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ヒューマン・ラボ

「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 増山晃太先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
7回目のゲストは、熊本大学工学部付属革新ものづくり教育センター
特定事業研究員の増山晃太先生です。
先生の専門である「景観デザイン」とはどんな研究なのか詳しく伺いました。

141215.JPG
 
Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:増山晃太(ますやまこうた)
所属:熊本大学工学部附属革新ものづくり教育センター・特定事業研究員
プロフィール
1982年1月23日広島県生まれ
2011年熊本大学大学院自然科学研究科博士課程修了
2011年より現職
 
Q②増山先生の専門である「景観デザイン」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
もともとは景観デザイン、または土木デザインが専門です。
道路、河川、橋梁、港湾、ダムなど土木構造物単体の形の美しさを
どのように作っていくのかが研究の対象になります。
一方で、土木構造物というのは、土地に根差しており、
もっと言えば地球の上にくっついているので、
それらをとりまく環境や周辺のまちも含めて、
連続する周辺との関係としてどのような姿が美しいのかを
追究しています。もちろん、その関係性のなかには
住民の生活や利用する人々などもいますので、
いわゆる人間関係のなかで試行錯誤をしながら
「景観デザイン」を考えることが研究のテーマといってもいいですね。
最初に「もともとは」と言いましたのは、
現在は熊本大学のものづくり教育センターに所属しています。
ここでは、工学部の学科を超えた「ものづくり」というテーマのもとに、
各学科の強みを活かした新しいものづくり教育のあり方を模索しています。
「ものづくり」に対する考え方ひとつをとっても、機械、建築、
マテリアルなど学科ごとに異なることが非常に面白く、
土木の中だけではわからないことを学べています。
景観デザインでも、まったく違う分野の人々と共に考えることは
大事なことなので、当センターで学んでいることは
今後に活かしていけると思っています。
 
Q③増山先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
生まれ育った環境が大きく影響していると思います。
私の生まれた広島では6本の川がまちなかを流れ、
日々の生活の中で川との関係が深い都市だと思います。
通勤や通学のときには川沿いを自転車で通り、
日ごろの散歩道にもなっています。ふと周りに目をやると、
川を渡る橋、橋の上を行き交う人々や路面電車、
またその先に見える山並みや瀬戸内海の風景がとても好きで、
何かそれらを作っていく仕事に関わりたいと思ったことがきっかけでした。
土木というのは硬くいうと、社会基盤を作ることといえますが、
人々が暮らす風景を創造することこそ醍醐味なのだと思います。
大学からやってきた熊本は、まちのスケール感、
路面電車を日常的に使っていることなど広島とも似ているところがあり、
とても住みやすい好きなまちです。
熊本というまちから景観デザインについても多くのことを学んでおり、
これからは少しでもお返しができるといいなと思っています。
 
Q④「景観デザイン」について、具体的な例をあげて説明をお願いします。
 
熊本県内の事例では、白川の明午橋から大甲橋までの
「緑の区間」の整備をあげたいと思います。
 
緑の区間.jpg
 
景観デザインとは、形の美しさとともに、関係性のデザインだと言いましたが、
「緑の区間」でもたくさんの関係性について考えています。
ひとつは「時間(歴史)」です。熊本の都市の骨格形成には
加藤清正を外しては語れませんが、暴れ川としても有名な白川が
「緑の区間」からまっすぐに流れているのは清正の治水事業の一環です。
そのおかげで、大甲橋から上流に目を向けたときに
両岸の緑の先に龍田山を眺める風景がつくられました。
いまでは熊本市民の心象風景を代表する一つだと思います。
「緑の区間」では、両岸の既存樹木をとくに大切にし、
護岸には熊本の個性のひとつである石積みを用いて、
これまでの時間の重なりとつながっていくように考えました。
一方で、時間は未来にもつながっていくので、
これからの熊本を見据えた「空間」の関係性も大切です。
「緑の区間」の整備は治水対策が基本ですので、
非日常の緊急的な状況をいかに日常の風景で感じられるか、
という点を空間の構成では考えました。
東日本大震災が起こった時に、堤防に守られているという安心感から
逃げ遅れにつながったという話も聞きました。
未曾有の災害が起こりうる現代ですから、
完璧な治水対策はあり得ません。川と日々の生活を切り離すのではなく、
日常的に川とふれあうことで、雨が降った時のちょっとした水量の
変化に敏感であったり、環境学習などを通じて防災のことも
学んだりすることが大事なのだと思います。
川に行きやすく、ふれやすい空間づくりはそのきっかけになると考えています。
このように、「時間」や「空間」、
そして「人間」のかかわり方を考えることが「景観デザイン」なのだと思います。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか? 
 
研究者はある意味で、趣味を生業としている側面もあるので、
趣味は「景観デザイン」です。と書くと怒られますかね。。
スポーツ観戦は好きなので、
熊本ももっとスポーツが盛り上がるといいなと思っています。
とくにプロスポーツのロアッソ熊本が強くなって、J1を制して日本一になる、
ということは夢見ています。市民、県民が団結してチームをサポートし、
勝てば飲み屋でドンチャン騒ぎ、負ければ飲み屋でヤケ酒、
苦労をともにした先の喜びはできるだけ多くのサポーターで
分かち合いたいものです。そんな私はサンフレッチェ広島を
応援しているのですが(ロアッソの小野監督は元広島の監督で、
J2降格後に一年でJ1復帰を成し遂げた偉大な監督ですし、
ロアッソももちろん応援しております!)、
Jリーグ発足時の10チームの中で、20年間タイトルを取ったことのない
唯一のチームでした。J2降格も二度経験し、
辛い時代もありましたが、2012年11月24日のホームスタジアムで、
初優勝の瞬間に立ち会えた感動はいまでも忘れられません。
老若男女がひとつの話題で語り合えることは、そう多くはないと思います。
地方都市であるが故の不利な面もありますが、
団結する力は大都市には負けていません。
何かそんなこともまちづくりの一環ではないかなと思考を巡らせながら、
いつの日かロアッソのJ1初優勝の瞬間に
立ち会えると幸せだなと思っています。
それもこれも「景観デザイン」には大事な要素なのです。きっと。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
熊本駅の周辺整備に関わっていた時に、
坪井川沿いの水辺広場の設計をすることがありました。
できるだけ人々を水際へ近寄れるようにすると、2
mを超える段差を解消しないといけません。
一般的には階段をつけて、その脇にスロープを付けます。
このときの整備では、身障者の方に使いやすさの確認をしてもらっており、
水辺広場でも車いす利用者からお話を聞く機会がありました。
スロープの説明をすると、
「スロープを付けてもらうことはありがたいことだけど、
私たちもみなさんと同じように下りたいのよね」と言われたのです。
最近では、身障者用のスロープは多く付けられるようになりましたが、
下りた先が目的地より遠い場所であったり、
取ってつけたような作りであったりしています。
このお話を伺ったのは、ある一人の車いす利用者でしたが、
自分とは違う立場から物事を考える意味を強く考えさせられる瞬間でした。
このようなご意見もあり、水辺広場ではスロープを主要動線と考え、
階段はショートカットとして考え直しました。
結果的には、スロープをゆったりと下りる風景のほうが
坪井川上下流への視線の変化があり、
桜並木の横を通る楽しい動線となりました。
この場所のデザインとしても、そちらのほうが正しかったのだと思っています。
デザインというのは、答えのない問題を解くような側面もありますが、
いろいろな人と議論し、そこで出た意見を上手に整理することで、
大きな方向性は共有できるのだと思います。
常に粘り強く考えていくことが大事なのだと、
あらためて思わされたエピソードでした。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
熊本県内でもいくつかの整備に関わっていますが、
三角東港の広場整備が現在進行中です。
ここでは広場整備だけではなく、整備後の利活用のあり方に
ついて住民の方々と議論を始めています。
公共整備は行政がやってくれるものという考え方は、
人口減少が続くこれからの時代では成り立たなくなっていくと思います。
住んでいる私たちが何をしたいのか、まちをどうしていきたいのか、
そのようなヴィジョンを自分たちで作らないといけません。
現在は、整備の途中で議論も始まったばかりですが、
公共整備の新しい試みとして育っていくように、
私も頑張っていきたいと思います。
 
●熊本駅WS
熊本駅WS.jpg
 
●三角WS
三角WS.jpg
 
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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 石丸聡子先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
6回目のゲストは、熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻
地球環境科学講座の石丸聡子先生です。
先生の専門である「岩石学」とはどんな研究なのか、詳しく伺います。
 
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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:石丸聡子(いしまるさとこ)
所属:熊本大学大学院自然科学研究科理学専攻地球環境科学講座
プロフィール富山県射水市(旧新湊市)出身
2007年3月金沢大学大学院自然科学研究科博士後期課程修了
2007年4月-2008年3月金沢大学理学部教務補佐員
2008年4月-2008年12月金沢大学理工研究域研究員・博士研究員
2009年1月-2009年3月金沢大学キャリアデザインラボラトリー博士研究員
2011年2月-現在熊本大学大学院自然科学研究科助教
 
Q②石丸先生の専門である「岩石学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
地球は岩石からなる地殻とマントル,金属からなる核が層状構造を
していますが,私たちが手にすることができるのは地殻と上部マントルを
構成する岩石の一部のみです。
それら岩石は様々な履歴を持っているので,詳しく調べることで
どのようにして地球が現在の姿になったのか,
といったことを理解するために,重要な情報を示してくれます。
具体的には,野外調査で岩石を採取し,研究室に持ち帰って
観察や機器分析をおこなうことで,
その岩石のでき方や履歴を調べるということをしています。
日本でも火山活動が活発ですが,火山で作られるマグマの多くは,
マントルを構成していると考えられるかんらん岩が融解することで作られます。
マグマを作った後のかんらん岩は,時々地上で手にすることができますが,
そのかんらん岩を詳細に調べることで,
マグマの形成プロセスや地球が誕生してからこれまで
どのよう進化してきたのかを知ることができます。
 
Q③石丸先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
中学生くらいの頃から地質学や古生物学,
惑星科学に興味があって,大学入学時に地球科学を選択しました。
大学入学後もすぐに「岩石学」に興味が湧いたわけではなく,
大学の講義で実際に野外に出て行く中で
「岩石学も面白いな」と思う程度でした。
卒業研究をおこなう研究室を選ぶ時期になって先生方と
お話しをした際に,「地球が何でできているか,
そこで何が起こっているのか実際に見たことがある人は誰も居ないけど,
深部に由来する岩石を見たらそこでの現象が推測できる」と
いうようなことを言われたことがきっかけかもしれません。
特に,日本と同じようにプレートが深部に沈み込んでいく
カムチャツカ半島に産するマントルのかけらを使って
卒業研究を開始したのですが,
「日本のような環境のマントル由来の岩石は
あんまりないからまだよく分からない」というところに興味を持ちました。
 
Q④採取した岩石の履歴を調べるとのことですが、
どういう行程を経て、岩石の履歴がわかるのですか?
具体的に説明お願いします。
 
まず,岩石を光が透過する0.03mm程度の薄さにまで
研磨したものを作成して,ある特定の方向に振動する
光だけを観察できる顕微鏡(偏光顕微鏡)で見てやると,
岩石を構成している結晶によって見え方が変わります。
それぞれの試料を詳細に観察することで,
結晶ができた順序やできてから「力が加わって割れた」とかを
調べることができます。
また,岩石を構成する結晶のできた順序を元に,
結晶の化学組成を調べてその変化を捉えたりします。
例えば,オレンジ色のものを観察して,
元々は赤色だったところに黄色のものが入ってきたことを
調べるようなことでしょうか。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか? 
 
肩こりがひどいので,マッサージにいって癒やされています。
最近は週末になるとダラダラ過ごしてしまっているのですが,
時間があれば遠出をしています。
以前は朝に「どこか行きたいなぁ」と思って,鹿児島の開聞岳に
行ったり杖立温泉に行ったりしたこともあります。
阿蘇や菊池などの郊外の温泉に行ったり,
博物館に行ったりするのも好きです。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
マントル由来のかんらん岩を採取するために,
外国を含めてこれまで様々な地域に行っています。
それぞれに大変なことでいろいろと印象深い出来事があります
(カムチャツカの山小屋に泊まった際にヒグマと遭遇したことや,
ロシアでの調査は移動が大変であること,
国によってはサンプル輸送手続きが大変なこと)。
実際に持ち帰った試料を解析していて,
これまで見たことがない変な物
(平均的な化学組成から大きく離れていたり,
これまで未報告だった鉱物など)を発見してしまった時には
凄く考えるのですが,
その成因やそれが持つ意味が分かった時には
何とも言えない嬉しさがあります。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
今後もひきつづきかんらん岩を求めて世界各地を調査し,
まだ誰も見ていない・理解できていない現象を
明らかにしていきたいと思います。
 
Qここを調査したいという具体的場所などありますか?その理由は?
 
地球全体での水の動きとそれを介した元素や
物質の動きに興味があるので,
プレートが沈み込んでいる地域や大陸が衝突している地域で
調査をおこないたいと思っています。
日本近辺ではフィリピンやインドネシアなどですかね。
最近はロシアのウラル山脈のあたりやトルコで
調査をおこなっていますが,アルプス山脈のある
イタリア北部にも行きたいと考えています。

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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 藤本秀子先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
5回目のゲストは、熊本大学五高記念館の藤本秀子先生です。
先生が携わっている五高記念館の企画運営について詳しく伺います。

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Qお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:藤本秀子(ふじもとひでこ)
所属:熊本大学五高記念館
プロフィール
・大学卒業後、「(財)熊本開発研究センター」に勤務し、
地域開発、まちづくりなどの仕事に関わりました。
 
・五高記念館に来る前には「(財)グランメッセ熊本」で
自主事業の展示会の企画運営などを行っていました。
 
・五高記念館では、記念館や記念館が行うイベントの
企画運営と展覧会の企画運営を行っています。
 
Qものすごく基本的な質問で恐縮ですが、
「五高」について、簡単に教えてください。
 
明治期の学校教育充実の課程で、
明治19年「中学校令」が公布され尋常中学校と
高等中学校が設けられることになります。
高等中学校は全国を5つの学区に分け
それぞれに1校ずつもうけられたのが旧制高等学校です。
 
明治27年に高等学校令」が公布され
高等中学校は高等学校になりました。
(この時、第一から第五までの高等中学校は
第一高等学校から第五高等学校になります。)
 
その後、第六から第八までの高等学校ができ、
番号ではない地名を冠した高等学校もできていきます。
最終的には官立、公立、
私立で39校の高等学校ができました。
(最大数は第二次大戦終結時)
 
戦後は、昭和22年に「教育基本法」が公布され、
昭和25年に最後の卒業生を送り出し、
旧制度の高等学校は廃止されました。
 
この間、昭和24年には、五高最後の入学生
(昭和23年入学)が1年を終了したところで、
新制大学の2年生に編入されました。
 
第五高等学校の著名教授陣としては、
第三代校長の嘉納治五郎、
英語教授夏目金之助(漱石)、
外人教師ラフカディオ・ハーン、
漢学教授秋月胤永など
 
著名卒業生には、内閣総理大臣池田勇人、
同佐藤栄作、外務大臣重光葵、物理学者寺田寅彦、
漢学者宇野哲人、経済学者大内兵衛(マルクス経済学)、
作家下村湖人、同上林暁、同梅崎春生、
映画監督牛原虚彦、劇作家木下順二など
 
代表的寮歌は「武夫原頭に」
五高精神は「剛毅木訥」
etc.
 
Q「五高記念館」の基本情報を教えてください。
 
熊本大学五高記念館概要
◆所在地〒860-8555熊本市中央区黒髪2丁目40番1号
(黒髪キャンパス北地区内)
◆電話 096-342-2050
◆施設
建物面積
本館1,806㎡(2階建)化学実験場419㎡(平屋建)
建物構造 : 煉瓦組積造
 
ご利用案内
◆開館時間 午前10時~午後4時
※但し、入館は午後3時30分迄です。
 
◆休館日
毎週火曜日年末年始その他
※3月~11月の祝日は開館します。
※12月~2月の祝日は土日と重なった場合のみ開館します。
※熊本大学の行事の都合上、臨時に休館する場合があります。
 
◆その他 入館料無料
※車椅子での見学を希望される方は、事前にご連絡ください。
※団体でご見学の場合は五高記念館までお問い合せください。
 
◆駐車場現在、専用の駐車場はありません。
できるだけ公共交通機関をご利用ください。
 
Q藤本さんのお仕事について、
わかりやすく教えてください。
 
・藤本は、専門の研究分野はありません。
「五高記念館」の企画運営が主な仕事です。
平成17年度に熊本大学の政策創造研究センター(当時)の
研究プロジェクトとして、
「地域資源としての五高記念館の利活用整備プロジェクト」があり、
その取りまとめをお引き受けしたのが
五高記念館との最初の関わりです。
 
・五高記念館は、熊本大学野前身校の一つである
旧制第五高等学校の本館を記念館として公開しているものです。
平成22年12月には博物館相当施設に指定されています。
 
・現在、五高記念館スタッフは、下記のような活動を行っています。
展観事業として
①旧制第五高等学校に関する資料収集、保存、分析、研究
②旧制第五高等学校の教師、生徒、卒業生に関する調査
③上記の調査研究に基づく常設展示や企画展示の制作
④その他
(ア) 熊本大学の前身校に関する資料収集や調査
(イ) 旧制高等教育に関する資料収集や研究など
 
教育普及事業として
⑤展示の多言語化や外国語によるガイド育成事業
⑥市民向け「五高記念館文化講座」の実施
⑦その他
 
Q藤本さんがこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
五高記念館の運営企画に携わるきっかけは、
上記のとおり政策創造研究センター(当時)の
プロジェクトに関わったことですが、
以来今日まで仕事を続けることになったのは、
・五高卒業生に尊敬すべき考えの方が多かったこと
(経歴もすごい方が多いのですが、何よりも考え方が素晴らしかった)
・高校時代に教えを受けた先生方の多くが五高出身であり、
五高の校風を思わせる校風があったこと
(自由自治の考え方など五高の気風校風そのものだったのだと、
この仕事に携わってから実感しました)
・前述した自由自治の考え方や剛毅木訥に象徴される
五高の精神は、現今の学生はじめ若い人々に
伝えて行くべきものと思えたこと。
 
Q「五高記念館」の展示物の見所などあれば
いくつか具体的に紹介お願いします。
 
五高記念館は、旧制第五高等学校の歴史、文化、
関係する人々などについて総合的に展示している資料館です。
常設展示をご覧いただけば、五高だけではなく
旧制高等学校の概要がお解りいただけると思います。
特に見所というと、建物五高記念館(第五高等中学校本館)、
化学実験場、表門(赤門)は重要文化財
 
※化学実験場は今年3月、建物とドラフトチャンバーが
日本化学会の化学遺産にも指定されました。
黎明期の姿が解る「生徒募集告知木札」
第三代校長嘉納治五郎が依頼した勝海舟の扁額
「入神致用」モンタージュボイスで制作した
「夏目漱石の祝辞」etc.
 
Qお仕事以外での趣味などありますか?
 
草月(いけ花)、私の右脳の活性化に寄与しています。
多分一番リフレッシュできるのがいけ花です。
熊本まちなみトラストで建物や街並みの
保存活用について活動や学習をしています。
熊本産業遺産研究会で産業遺産
(主に近代化遺産ですが)について学習しています。
上記二つは年齢や立場役職などの垣根を越えて
つきあえる人間関係がリフレッシュにつながっていると思います。
 
Qこれまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
・開校120周年記念同窓会に際し、
五高に関する資料等の寄贈を募ったところ、
昭和18年の学徒出陣により出征し戦死した五高生が、
友人に託した歌集が書かれた当時のままに寄贈されたこと
(五高生同士の友情は時を超え、かくあるものと感じた。
これ以外にもエピソード多し。
青春の日に真の友人を得るということが、
その人の人生を支え、どれほど豊かにするものであるかを
しることができるエピソードばかりです)
 
・難病により寝たきりになられた卒業生が、
家族を五高に伴いたいと奥様と二人の息子さんと共に
記念館を訪ねられたこと
(五高生としての誇りや友と切磋琢磨した日々が、
その人の人生を支え、家族にもその事実を
伝えるべきものと考えておられること)
 
・夏目漱石が教師として在籍した頃、
御茶屋の借金を漱石に肩代わりさせたという
エピソードのある五高生の姪にあたる方が
「叔父はそのような人柄ではなく、
借金を作ったことがあったとしても
人様に肩代わりをさせるような家ではない
(豪農で素封家とのこと)」記念館に
そのように展示して欲しいといってこられたこと。
姪にあたる方も90才近い老齢の方でしたが、
ずっと忸怩たる思いであったとのこと。
(調べてみると実際そのような事実はなく、
漱石の人柄を強調するための作り話と考えられる)
一教師、一生徒についてもできるだけ
伝聞や風評に惑わされず事実を掘り起こし、
伝えて行く使命があると感じた
 
Q今後の活動予定や
PRしたいことなどあれば教えてください。
 
旧制高等学校教育についての資料収集や研究、
展示などを通じて、現今の教育に資する面、
見習うべき面を伝えて行きたい
 
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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 細野高啓先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
 
4回目のゲストは、熊本大学大学院先導機構の細野高啓准教授です。
先生の専門である「流域水環境学」とはどんな研究なのか詳しく伺います。
 
細野先生.JPG
 
Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:細野高啓(ほそのたかひろ)
所属:熊本大学大学院先導機構(併任)理学部地球環境科学講座
 
プロフィール
出生:1976年1月カナダ・トロント市生まれ
国籍:日本人
家族:一児の父
学位:理学博士(2003年3月筑波大学)
 
学歴
1994年3月31日京都府立兎道高等学校卒業
1994年4月1日信州大学理学部地質科学科入学
1998年3月20日信州大学理学部地質科学科卒業
1998年4月1日筑波大学地球科学研究科博士課程地質学専攻入学
2003年3月25日筑波大学地球科学研究科博士課程修了
 
職歴
2003年4月1日早稲田大学理工学術院環境資源工学科助手
2005年4月1日総合地球環境学研究所技術補佐員
2006年4月1日日本学術振興会特別研究員(総合地球環境学研究所)
2007年5月1日秋田大学工学資源学部地球資源学科助教
2009年4月1日熊本大学大学院先導機構特任助教
2013年6月~2014年3月スペイン・バルセロナ大学地質学研究科在外研究員
2014年4月1日現職
 
Q②細野先生の専門である「流域水環境科学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
陸域水循環系において四次元的な水の流動や
水質進化機構を調べる研究のことを言います。
 
要するに、蒸発・凝結によって降った雨が河川や地下水となり、
流域内では各地域の気候条件に即した水循環系において
生じる様々な水の量的、質的変動を解析する研究です。
近年、気候変動や水利用によって、また、人間活動による
物質負荷によりそのバランスが変化してきていますので、
その実態をなるべく正しく理解することを目標としています。
実際には学問として体系化されつつある発展途上分野で、
比較的新しい研究領域にあたります。
 
日本最大の地下水都市地域である熊本を足場に、
アジア・アフリカ地域など世界中で活動を展開しています。
流域内、見た目はどこでも同じような水ですが、
詳しく調べていくと、大気や地質物質との相互作用、
また、微生物や人間活動の影響によって
水のすがたが見えてくる、また、その姿が変化していく様子が
見えてくるので面白いです。
また、水資源保全対策の観点から社会的ニーズに
関わることの多い分野です。
 
Q③細野先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
もともと小さいころから鉱物や化石が好きでしたので、
小学生のころから地質学の道に進みたいと思っていました。
大学に入り、初めは火山のでき方を調べる研究を
ずっと行ってきたのですが、大学院では地下資源に
興味を持つようになり、金属鉱床
(注目したのは金や銀を含む熱水鉱床)の成因を
研究するテーマを選ぶことになります。
 
時代の流れから、環境をテーマとした研究が気になり始め、
興味の対象が、同じ資源でも鉱物とは異なり、
水資源(特に地下水)へと移行していきました。
研究のアプローチは地球化学的なアプローチで
変わらないのですが、鉱物資源の分野では
色々と分かっていることも、水資源の分野では
やられていないことも多くあり、
これまでの知識を生かして水分野で新しい研究を
開拓したいという思いが現在の研究を行う
きっかけとなりました。
 
Q④アンケート内容から推察しますに、
フィールドワークが多い研究ではないかと思います。
めずらしい場所、困難な場所、印象的な場所の
エピソードなどを教えてください。
 
これまで50~60の色々な国や地域を色々な目的の調査で訪れました。
それぞれに色々な出来事がありましたが、
南米・アフリカの国々は身近なアジア・欧米とは異なり文化も
一層異なりますし、アクセスも困難な場合が多く
印象にも残りやすいのかも知れません。
 
河川だと、学生のころから放浪や探検が好きで、
黄河や揚子江、ガンジス川(上流域はヤルツァンポ川)や
メコン川等々、世界河川の源流域を自転車で訪れたりしました。
調査では10年ほど前にブラジル・アマゾナス州の州都マナウスを
拠点に2回ほど、最近だとスーダンの首都ハルツームナイル川を
のぞむ機会がありました。いずれもソリモンエス川と
リオネグロ、青ナイルと白ナイルの合流地点を
訪れることができました。特徴の全く異なる側の合流は
ダイナミックですし、地球規模の河川の源流や合流地点って、
たってみると気持ちの良いものです。
登山も好きで、地下水や湧水だと最近はアフリカ第一の高峰
(キリマンジャロ)とアフリカ第二の高峰
(カメルーンのカメルーン山)での調査が思い出深いです。
 
困難と言えば治安に気を付けるとか、
コミュニケーションにタフになる、とかでしょうか。
あと、マラリアとかの苦しい病気は嫌なものです。
でもこういうとこは獣とか、変な珍しい野菜とか、
自然の果物とか、ジャングルの恵みが美味しいです。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか?
 
そうですね、旅や研究以外ですと、
体調管理の為に軽くジョギングをする程度でしょうか。
 
最近は時間があれば子供と接するようにしていますし、
自分の趣味の時間はあまりないかもしれません。
家族が健康でしたらそれで良いので、ストレスは
あんまり溜まらないみたいです。
 
以前は登山とか、ダンスとか、カルチャルアクティビティとか
色々やっていました。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
研究は自分の興味で突き進んでいることなので、
どれもこれもがエキサイティングです。
水の研究に関わらず地球科学の多くはフィールドといって、
野外での調査が基礎となるものが多いです。
野外調査では普通は人がいかない様な所で調査を
行いますので、近場でも遠い場所でもどこへ行っても
日常には無い思いがけない発見が沢山あり、
研究を続ける原動力にもなっています
(興味のない人にはどうでも良い事でも面白く感じて
しまうことが多いかもしれません)。
 
また、この分野では自然を相手にしますので、
観測や分析、実験の結果を解釈する100%の正解というものは
決まっていません。その時までに得られている情報を
できるだけ矛盾なく説明できるような
ストーリーを作ることが作業となってきます。
答えが用意されていないものに対して、
最もあり得そうなストーリーとしてまとまった時は快感ですね。
学術的な論文を作成するのがこれに当たるのですが、
一つの作品をつくるようで、
達成感や満足感を得られることが楽しいです。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
地元の事ですので熊本の地下水についてはこれからも
継続的に調査していきたいと思っています。
頑張ってそんなことをやっている人が熊大にいるのだなぁと
思っていただければ嬉しいです。
 
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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 竹内裕希子先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
 
第3回のゲストは、熊本大学大学院自然科学研究科の竹内裕希子 准教授です。
先生の専門である「地理学」とはどんな研究なのか詳しく伺いました。

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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:竹内裕希子(たけうちゆきこ)
女優の竹内結子と名前が似ているので,たまに間違われます。
間違われるとチョットしたネタになります。「裕希子」という漢字も
よく「由希子」や「祐希子」などの字と間違われることも多いです。
こちらはネタになりません。
 
所属:熊本大学大学院自然科学研究科・准教授
プロフィール
独立行政法人防災科学技術研究所,京都大学防災研究所,
京都大学大学院地球環境学堂などを経て,2014年3月より現職。
東京農工大学大学院修士課程修了修士(農学)
立正大学大学院地球環境科学研究科博士後期課程修了博士(理学)
東京都出身。
 
Q②竹内先生の専門である「地理学」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
地理学は,地域の成り立ちを,自然科学と人文科学の
二つの視点を持って空間分布と時間変遷から明らかにする学問です。
どのように地形が形成され,その上に植生や産業・文化が
どのように影響を受けて分布をするのかを明らかにします。
私は地理学の中でも特に防災・減災について取り組んでいます。
災害が発生する要因を自然科学の成り立ちと人文・社会科学の
成り立ちから明らかにし,防災教育を通じて
防災・減災の課題解決を提案します。
 
Q③竹内先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
1999年に広島市で大規模な土砂災害が発生しました。
今年2014年8月にも発生した地域です。
私はそれまで斜面崩壊のメカニズムについて研究をしていましたが,
1999年の災害でテレビに写った地域の人が急斜面を背景に
「ここで災害が起こると思わなかった」と話していることに
衝撃を受けました。崩壊の危険性のある急斜面を目の前にして
「崩れると思わなかった」と思うことに,
防災教育の必要性を強く感じました。特に「逃げる」という
防災教育だけではなく,「なぜそこが危険であるのか」
理解を深める防災教育が必要であると考え
現在の研究に方向転換をしました。
 
住民が自分自身の防災に取り組む地域防災は,日本だけでなく
世界で必要とされています。防災というとダムや
堤防を想像することが多いのですが,住んでいる地域の特性を
理解して情報を活かして避難行動に結びつける方法は,
ダムや堤防に比べるとお金がかかりません。
そのため,防災にお金をかけることが難しい途上国では
有効な方法です。
 
私は京都大学で働き始めた時に海外調査を始めました。
当時は英語で自己紹介をすることも難しかったのですが,
日本の地域防災の方法が海外で重要だと共同研究者に
強く言われてインドでの調査を始めました。
インドは2004年にインド洋津波で大きな被害を受けて
防災に取り組み始めたところでした。調査を始めてみると,
防災は必要であると解っていても,貧困のため日々の生活や
衛生や教育など根本的な課題のために防災まで
手がまわらない状況が明らかになりました。
堤防などを作るお金や技術が難しいのなら,
せめて自分たちの身の回りの危険を理解することだけでも
出来るのではないかと思いました。
これが,地域防災研究を海外で始めたきっかけです。
 
Q④熊本の地理的特徴と地域防災に関して、
具体的な例があればいくつか説明お願いします。
 
災害の発生としては,非常に基本的・一般的ですが,
平らなところ,川が流れているところでは洪水災害,
山があるところでは土砂災害(特に土石流災害),
海に面しているところでは高潮災害という特徴があります。
地名を挙げると下記のような場所です。
阿蘇→土砂災害・火山災害
五木・水俣・芦北などの山間地域→土砂災害
熊本市内などの平野部→洪水災害
水俣・八代・熊本・玉名などの沿岸地域→高潮災害
防災としては,これも一般的分類ですが,
都市地域では人の繋がりが弱い(または無い)ため,
安否確認などが難しく,一人一人がしっかりと
防災対策をしないといけません。
自主防災会組織などが結成されている地域もありますが,
全体としては少ないのが現状です。山間地域では,
高齢化や過疎化が進んでいるため,自主防災会や
消防団の担い手がなく,また,一人での避難が
難しい人が多いという課題がありますが,
人と人の関係が密接であるため,
顔が見える関係が存在しており,
安否確認や助け合いが自然に行われます。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか? 
 
趣味は地図と石を集めることです。
好きなことは地域の美味しいものとお酒を楽しむことです。
料理をしたり,工作したり,
なにかモノを作っているときはリフレッシュしているように感じます。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
Q③の「きっかけ」に書いた広島と
インドのことが最も印象深いことです。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
熊本ケンミン新米です。熊本のいくつかの箇所で
地域防災の調査を始めました。これから熊本のことを
もっともっと知って熊本の地域防災に貢献していきたいです。
 
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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 平野順也先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りしています。
第2回のゲストは、熊本大学 文学部 コミュニケーション情報学科の
平野順也 准教授です。

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先生の専門である「コミュニケーション学」、「修辞学」、
「ポリティカル・レトリック」とはどんな研究なのか、詳しく伺いました。
 
Q① お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:平野順也(ひらのじゅんや)
所属:文学部コミュニケーション情報学科
プロフィール
・3年前に熊本大学文学部に赴任
・それ以前は、石川県の大学に勤務、
福岡県の高等学校で英語の教鞭をとったこともある
・さらに、それ以前はアメリカに約8年間留学:
アイオワ州⇒テキサス州⇒ペンシルバニア州
・専門はコミュニケーション、特にレトリックという分野を研究
 
Q② 平野先生の専門である「レトリック」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
・日本語では修辞学と訳されます。
私たちは、聴き手を「説得」するために、
「ことば」を飾ります。その技法に関する研究です
 
・また、我々の生活には、総理大臣のスピーチ、
テレビやラジオのCM、そして日常的に使う嘘や言訳まで、
色々な形で「説得」が溢れています。特定の「説得」で
使用された「ことば」を考察し、「飾り」に隠された動機や
本心を暴くという分析を行うといった研究もします。
 
・例えば、学生が宿題を忘れたとしましょう。
言訳としては、「忘れてた」、「したけど途中まで」、
「バイトで忙しかった」、「風邪を引いていた」など色々あるでしょうが、
自分の非を認めているのか、「風邪」や「バイト」の責任にしているのか、
を分析することによって、学生の人間性が見え隠れしますね。
 
Q③平野先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
・コミュニケーション学を学び始めた頃、有名な数々の
「スピーチ」について勉強しました。人々は時に暴力的な手段を
使用してまで、他者を説得しようとしますが、
たんなる「ことば」で構成されたスピーチが、時に人々に対して
絶大な影響力を持つことがあるという事実に触れた時、
「ことば」の影響力について学ぼうと思いました。
 
Q④聴き手を説得するための「レトリック」について、
いくつかの具体例をあげて説明お願いします。
 
例えば、目の前にずっと好きだった人がいるとしましょう。
そして、勇気をだして告白するとします。
では、なんという言葉を使いますか?ただ、「好きだ」だけで
十分な説得力がある場合もあるでしょうが、
ちょっと相手が簡単に「うん」って言ってくれないなら、
どのような言葉で説得しますか?「一緒になる運命だ!」って
言う人もいるでしょう。「運命」なのですから、
逆らえないわけですよね。神様が決めたわけですから、
神様を味方につけて、説得しているともいえますね。
または、相手の魅力を山ほどあげて、
そこに惚れたんだとストレートに説得する人もいるでしょう。
なかには、自分は年収がいくらあって、経済的に守ってあげるよ、
なんて言う人もいるかもしれません。
夏目漱石の『それから』という小説の主人公は親友の妻に
告白するとき、「ぼくの存在にはあなたが必要だ。
どうしても必要だ」と言います。あなたがいなければ、
自分が存在することもできないって、すごい告白ですよね。
このように、私たちは時にはロマンチックに、時には現実的に、
時には哲学的に、相手を説得しようとするわけです。
 
日本と例えばアメリカと比較したばあい、
説得にちょっとした違いを見つけることができます。
アメリカは単純に言えばですが、契約社会ですよね。
中には、結婚する時に離婚した時のために、
財産分与を決めたりするカップルもいるようですが、
とにかく、全てを説明し、議論し、文字化するという、
かなり言葉に頼った文化だと言えます。無論、
日本もそのような場合もあるのです。口は災いのもと、
百聞は一見に如かず、論より証拠、といったことわざもあるように、
ああだこうだ議論すると言うよりは、
「1聞いて10分かる」べきだといった、
あまり言葉を信じない文化ですね。私の座右の銘は、
『幸せなら手をたたこう』の歌詞の、「幸せなら態度でしめそうよ」です。
アメリカなら、幸せなら言葉でも態度でもしめそうよ、って感じでしょうか。
 
Q⑤研究以外での趣味などありますか?
 
映画や音楽が好きです。よく映画やコンサートに行きます。
ロックの祭典、フジロックに行くことは巡礼のように大切な行事です。
ちなみに、フジロックはSMASHというプロモーターが
主催しているのですが、SMASHの代表日高正博さんは
熊本県人吉出身で、その事実だけでも熊本に来てよかったなと思います。
 
Q⑥これまでの活動を通じて、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
・実に難問ですね。さて、エピソードではありませんが、
研究を通して出あった御師匠さんたちからの教えの数々が
印象深く残っております。
彼らからは、コミュニケーション学やレトリックだけではなく、
生きざまを学んだような気がします。
すなわち、コミュニケーション例えば、「恋愛の不可能性」や
「赦しの不可能性」を学んだ時は、不可能性を超えるように
生きろと教わりましたし、決して研究対象を妄信・盲信せず、
社会への貢献を念頭に研究に従事するように教わりました。
具体性が全くなく、申し訳ございません。
 
Q⑦今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください。
 
コミュニケーション情報学科では学生が主体となって、
TOEICやIELTSといったテスト対策を中心とした英語の
勉強会を行っています。
この取り組みを高校生にも知ってもらおうではないかということで、
出張勉強会の計画が進んでおります。
興味関心のある高校関係者の方は、連絡していただけると、
詳細を説明させていただきます。
 
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「熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」 王 斗艶先生

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
11月から3ヵ月間、「FMK Morning Glory ヒューマン・ラボ
熊大ラジオ公開授業 知的冒険の旅」と題してお送りします。
 
第1回のゲストは、熊本大学・大学院先導機構
衝撃エネルギー科学分野の王 斗艶 准教授です。
王先生の専門である「パルスパワー」とは
どんな研究なのか詳しく伺いました。
 
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Q①お名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:王 斗艶(おう・とえん)
所属:熊本大学・大学院先導機構・衝撃エネルギー科学分野
 
プロフィール
中国・北京生まれ。1986年来日。
 
1998年 熊本大学工学部電気情報工学科卒業
2000年 熊本大学大学院自然科学研究科博士前期課程電気システム専攻修了
2000年-2002年株式会社日立製作所原子力事業部、設計職
2003年-2005年熊本大学大学院自然科学研究科博士後期課程システム情報科学専攻修了
2005年-2007年熊本大学大学院自然科学研究科、リサーチアソシエイト・COE技術支援者
2007年-2012年熊本大学大学院先導機構、特任助教
2012年-現在熊本大学大学院先導機構、准教授
 
Q②王先生の専門である「パルスパワー」とは、
どんな研究ですか、わかりやすく教えてください。
 
パルスパワーとは、電磁エネルギーを制御することで、
ごく短い一瞬に非常に大きい電力を発生する技術です。
自然界の「雷」は、この代表的な例となります。
例えば、1,000Wのヘアードライヤーを1分間使用した時のエネルギーを、
このパルスパワー技術を使って制御すると、
人間の瞬きの約百万分の一となる1ナノ(10-9)秒の間に、
世界の瞬時発電電力に匹敵するテラ(1012)ワットの大電力を
発生することができます。このように、通常では成し得ない
高エネルギー密度状態を創り出すことが可能なため、
交流や直流の電力では起こり得ない様々な物理現象を
引き起こすことができます。
 
その一つとして、これまで真空中でしか形成できなかった
プラズマを、大気圧・高気圧気体、液体、個体の中で
作り出すことができるようになります。パルスパワー技術は、
様々な産業での応用の可能性を秘めており、
殺菌などに効果があるオゾンの生成、排気ガス・工場排水・
汚染土壌の浄化、コンクリートのリサイクルなど
幅広く研究されています。最近では、生物への応用も
試みられており、殺菌、有害生物の駆除、がん細胞の死滅、
細胞への物質導入、植物の生育制御など、
電気の力が持つ可能性を広げています。
 
Q③王先生がこの研究に取り組むことになった
「きっかけ」のようなものがあれば教えてください。
 
大学生1年生の時に旅行で訪れた中国の揚子江下りで、
綺麗かつ悠久な歴史をもつ大自然に魅せられた一方で、
人々の生活が酷い環境汚染を引き起こしていること
目の当たりにして、大きな衝撃を受けました。
 
将来は環境保全関係の仕事に就きたいと思うようになり、
大学4年生で研究室を決定する際には、迷うことなく、
環境応用の研究を取り入れているパルスパワーの
研究室を選びました。その後いろいろなご縁があり、
現在もこの研究に取り組み続けることができています。
 
Q④最近は「リケジョ」という女性の理系分野の研究者が
注目されていますが、
これから研究者をめざす女性にアドバイスなどありますか?
 
女性、既婚者の人が少ない世界でしたが、
少しずつ増えつつあります。
まずは、理系に来る学生さんが増えることを望んでいます。
実際にやってみたらロジックな考え方が得意な女性も多いです。
小学校や中学校から理系という道もあるということを、
知っておいて頂ければ、と思います。
理系から文系に移ることはありますが逆はあまりないので、
是非、チャレンジして欲しいです。
オープンキャンパスなどで実際に体験してみると
もっと興味もわくかもしれません。
 
Q⑤これまでの活動を通じて、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
学生時代に、所属研究室に訪問滞在していたカナダからの
先生より受けた言葉がとても印象的です。
私は小さい時に中国から来日し、当時の熊本ではまだ珍しかった
子供外国人として、様々な経験をさせて頂きました。
そして、周りの方々にとっても初の試みとなることを
いろいろとして頂きました。日々の生活において、
プラスの意味でもマイナスの意味においても、
自分が外国人であることを意識するようになり、
思い悩むところもあって恐らく自身の行動を
制限するようになっていたと思います。
 
大学院生のときに、所属研究室にカナダのウィンザー大学から
教授の先生が訪問滞在し、
ご縁がありお話をする機会が時々ありました。
ある時、その先生との会話において私は、
「私は日本で育ったためあまり中国のことを知らないけれど、
日本にいるときは必ず外国人扱いをされる。
その一方で中国に帰った時は、どんなに流暢に中国を話しても、
現地では日本人扱いをされる。自分が何なのか良くわからない。」と
話をしたところ、その先生から
「あなたは一人の人間です、外国人でも、日本人でも、
中国人でもなく、自分を一人の人間として考えるべきです。」と
言われました。その一言で「曇り空が一瞬でパーッと晴れた」
ように感じました。そのカナダ人の先生は当該分野において
著名であり年配な方ですが、相手側のどんな小さな話にも
真剣に向き合って下さり、学生がつたない英語で表現した
言葉にも懇切丁寧に答えてくださる人間性が素晴らしい方でした。
 
先ほどの私との会話においても、先生としてはごく普通に考えを
述べただけなのかもしれませんが、
当時自身の境遇をどの様な立ち位置においてよいのか
わからなかった私にとっては、人生を変えるほどの大助言でした。
それ以来、私は自分が経験してきたことを堂々と
語れるようになりましたし、自分が外国人であるということを
あまり気にしなくなりました。
自身の意思では選べない「境遇」よりも、自らが考えて行動する
「その後の人生」の方が大事であることを考えさせくれる言葉でした。
 
Q⑥今後の活動予定やPRしたいことなどあれば教えてください
 
自分の研究内容が、少しでも世の中に役立つように、
引き続き応用研究に力を入れたいです。
まず、汚染物質の処理、有害生物の駆除、
有用物質のリサイクルなどに加え、細胞や生体を扱った
研究も進めていきます。
 
最近では、植物工場で栽培する野菜へパルスパワー技術を
応用することで、その成長を促進させる研究を続けており、
天候や立地条件に左右されない無農薬栽培野菜を、
よりお手頃な価格で消費者へ届けられることを目指しています。
また、自身の研究内容が実際の技術となって世の中に役立つよう、
企業あるいは民間とのつながりを広げていきたいと
考えております。最後に、研究活動あるいは教育を通して、
日中交流の役に立つことがあれば、積極的に活動を
行っていきたいです。
 
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アート系クラフトの小さなお店 UMU

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
熊本市中央区南坪井にあります、
「アート系クラフトの小さなお店 UMU(う~む)」
矢上 智世子さんにお話を伺いました。

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Q① ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:矢上智世子(ふりがな)やがみさよこ
所属:アート系クラフトの小さなお店UMU(う~む)
ホームページ、ブログなど:

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Q②「UMU」についての基本情報を教えて下さい。
 
アート系クラフトの小さなお店UMU(う~む)
郵便番号860-0848熊本市中央区南坪井町1-17
通称上乃裏通り沿いの木造2階建て建物の1階店舗面積16.52㎡、
10畳ほどの小さなお店です。
営業時間…午前11時~午後9時(定休日・火曜日)
問い合わせ先…電話096-221-9326
 
Q③「UMU」とはどんなコンセプトのお店ですか?
 
“かわいい”“おもしろい”“とびぬけている”
“これまでにない世界観を感じる”
“思わず人に伝えたくなる”という、障がいのある
作家さんの作品を展示・販売している
アート系クラフトを扱う小さなお店です。
ただ、店の外にも店内にも「障がいのある方々の作品」
ということはいっさいうたっておりません。
障がいという枠を取り払ったところで、
作品を見ていただき、気に入ればご購入いただければと
思っています。
ちなみに、「UMU」とは、障がいの有無に関係なく、
素敵な作品をうむ、作品を手にとって素晴らしいと
納得するう~む…いろんなうむを表わしました。
 
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Q④「UMU」がスタートしたきっかけなどあればお願いします。
 
障がいのある方々がたずさわっておられる作品には、
素敵なものがたくさんあります。
ただ、自分もそうでしたが、それらをどこで
購入すればよいのかわからない人もたくさん
いらっしゃると思います。
また、販売してあるところをみつけても、
店の隅っこに「障がい者作品」としてまとめて
売られているケースも少なくないと感じていました。
魅力的な作品がたくさんあることをいろんな人に
知っていただきたいし、作品一つひとつにていねいに
光をあてて販売すればもっと売れるのでは
ないかという思いから、アンテナショップを
開きたいと思っていました。
そんなときに、緊急雇用の一環として熊本市さんが
出されたメニューの中に
「障がい者の情報発信と販売促進」というのがあったので、
手を挙げさせていただきました。
12月までは熊本市の委託事業として運営しています。
 
Q⑤ 現在、どんな商品を置いていますか?
具体的にいくつかご紹介ください。
 
県内外の福祉事業所22施設の作品と
障がいのあるアーティストさん3人の作品を
扱っております。大分類では、絵画、切り絵、
折り葉、木工製品、竹細工、陶器、ステンドグラス、
ぬの製品、焼き菓子など。
 
中分類としては時計、カトラリー、食器、
ステーショナリー、Tシャツ、テキスタイルのポーチ、
ストール、バッグ。缶バッジ、ポストカード。
クッキー、ジャムなど、150円のものから
何万円というものまであります。
 
商品はただ単に展示・販売するのではなく、
どのようにして出来上がったか、
どんな人が作っているのか、こんな使い方があるなど、
作品の背景にあるストーリーを
お伝えするように心がけています。
現在、販売個数が最も多いのは、
熊本名物「からし蓮根箸置」(山鹿市愛隣館300円税別)。
陶器の箸置で、からし蓮根の穴の1つが
“はーと型”になっているのがかわいいと人気です。
次に売れ筋なのが箸(熊本市第二ぎんなん作業所200円~)。
熊本県産の竹を伐採するところから
最後の磨き上げまですべて手作業。
「子ども箸」「普通箸」「取り箸」「細箸」と種類も
豊富なので、好みの長さ大きさの箸に出会えると思います。
また、第二ぎんなん作業所さんの「カレースプーン」は、
昨年の熊本市障がい者作品コンクールでグランプリを受賞。
丁寧に仕上げられているので、
口当たりもやさしい優れものです。
ぬの製品では、「納豆ポーチ」が人気です。
まさかの納豆のイラストで、
納豆の横には「辛子」「タレ」も描かれています。
 
●からし蓮根箸置
c.png
 
●肥後の竹(カレースプーン)
 
d.jpg
 
●納豆ポーチ
 
e_new.png
 
UMUはアンテナショップですので、
作品を販売するたけではなく、情報の受発信ということも考え、
小さなお店ではありますが、
店内の中央に大きなテーブルと椅子をおいています。
お時間のあるお客様または納品等にいらっしゃる事業所の方、
当事者の方々などが、気軽におしゃべりして
いただけるようなスペースをもうけております。
そんな中でいただいた情報は、消費者向けだけでなく、
福祉事業所向けに商品開発情報や
マーケティング情報をお伝えしています。
 
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Q⑥ 活動の上で苦労している点などあればお願いします。
 
例えばお客様から「これと同じものがあと2つほしい」と
言われた場合に、次の2つをいつまでに入手できるという
お約束ができにくいのが現状です。
例えば、最近気分がふさぎ作業ができにくい状況に
ある方に無理矢理やっていただくというのも
どうかということです。一方で、ビジネスとして
考える場合はどうなのか。その辺りの問題を補うためにも、
どんな人がどんなふうに作っておられるという話をすると、
比較的おおらかに待っていただけるようです。
狭い店なので、取扱作品はセレクトさせていただいています。
焼き菓子については「常温で30日程度の保存がきくもの」と
明確な基準を設けていますが、その他については
自分たちがほしいと思うか、店の雰囲気に合っているかで
選ばせてもらっています。
決して、商品の良し悪しではないということを
お伝えすること。また、取扱商品については
お客様の声を作成者や事業所さんに
お返しするようにしています。
厳しいご指摘をいただくこともあるので、
お伝えするのが辛いときもあります。
一生懸命作っておられる商品だからこそ、売れる物、
お客様に喜んでいただけるものを作らないといけないと思い、
言いにくいこともお伝えするようにしています。
 
Q⑦ これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
最近数ヶ月、家に引きこもりがちだったという
お子さんを連れて来られたお母様の話です。
お子さんは絵を描くのが好きで描きためたものを
お持ちでした。お母様が何かでUMUのことをお知りになり、
お子さんに「UMUに持って行ってみようか」と
誘ったところ、最初はあいまいな返事だったそうです。
数日後、再度、お母様が「行ってみる?」と
たずねられると「行く」ということで
お二人でご来店いただきました。
お母さんが「UMUに作品を置いてもらえるかも
しれないということで、少しだけ外に
目を向けてくれたようです」とおっしゃったときは
とてもうれしかったです。
 
Q⑧ 関連のイベントなどが予定されていたら、教えてください。
 
【店内】
11月からカレンダーフェアを開催予定。
全国の福祉事業所の作品の中からセレクトした
カレンダーを販売します。
また、熊本市の交流都市エクスアンプロヴァンス市がある
フランスの福祉施設から取り寄せた作品も展示します。
陶器のアクセサリー、ポーチ、エプロン、
ぬいぐるみなどがあります。
 
【冊子発行】
11月中旬発行予定。
UMU取扱作品や11月に行われる
「熊本市障がい者作品コンクール」の受賞商品、
同コンクールの様子などを掲載。無料。
 
 
Q⑨ 今後の夢、目標などあればお願いします。
 
究極の目標は、障がい者の社会参加と工賃アップです。
ですが、そこまでの道のりはとてもとても長いので、
その始めの半歩にでもなるように、店舗に
ディスプレイしている作品をみて創作意欲を高めて
いただいたり、売れる喜びを味わっていただけたら
いいなと思っています。
そのために、企業さんとのコラボを強く願っています。
例えば、コンビニに並んでいるようなメジャーな
商品のラベルに、障がいのある方が描いた
イラストなどが使われていたら、
その人も家族もまわりの人も自信になると思います。
目標に近づくために、人と人、施設と施設、施設と企業など、
いろんな出会いを生む空間づくりを目指しています。
 
Q⑩ 熊本県民にPRしたいこと、
今後の活動予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
企業のみなさん、ノベルティ商品にもお応えします。
新製品の共同開発もご相談ください。
福祉事業所のみなさん、作品の販売拠点としてご活用ください。
製品の改良、開発もご相談ください。
学生さん、ボランティアさん、消費者のみなさん、
作品の背景にも目を向けてお買い物を楽しんでください。
いっしょに知恵を出し合い、ものづくりを応援しませんか。
当店では、素敵な作品を常時、探しております。
素敵な作品を作っていらっしゃる福祉事業所、
またはそういう人をご存じの方、
お気軽に情報をお寄せください。

■番組内でご紹介した作品
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「水道町324」

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
個人事業主や起業家のためのシェアオフィスおよびビジネスシェアの場
「水道町324」を手掛ける河野恭一郎さんにお話を伺いました。
 
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Q①ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:河野恭一郎
(ふりがな)かわのきょういちろう
 
所属:有限会社河野不動産商事
 
プロフィール:
1979年9月4日生まれ。35歳男
熊本県立熊本西高等学校卒業後、カナダ、
ブリティッシュコロンビア州、ビクトリア市
CamosunCollegeへ進学。ESL学科を経て、FineArt学科を専攻。
全体で約3年間カナダで過CamosunCollege中退。帰国。
その後、約1年半フリーターで、複数のアルバイトを経て、
2ヶ月のEurope一人旅。帰国後、福岡市南区の不動産会社へ
就職。1年半ほど勤務。退社後、帰熊。2004年5月より、
現(有)河野不動産商事に勤務。現在に至る。
 
ホームページ、ブログなど:
会社WebSite:http;//www.kawano-re.com
 
Q②「水道町324」についての基本情報を教えて下さい。
 
コワーキングスペース水道町324
 
所在地:熊本市中央区水道町3-24岡部ビル4F
問い合わせ先:有限会社河野不動産商事
電話番号 : 096-352-0026
 
会員制オープンスペース事務所24時間利用可
 
 
Q③「水道町324」とは?
 
人口70万の政令指定都市となった熊本市の中心部において、
商業エリアに最も近いオフィス街として認知度の高い
『水道町』にあるコワーキングスペースです。
国道に面し、熊本市最大の商店街アーケードまでも
徒歩数分の立地と、窓から見える日本3名城『熊本城』や
四季を楽しませてくれる緑豊かな街路樹が魅力の場所。
築40年を越え、ここ数年空き室だったオフィスビルを
リノベーションして、若い事業者の新しい仕事場として再生した、
コミュニティ拠点としても注目されています。
 
Co-WorkingSpaceとは
お仕事や自己を高める学習など、利用者それぞれが
オープンスペースの空間を共有しながら、
各々の事業の拠点として活用出来る会員制オフィスです。
利用者間で気軽にコミュニケーション取れる事から、
各分野のプロ同士として情報交換出来たり、
顧客ニーズに幅広く応える為、会員同士で一緒に
事業やサービス立ち上げるなど、
発展性の高い事業者の為の仕事場です。
 
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Q④「水道町324」がスタートしたきっかけなどあればお願いします。
 
昨年の3月に北九州市の小倉で開催された、
「リノベーションスクール」に参加する機会がありました。
4日間で与えられた現場(不動産)の利活用方法について、
チームで考え、実際に事業プランを練り上げ、
最終日には不動産所有者や関係者の前でプレゼンまで行う、
不動産利活用の為の研修キャンプの様なプログラムです。
こちらに参加させて頂いた事をキッカケに、
不動産のリノベーション事業への興味が増し、
その後熊本の熊本城東マネジメント株式会社がスタートした
中心市街地活性化事業、「Seedmarket」においても
運営スタッフとして携わる事となりました。
Seedmarketの運営を通し、次のステップとして
遊休不動産を利用しての、新しい事業者向けの現場つくりに
ついて考える様になりました。ちょうど弊社で
お預かり(管理)させて貰ってました岡部ビルさんで、
新しい使い手の為の空間利用を提供する為に
事業計画するチャンスを頂き、
コワーキングスペースの計画スタートしました。
 
Q⑤現在、どんなオフィス(事業者!?)が活動していますか?
 
現在の水道町324の会員は、Webデザイナー、
内装設計・施工業者、シェアハウス事業者、
街づくり会社など5会員に利用いただいております。
Web関係の事業者が複数いらっしゃる事で、
仕事の内容に合わせて、お互い相談し合ったり
一人では受けきれない大きな案件依頼がきた際には、
業務提携をそれぞれ行い、役割分担する
事で、新しい仕事の獲得や顧客の拡大を
会員同士で協働で行っている様です。
また、異業種間での情報交換がその場でスムーズに
行う事が出来るため、お互いプロフェッショナルとしての
情報を気軽に交換出来る楽しさやメリットがある様です。
 
Q⑥活動の上で苦労している点などあればお願いします。
 
まず、今回のこの事業は築40年を越えるオフィスビルの
リノベーションプランニングから始まりました。
既存の設備や内装、ある意味その「古さ」を魅力と捉え、
ただ単にお金を掛けて、全てを新調する事ではなく、
現状をどうやって活かして、新しい場所に
リノベートしていくか!?という事に頭を捻りました。
予算も多くはありませんでしたので、
プロに依頼しなければならない仕事以外は、
出来る限り自分たちの手で工事や段取りを行いました。
 
特に塗装工事は、会社のスタッフ始め、
有志のメンバーで朝・昼・夜・深夜問わず、交代で、
ある意味楽しみながら、進めていきました。
みんなペンキだらけになりながら。
また、作り上げてから、会員募集するのではなく、
まだ工事が始まらないうちから会員募集を始め、
ユーザーを探すことにも苦労しました。
コワーキングという働き方自体がまだ熊本では
聞きなれない事ですので、このサービスを理解いただく為の
説明からスタートしなければなりませんでした。
今でもそうですが。実際に使ってみないと
分からないみたいなところがあるのかもしれません。
シェアオフィスとコワーキングスペースの違いなど、
利用メリットを想像・理解頂く為に、プレゼンを頑張りました。
 
Q⑦これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
新しい事を始めると、どうしても様々なことで悩んでしまって、
前に進めなくなったり、判断が鈍ったりする事があります。
今回のこの事業も、弊社にとって、私自身にとっても
初めての事ばかりでしたので、たくさん悩みました。
ただ、多くの方々が時間や労力を省みず手伝って下さったり、
応援して下さったお陰で、常に前向きに事業企画を
進めてくることが出来ました。
7月にお披露目の意も込め、オープニングイベントも
開催しましたが、想像以上にたくさんの方が来場下さり、
水道町324について興味を持って下さいました。
活動を通して、沢山の方にお世話になりましたし、
ステキな方々と新たに出会えた事が印象的です。
また、この事業をスタートさせる時に、
いち早く会員希望者として手を挙げてくれた
現会員メンバーにも感謝しています。
仲間を得た喜びは、とても心強く、
様々な苦労も乗り越えられる力となりました。
 
Q⑧関連のイベントなどを開催されていたら、教えてください。
 
水道町324では、定期的に説明会を行っております。
11月は、5日(水)に実施予定です。ご興味がある方は、
是非ご参加下さい。詳しくは、弊社までご連絡をお願い致します。
また同ビルでは、一般の方にもご利用出来る
レンタルスペースも運営しております。
会議やセミナー、勉強会、ギャラリー、
ワークショップイベント、パーティや音楽イベントなど、
様々な用途にご利用いただけます。
お気軽にお問合せ下さい。
 
Q⑨今後の夢、目標などあればお願いします。
 
人口減少により、既存建築の再利用が見直されてきています。
熊本の街にも、古いながらも魅力的な建物が多くあり、
使い手が少なくなってしまい、遊休不動産として
眠っている空間が沢山あります。
それらを、現代のニーズに合わせてリノベートして、
若い世代やこれから熊本の街で事業を行いたい方々へ
繋いでいく手助けが出来たらと思います。
たくさんの方が魅力に感じ、楽しく働ける場所として、
熊本の街が常に活気のある場所であって欲しいですね。
水道町324は、これからの若い事業者や
ベンチャービジネス事業者にとって、それぞれの活躍の場
として利用頂きたいですし、そういった方々の
情報の発信地でもあって欲しいと思います。
また、岡部ビルの様な不動産の利活用を今後も出来る限り、
展開していきたいと考えています。
 
今日は個人事業主や起業家のためのシェアオフィスおよび
ビジネスシェアの場「水道町324」を手掛ける
河野恭一郎さんにお話を伺いました。
 
ありがとうございました。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「防犯若武者ベアーズ」

あらゆるジャンルの“注目の人”にインタビューする「ヒューマン・ラボ」。
大学生等による警察庁指定の防犯ボランティア団体
「防犯若武者ベアーズ」城野衣里加さん久保雅彦さん
お話を伺いました。
 
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① ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前 : 城野 衣里加
所属 : 防犯若武者ベアーズ
プロフィール : 
防犯若武者ベアーズの代表者。尚絅大学(楡木キャンパス)4年生。
防犯若武者ベアーズの活動は4年目になります。
 
名前 : 久保 雅彦
所属 : 防犯若武者ベアーズ
プロフィール :
防犯若武者ベアーズ熊本県立大学の代表者、熊本県立大学3年生。
防犯若武者ベアーズの活動は2年目になります。
また、県警少年課が行っている少年サポーターとして非行少年の
立ち直り支援活動等も行っています。
 
②「防犯若武者ベアーズ」の情報を教えて下さい。
 
正式名称 : 警視庁指定「防犯若武者ベアーズ」
 
所在地 : 熊本市中央区水前寺6丁目18番1号
熊本県警察本部生活安全企画課 犯罪抑止対策室
問い合わせ先 : 熊本県警察本部生活安全企画課 犯罪抑止対策室
電話番号 : 096-381-0110 (内線:3054)担当:平田
 
防犯若武者ベアーズの紹介 :
熊本県警察ホームページ→安全な暮らし→防犯ボランティア関係
→大学生等防犯ボランティア団体「防犯若武者ベアーズ」の隊員を
募集中に紹介しています。
 
③「防犯若武者ベアーズ」が作られたきっかけをお願いします。
 
防犯ボランティアは、団体数、構成員とも増加しているものの、
平均年齢60歳以上の団体が全体の約6割となっているのに対し、
20歳代以下の団体は全体の全体の1%にも満たないなど、
防犯ボランティアの高齢化や固定化が自主防犯活動を引き続き
活性化させていく上で大きな課題となっています。
 
この課題に対応する為、自主防犯活動への参加意欲のある若い世代の
参加者を募集、支援を行い、若い世代の自主防犯活動への参加促進と
活動を通じた若年層の規範意識及び、防犯意識の向上を図り、
自主防犯活動の一層の活性化と定着化を促進するため、
平成22年9月に発足したものです。
 
④「防犯若武者ベアーズ」の活動を具体的に教えて下さい。
 
月に1~2回程度活動を行います。主な活動内容は、
 
●繁華街パトロール
下通りなどの繁華街を地元防犯ボランティア団体
「熊本市防犯モデル市区推進委員会」等と一緒に、
繁華街パトロールを行っています。
また、パトロールと合わせて、違反看板の撤去、ゴミ拾いなどの
環境美化活動、アーケード内を自転車で走っている人へ注意する
モラルアップ活動をしています。
 
●各種キャンペーン
4月の新入学時期に合わせた子どもを犯罪から守る為の
キャンペーンや自転車盗難防止のため、鍵かけを呼びかける
6月9日(ロックの日)のキャンペーンなど、
県民の方が被害に遭わない様にその時期に応じて各種キャンペーンを
上通りびぷれす前広場、うまかなよかなスタジアム等で行っています。
 
また、8月13日、旧下通りダイエー前において、振り込め詐欺防止
キャンペーンを実施した際は、ご当地アイドル
「くまCan(熊本活性化アイドル)」
「KUMAMOTO CLEAR'S(お掃除ユニット)」
と、一緒に行っています。
 
●落書き消し環境美化活動
クリーンな街では犯罪が起きにくい「割れ窓理論」を元に、
電柱、壁などに書かれている落書き消し活動を毎年行っています。
今年は10月11日に行いました。
 
●振り込め詐欺寸劇
熊本県を始め全国で振り込め詐欺等が増加し、その中で、
高齢者の被害の割合が多いことから、高齢者の会合等の
場において、振り込め詐欺等の寸劇を行い、その手口等を
身近に感じてもらい、被害に遭わない様な取り組みを行っています。
 
●車両防犯診断
自転車が盗まれる原因として、施錠をしておらずに盗まれることから
無施錠の自転車に防犯シールを貼付して注意を促しています。
 
⑤活動していく上で苦労している点などがあればお願いします。
 
●大学生が中心であることから、授業以外の時間帯。
休日の活動に限られます。
 
●「無理をせず、参加出来る時に参加する」をモットーにしている
ため、活動を計画する際に何人参加してくれるか不安です。
 
⑥これまでの活動の中で、最も印象深いエピソードをお願いします。
 
振り込め詐欺寸劇において、事前の練習が出来ず、
寸劇当日、配役を決め台詞などを1時間練習しただけで、
無事に約300人の観衆の前で寸劇をしたことです。
 
⑦「防犯若武者ベアーズ」では、隊員を募集中とのことですが、
どんな形で参加出来ますか?方法など具体的にお願いします。
 
隊員参加資格者は、防犯活動に関心があり、
活動への参加を希望される
 
・熊本県内の大学に在籍する又は県内に居住する大学生等
・熊本県内に勤務又は居住する16歳以上30歳未満の人
 
です。
 
参加申し込みは、県警ホームページに掲載している応募用紙に
必要事項を記載して、
 
ア 郵送する
(郵送先) 熊本市中央区水前寺6丁目18番1号
警察本部生活安全企画課宛て
 
イ FAXする
(FAX番号) 096-385-1110
 
ウ 熊本市内の場合は、警察本部生活安全企画課
又は近くの警察署生活安全課へ持参する
 
エ 電話での申し込みの場合は、応募用紙を送付しますので、
返信していただく方法があります。
 
活動の連絡等は、携帯電話等へメールして
参加を呼びかけています。
 
⑧今後の夢、目標などあればお願いします。
 
8月末現在、63人(8大学、2高校、1専門学校、社会人)で
構成されています。その殆どが大学生であるため、
各大学ごとに防犯ボランティアを立ち上げ、独自の活動を
行うとともに警察と連携した活動を行い、大学生等の
規範意識及び防犯意識の向上が図れればと思います。
 
⑨熊本県にPRしたいこと、今後の活動予定、
お知らせなどあれば教えて下さい。
 
●「犯罪のない明るい熊本」を目指して頑張っています。
ちょっとした心掛け、鍵かけで犯罪に遭わないように
なりますので、県民の皆様のご協力をお願いします。
 
●今後の活動予定は、10月11日(土)午前中に、
上通りなどの繁華街一帯において、
落書き消し活動、12月19日(金)午後4時から
下通りアーケード街での繁華街パレードへ参加する予定です。
 
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