
また、できるだけ地域の皆様とつながることが
できるように、地域の皆様が誰でも参加できる
対立や葛藤解決の公開セミナーや、
対話の会などを開催しています。
 
もし、ご関心を持ってくださる方は、
どうぞご遠慮なく、
aishi@kumamotmo-u.ac.jp (@は半角)
までメールをください。
 
一緒にこの分野を盛り立てていく
仲間となってください!
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 大熊薫先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
今月から3ヶ月間にわたって
スペシャル企画でお届けしています。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについて
お話をうかがいます。
第2回の講師は大熊薫先生です。

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Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:大熊薫 (おおくまかおる)
所属:文学部及び熊本大学附属図書館長
 
プロフィール:1949年6月3日福岡県生まれ。
昭和43年、福岡県立修猷館高等学校卒業。
昭和54年5月、九州大学大学院文学研究科博士課程
3年中退し、熊本大学教養部助手として熊本に来る。
1980年9月から、1981年9月まで、
パリのドミニコ会修道院でカトリックの研究を行う。
教養部廃止後、文学部に転部。
2013年3月まで、3期6年間文学部長を務める。
2013年4月から、熊本大学附属図書館長、
任期2年。現在64歳。博士(文学)
 
主な著書:『ヴェルレーヌ自己表現の変遷』、
早美出版社、2001年
『ヴェルレーヌ「聖」と「俗」との狭間で』、
早美出版社、2007年
『おしえて、カトリックで』、
早美出版社、2013年10月18日
訳書:『イエスと歩む福音宣教の旅』、
ドン・ボスコ社、1993年
 
19世紀のフランスの詩人
ポール・ヴェルレーヌの研究を
カトリックの思想を交えながら研究している。
 
Q② 大熊先生の専門である「ヴェルレーヌ研究」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
ヴェルレーヌとはどういう人物だったのかからはじめ、
どのような詩編を作ったのか、詩編の内容や
その構造を調べていきます。
例えば母音の数がいくつあるか、それはなぜか、
彼は何を訴えたかったのか、
彼の本心はどこにあるのか等を、
彼の詩編と創作された年代等を参考に考察していきます。
その過程で、ときどきカトリックの思想が影響を
与えていると思われるものがあり、そのため、
カトリックとは何かまで研究することになりました。
 
Q③ 大熊先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
大学の卒業論文で誰を対象に研究するか迷っていました。
本当はボドレールをやろうかと思っていたのですが、
もう一人の友人がボードレールをやると言い出したので、
私はなんとなくそれではヴェルレーヌでもやろうかと、
その程度がきっかけです。
それから今日まで、40年近く
ヴェルレーヌ一筋でやってきました。
 
Q④ 先生はなぜフランス文学を?
 
私が多くの文学の中からフランス文学を選んだ
きっかけは、高校時代に読んだ永井荷風の
『あめりか物語』と
『ふらんす物語』かもしれません。
『あめりか物語』の中で、荷風はフランス行きの夢を
熱く語ります。そして『ふらんす物語』の中で、
荷風は実際に彼が体験したフランスを、
きわめて美しい文章で表現していました。
私も、フランスに行きたいとそのころから
思っていたことは確かなようです。
 
Q⑤ 初心者の私たちが、入門編として読むのに
適当なフランス文学(ヨーロッパ文学)があれば、
いくつか作品名と簡単な内容を教えてください。
 
モーパッサンの短編集とか、アルフォンス・ドーデの
『風車小屋便り』などは内容もおもしろく、
若い人の感受性をおおいにくすぐると思います。
世界で一番たくさん読まれている本としては、
サン・テグジュペリの『星の王子さま』ではないかと
思います。
これは子供の読む本だと誤解している人が大勢いますが、
そうではありません。
学生時代に履修した西洋哲学の授業で、
先生がいつも「これは童話なんかじゃない、
今世紀最大の哲学書だ」とおっしゃっていたことが、
これを読むとよくわかると思います。
 
Q⑥ 今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
現在熊本大学附属図書館長をやっていますが、
この図書館が新しく改装され
10月1日にオープンしました。
これまでの図書館は、館内では静かに一人で
調べ物をするというやりかたでしたが、
今度からは、1階部分はグループ学習や講演会など、
おしゃべり自由な空間として利用できるようになりました。
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

熊大ラジオ公開授業「知的冒険の旅」 山尾敏孝先生

あらゆるジャンルの注目の人にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。
 
今日から3ヶ月間にわたってスペシャル企画でお届けします。
題して「FMK Morning Glory  ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」。
 
毎回、熊本大学の先生を講師に迎えて、
さまざまジャンルの研究テーマについてお話をうかがいます。
第1回の講師は山尾敏孝先生です。

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Q お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:山尾敏孝
所属:大学院自然科学研究科・
大学教育機能開発総合研究センター長
 
プロフィール
学歴:熊本大学工学部土木工学科卒(昭和49年)
熊本大学大学院工学研究科土木工学専攻修了
 
職歴:工学部助手,助教授を経て平成7年に教授.
平成18年に大学院自然科学研究科の教授現在,
熊本大学教育機能開発総合研究センター長,工学博士
 
専門分野と研究:構造力学と耐震工学.
研究は主として,鋼構造物の座屈強度解析や
新形式橋梁の開発と実用化に関する研究,
鋼アーチ橋の耐震設計と実用化,
近代土木遺産の調査と評価及び保存活用の研究,
石橋の健全度評価と補修・補強に関する研究等.
所属学会と社会活動:土木学会,
九州橋梁・構造工学研究会,日本鋼構造協会,
国際橋梁構造工学研究会等に所属.
西日本高速道路(株)技術アドバイザー,
九地整橋梁保全検討委員会委員,
九地整TEC-DOCTOR,
熊本県文化財保護審議委員等。
 
Q 山尾先生の専門である「構造力学と耐震工学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
構造力学は連続体力学の一分野であり,
橋梁,建築物,船舶,航空宇宙機などの構造物が
荷重を受けたときに生じる応力や変形などを
解析するための力学である.一つの物体のときは
材料力学という.土木工学の分野では
根幹を成す学問分野です.
 
耐震工学は、地震による被害を防御・軽減するため,
安全・安心な人間社会を創出させるための
総合した学問分野.特に,鋼構造物が地震を受けた時の
変形挙動や応力状態を調べる耐震解析,
解析結果より耐震設計法の開発,
地震時の振動を抑える耐震・免震デバイスの開発などが
含まれます.構造力学の知識が根幹です.
 
Q 山尾先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
・大学院生の時に、上司の教授が実施した鋼アーチ模型
(長さが3m)の面外座屈強度や耐荷力及び終局挙動を
調べる載荷実験に関わったことが、
大きなきっかけとなった。
この後鋼アーチ橋の研究につながった。
 
・耐震工学は兵庫県南部地震による大震災の現場を
調査した後です.静的な解析や実験のみでは
不十分であり、地震波を受ける動的挙動の解明が
重要であると認識した。
 
・近代土木遺産の調査を実施する中で、
石橋の代表である石造アーチ橋が壊れず長持ちし、
かつ住民に愛着が持たれている要因を探ることと、
石造アーチ橋が損傷を受けて傷んでいるが
大丈夫ですかと問われた時に回答できなかったのが
研究のきっかけである。
 
Q 先生の研究対象で熊本に実際にある建築物
(石橋)などをご紹介ください。
 
1.二俣橋(二俣渡と二俣福良渡):美里町にあり,
1830年ごろ釈迦院川と津留川の合流地点に建設,
スパン16.35mと15.26m,その後この橋近くに
コンクリート橋など3橋の計アーチ5橋.
 
2.大窪橋:美里町にあり,石橋のアーチ形状の
支間中央部分がとがっている.
 
3.霊台橋:美里町,重要文化財,1847年建設,
スパン28.3mは単一アーチでは
日本最大級の規模を有する単一の石造アーチ橋
 
4.通潤橋:山都町,重要文化財,1854年建設,
3列の石管路を有する日本最大級の水路橋,
石橋本体はスパン28.1m.
石管路は縦90cm・横60cm・長さ40cm~50cm
の石材に30cmの四角形状の孔と独自の漆喰による接合.
鞘石垣によるアーチ基礎部補強,壁石(高石垣)
の積み方,壁石同士を鎖石で繋ぐことで
補強するなど工夫がある。
 
5.天草5橋:三角から天草島々を繋ぐ1号の天門橋
(鋼トラス形式、全長502m)、2号の大矢野橋
(鋼ランガートラス形式、全長249.1m)、
3,4号の中の橋、前島橋
(PCラーメン形式、全長361m、516m)、
5号の松島橋(鋼パイプアーチ形式、全長178m)
 
Q 熊本は「肥後の石工」と呼ばれるほど、
昔から石材建築に関しては有名なようですが、
その理由などあるのでしょうか?
 
「肥後の石工」と呼ばれるようになった理由として
以下のことが考えられます。
 
1.「種山石工」と呼ばれる八代・種山出身の
石工・橋本兄弟,熊本市付近の島崎石工,
玉名の月田石工や天草の下浦石工など
多くの石工が存在
 
2.石橋を架けるには多くの建設費用が必要.
経済力を有する手永(てなが,行政区分)の
惣庄屋が事業主となり,木橋に代わる
永久橋である石橋の建設が促進した.
 
3.石橋は江戸末期から架設が始まり,
天草や人吉は明治期から大正期に多く架設.
架設も街道や往還などの道路のほかに,
灌漑用水路や井手や樋門と併設して架設
 
4.石橋造りに適した石材が,
阿蘇の噴火でできた溶結凝灰岩,
安山岩や砂岩がたくさん採取
 
Q これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
・3mの長さの鋼アーチ橋の模型を使用しての
載荷実験において、実験は9割が準備であること、
試行錯誤ばかりで、失敗の中から学ぶことが
たくさんあったこと。
実験は新たな知見を得るのに
非常に重要な役目を果たすことなど学んだ。
 
・近代土木遺産調査では、
明治から昭和20年までにできた日本の近代化に
貢献した歴史的構造物
(橋梁や隧道、水門、樋門、堰堤(ダム)・
堤防、河川、港湾など)が現地にあるかどうか
確認するため、九州5県の山道を車で調査し、
素晴らしい石橋や堰堤などの土木遺産に出会ったこと。
 
Q 今後の活動予定やPRしたいことなど
あれば教えてください。
 
・実石橋の模型を製作しての載荷実験や
実際の石橋の振動特性を測定する実験や車両載荷
実験の実施
 
・今年度も学生と一緒に第4回目の
ブリッジ・コンペティション
(橋梁模型製作・架設コンテスト)に参加して
良い成績を納めたが、次年度新しい学生と
一緒に参加したいので、学生達に参加を呼びかけたい。
 
この時間は、熊本大学の山尾敏孝先生を
講師に迎えてお送りしました。
 
以上、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業・知的冒険の旅」でした。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

ユニファイド駅伝

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする
「ヒューマン・ラボ」。 
 
今日は、NPO法人スペシャルオリンピックス常務理事
スペシャルオリンピックスデー実行委員長
吉田 祐一さん
常務理事・事務局次長中村友花理さん
アスリート吉田彩さんをゲストにお迎えして、
11月24日(日)、うまかなよかなスタジアム
熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われる、
障がいのある人もない人も一緒に楽しむ
ユニファイド駅伝について詳しく伺いました。

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Q① ご出演者のお名前と
番組でご紹介する際の所属・肩書等を教えて下さい。
 
名前:吉田祐一(よしだゆういち)
所属・肩書:NPO法人スペシャルオリンピックス常務理事
・SOデー実行委員長
 
名前:中村友花理(なかむらゆかり)
所属・肩書:NPO法人スペシャルオリンピックス常務理事
・事務局次長
 
名前:吉田彩(よしだあや)
所属・肩書:
NPO法人スペシャルオリンピックスアスリート
 
Q② ご出演者のプロフィールを教えて下さい。
 
吉田祐一 娘に生まれつき知的障がいがあり、
2002年以来、SOのボウリングコーチ、
2010年から常務理事。
高校の英語の教師をしながら、
共生社会の実現のために活動しています。
 
中村友花理 SON・熊本常務理事。およそ10年前に
知人からSOを紹介され、約6年間、事務局で働く。
しばらく活動から離れていたが、今年の始めより、
また活動に関わるようになった。
 
吉田彩 2002年以来、SOにて、ボウリング、卓球、
バスケット、馬術、フロアホッケーなどのスポーツに親しむ。
現在はボウリングと馬術のプログラムに参加中。
幼稚園の保育助手として働く。
 
Q③ スペシャルオリンピックスについて、
概要を教えて下さい。
 
知的障がい者の社会的自立をスポーツを通して
支援するNPO法人で、世界中に広まっている組織で、
本部はアメリカのワシントンDCにあります。
 
現在の日本にあるスペシャルオリンピックスの発祥の地は
熊本で、1993年に活動開始。
今年がSON・熊本の20周年にあたります。
そしてその翌年の1994年には、日本の組織が誕生しています。
SO日本の理事長はマラソンの有森裕子さん、
SON熊本の理事長は前熊本県知事の潮谷義子さんです。
 
登録しているアスリートは約600名。
現在300名近いアスリートが、日々のプログラムに参加し、
心と体を鍛える一方で、毎年1回の地区大会、
4年に1回のナショナルゲーム、ワールドゲームといった
大会で日頃の練習の成果を発揮しています。
 
来年、福岡でナショナルゲームがあり、
そのプレ大会として九州ブロック大会が
11月16,17日に開催され、熊本から45名の
アスリートが参加します。
 
Q④ 「ユニファイド駅伝」の大会を開催されるそうですが、
どんな駅伝ですか?
特色、目的等の概要を教えて下さい。
 
障害を持っていない一般の方4人と、知的障がいのある
SOのアスリート1人の5人が1つのチームを組んで走る駅伝です。
一般の駅伝に障がい者チームが参加することは
これまでもありましたが、障がいのある人とない人が
一緒になって走る駅伝大会は少なくとも熊本では
初めてではないでしょうか。
 
ユニファイドとは統一されたという意味で、
SOの理念の大きなものの1つで、今SO日本が
推進しているものです。
障害の有無に関わらず、同じチームで同じ目標をもって
活動することで、一般の方にSOおよび知的障がい者に
ついての理解を深めていただき、障害のある人もない人も
等しく幸せに暮らせる共生社会作りへの
きっかけとすることを目的としています。
 
Q⑤ 「ユニファイド駅伝」の大会の
開催日時と場所、距離を教えて下さい。
 
11月24日(日)午前10時30分より
レース自体は始まりますが、その前にSOのことを知って
もらうためのビデオを放映したり、初めてあった
アスリートと一般参加者が仲良くなる活動を含めた
開会式を9時より行います。
場所は県民総合運動公園陸上競技場
うまかなよかなスタジアムと付属のジョギングコースで、
一般の人は1区間2km、アスリートは800mです。
 
Q⑥ チーム編成について教えて下さい。
 
上述の通り、障害のある人1人とない人4人、
計5人のチームです。
必要に応じて補員が1名とメンバーの代表の監督が
1人です。またSOのアスリートの中には400mずつ
2人で800mを走る場合もあるので、
最小5人から最大7人のチーム編成となります。
どのアスリートと走るかは当日各チームにお知らせします。
 
Q⑦ 大会への参加資格を教えて下さい。
 
大会の主旨を理解いただき、SOと知的障がい者の理解を
より深めたいと思っている中学生以上の
健康な人なら誰でもOKです。
男女混合のチームでも構いません。
 
Q⑧ 誰でも安心して参加できるような
工夫もされているそうですが、詳しく教えて下さい。
 
初めて駅伝をするアスリートも多いので、
アスリートは競技場内を走ります。
そうすることで、コースを迷う心配もないし、
周りにたくさんに人から応援をもらいながら
走ることが可能です。また、タスキの受け渡しが
スムーズに行くように、アスリートには
各チームから伴走者をつけてもらいます。
 
一方、初めて知的障がい者と接する人も多いと
思われますので、一般の方とアスリートの橋渡し役をする
サポーターを各チームにつけます。
また、各チームにレースには参加できない人たちから
成り立つ応援団をつけます。上述の通り、開会式では
SO理解のためのビデオを流したり、互いを知り合い、
仲良くなるための活動を準備しています。
 
閉会式では、SOに関するクイズ大会や豪華?
賞品のあたる抽選会も計画しています。
 
Q⑨ 参加費用、申込み方法、申込み締切を教えて下さい。
 
1チーム3000円。保険料と参加賞代を含みます。
SON熊本事務局までメール、FAX、または郵送で
申し込んで下さい。参加料は、事前に口座振り込みをするか、
現金書留で送るか、持参をして下さい。
締切は10月25日(金)だったのですが、
参加チームが残念ながらまだ少ないので、
11月の8日(金)まで延長しています。
 
Q⑩ お問い合わせ先を教えて下さい。

SON熊本事務局電話096-288-2781です。
スペシャルオリンピックスのホームページから
チラシや開催要項・申込用紙はダウンロード
できるようになっています。
スペシャルオリンピックス、熊本で検索すると出てきます。
 
Q 吉田彩さんへのご質問。
 
●走ることや運動は好きですか?
走ることは特に得意なわけではありませんが、
運動は大好きです。ボウリングと馬術が大好きです。
 
●日頃から何か運動やトレーニングをしていますか?
毎週金曜日と土曜日にボウリングの練習をしています。
馬術は月に1~2回阿蘇に行って乗っています。
この駅伝に向けて、お母さんと走る練習をしています。
 
●その他、大会のPR、参加の呼びかけなどあればお願いします。
私たちアスリートと一緒に走ってくれる人を待っています。
私たちはみんないつも笑顔いっぱいです。
だから、きっと楽しい大会になると思うので、
ぜひ参加して下さい。
 
今日は、NPO法人スペシャルオリンピックス常務理事
スペシャルオリンピックスデー実行委員長の
吉田 祐一さん、
常務理事・事務局次長の中村友花理さん、
アスリートの吉田彩さんをゲストにお迎えして、
11月24日(日)、うまかなよかなスタジアム
熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われる、
障がいのある人もない人も一緒に楽しむ
ユニファイド駅伝について詳しく伺いました。
 
ありがとうございました。
 
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