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キネマのススメ

「ベイマックス」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
12月20日土曜日から公開される「ベイマックス」です。
 
この映画は、ディズニー・アニメ・スタジオの最新作。
今年、「アナと雪の女王」が大ヒット。
映画というより、一種の社会現象とまでなった「アナ雪」に続いて、
公開される注目作。
白い雪だるまのようなロボット・ベイマックスが
メディアでもよく紹介されていますよね。
 
そのストーリーですが・・・、主人公は14歳の少年ヒロ。
天才的な科学の才能を持っていて、
技術分野最先端の頭脳が集まる都市・
サンフランソーキョーに住んでいます。
彼はある日、最高の理解者である兄を事故で失ってしまいます。
心を閉ざし、悲しみに暮れるヒロの前に現れたのが、
タダシが開発した介護ロボット・ベイマックスでした。
ベイマックスの優しさに触れ、元気を取り戻したヒロは、
タダシの死の真相を調べていくうち、
事故の裏に隠された恐るべき陰謀に気づきます!
 
実はこのベイマックスは、マーベルコミックの
「ビッグ・ヒーロー・シックス」という
アメコミが原案になっています。
“ヒーローのマーベル”らしく、もともとは
6人の日本人のヒーローが日本を舞台に戦う
というものだったんですが、映画化にあたって設定を大きく変更。
ドラゴン風の顔だったベイマックスも、
日本の鈴と炊飯器にヒントを得た
大きくて丸っこくてふわふわした、
よちよち歩きの可愛い介護ロボットに大変身!
またストーリーも、大切な存在を失った悲しみと再生を
テーマに置き、より多くの人が共感できるものになりました。
 
とにかく見所満載の映画でして、予告編は、
ほんの一部分しか見せていないところが、
ディズニーの自信の表れと言えそうです。
とにかく本編は盛りだくさんなんです。
 
一時期、作品の人気・質ともに
低迷がささやかれたディズニー・アニメ・スタジオですが、
2006年にピクサーのジョン・ラセターが
チーフ・クリエイティブ・オフィサーに
就任して以降、「塔の上のラプンツェル」や「アナと雪の女王」などの
大ヒット作を生み出し、快進撃を続けています。
そのもっとも大きな原動力とされるのが、練りに練ったストーリー構成。
このベイマックスも数多くのスタッフの目に触れ、
数年をかけてストーリーが作られているんですね。
 
今回の舞台は、「東京」と「サンフランシスコ」を合わせた
「サンフランソウキョー」という架空の都市にしてあるんですが、
かなりいろいろ日本のアニメ風のモチーフが登場してきます。
それもそのはず、プロデューサーのジョン・ラセターは、
スタジオ・ジブリの宮崎駿監督を師匠として尊敬しているんですね。
映画中盤にカーチェイスのシーンがあるんですが、
これはもうあの「ルパン三世カリオストロの城」冒頭の
カーチェイスシーンのバージョンアップ版といえる感じです。
 
現在のディズニーのクオリティを改めて感じる1作。
可愛くて優しいベイマックスに、ほっこり癒されてください♪
 
今日ご紹介した映画「ベイマックス」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今月末、12月20日土曜日から公開されます。
 
お正月映画としてぴったりの1本です。
家族そろって観るもよし、デートで観るもよし、
どんな人が観ても楽しめるエンターテインメントの傑作です。
映画のエンドタイトルの後にも、
お楽しみのシーンがありますので、途中で劇場を出ないで、
最後まで観てください。
是非、たくさんの人に観てほしいですね。
 
以上「キネマのススメ」でした。
 
「ベイマックス」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「フューリー」

「FMK Morning Glory」
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「フューリー」です。
 
この映画は、ブラッド・ピットが主演・製作総指揮を担当した、
話題の戦争映画です。
タイトルの「フューリー」というのは、主人公たちが
乗り込む戦車のニックネームで、“激しい怒り”という意味です。
ブラッド・ピットは俳優しても人気ですが、
プロデューサーとしても有能な人物で、これまでも、
今年のアカデミー賞を受賞した「それでも夜(よ)は明ける」や
「ワールド・ウォーZ」や「キック・アス」など30本以上の作品の
プロデュースをつとめ、ヒットを連発しています。
 
そんなブラッド・ピット主演の最新作がこの「フューリー」なんです。
 
舞台は、第二次世界大戦末期の1945年4月。
ナチスドイツが陥落し、ヨーロッパ戦線が終結する1か月前の
ある1日の出来事を描いています。
ブラッド・ピットが演じるのは、ウォーダディー(war daddy)と呼ばれる、
シャーマン戦車隊の部隊長。
この部隊に欠員の穴埋めとして、
ノーマンという若い新人の兵士が配属されます。
わずかな訓練しか受けていないノーマンは、
突然送り込まれた戦場という過酷な状況に戸惑いながら、
仲間との親交を深めていきますが
進軍中にドイツ軍の攻撃を受けて、他の部隊がほぼ全滅。
なんとか生き残ったウォーダディーの部隊は、
たった5人で300人のドイツ軍部隊と渡り合うことになります!
 
この作品でいま一番の話題になっているのが、
撮影に本物の戦車が使われていること。
特に、ミリタリー・マニアにとても人気の高い、
ドイツ軍のティーガー戦車の本物が
劇中で活躍することが大きな売りになっています。
いまでは伝説化しているティーガー戦車は、
飛行機を打ち落とすほどの威力の88ミリの対空砲を備え、
装甲も10センチと当時としては驚くほど厚いボディ。
2キロ先のアメリカ軍のシャーマン戦車を一撃で
破壊するほどの高性能を誇った当時世界最高峰の戦車でした。
この高性能戦車と対戦するため、米軍は物量で対抗。
1台のティーガー戦車に対して、
複数のシャーマン戦車で対抗する作戦をとります。
それは、何台かの味方は破壊されることを想定した上で、
敵を倒すという非情な物量作戦でした。
 
「フューリー」に登場するティーガー戦車は、
イギリスのボービントン戦車博物館に収蔵されていた実物で、
現在残っている6台のうち、唯一走行可能なものを使用しています。
これまでの戦争映画で登場したティーガー戦車は、
主にソ連製の戦車を改造してティーガーに
見せたかけたものが多かったらしいです。
あの細部にこだわりぬいて」第二世界大戦を再現した
スピルバーグの超大作「プライベート・ライアン」でさえ、
戦車に関しては妥協するしかなかったということで、
今回の「フューリー」におけるホンモノのティーガー戦車の登場が、
いかに大変なことかということがお分かりいただけるかと思います。
 
監督・脚本を担当したデビッド・エアーは、
なんと海軍出身者。精神的にも肉体的にも
追い詰められた兵士達の過酷な状況を表現するため、
撮影前に俳優たちにトレーニング期間を設けただけでなく、
戦車の中での寝泊まりや野宿も経験させたそうです。
戦車を「我が家」として暮らす戦場の男たちのリアリティが
圧倒的映像で描かれています。
たった一日の物語なのですが、彼らが潜り抜けてきた
修羅場を観客が感じられるような「男の絆」が感じられる映画です。
 
今までの戦争映画のような英雄的な物語ではない、
戦争のリアルな状況を徹底的に追求し、
戦争の異常さ、愚かさを描き出した作品。
これまでのアメリカ映画では描かれてこなかった
「残酷な戦争の真実」が描かれています。
そのためアメリカでこの映画が公開された
衝撃はかなりものがあったようです。
来年発表されるアカデミー賞でも有力候補作品として
ノミネートされる可能性の高い力作です。
 
今日ご紹介した映画「フューリー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「フューリー」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「マダム・マロリーと魔法のスパイス」

 

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています、
「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介するのは、今度土曜日・11月29日から公開される
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」です。
 
この作品は、「フランス」と「インド」。
一見まったく違う感じの二つの国が出会う映画です。
 
まず、フランス。
今から20年ほど前、大ベストセラーとなった
「南仏プロヴァンスの12か月」という本をご存知でしょうか?
ハーブが香る豊かな自然と、そこで生まれるワインやおいしい料理、
素朴な住人たちの中でゆったりと暮らす日々を綴ったエッセイ。
この本をきっかけに、南フランスは世界中から憧れを集めるようになりました。
南仏の風景を美しく撮った数々の映画も製作されました。
 
一方、インドです。
人口世界第2位の巨大国家インド。
経済発展も著しいインドは、実は映画の製作本数でも
世界有数の映画国家なのですが、
カレーが世界中で愛されてるのに比べ、インド映画は、
なかなか他の国で観られることが少ないマイナーなジャンルでした。
ところが、90年代に「ムトゥ 踊るマハラジャ」がヒットしたあたりから
次第にインド映画が注目されるようになります。
「スラムドッグ$ミリオネア」がアカデミー賞作品賞を受賞して、
グッとインドが近い国になった感じがあります。
今年は、踊らないインド映画「めぐり逢わせのお弁当」という
素晴らしい映画が公開され、グッとインドブームが盛り上がっています。
 
そんな二つの国が出会ったら・・・・・というのがこの映画なんです。
こんな南フランスに、突然インド人の家族がやってきたら・・・?
インドmeetsフランス・・・・・・。
カレーVSフランス料理・・・・・・。
という映画が、今日ご紹介する「マダム・マロリーと魔法のスパイス」です。
 
母国インドで悲しい出来事があり、それを振り払うために
ヨーロッパに渡ったインド料理店の一家。
この、インドからやってきた家族は、南フランスの小さな田舎町に
「メゾン・ムンバイ」という派手なインド料理店をオープンします。
なんとそこは、ミシュランの1つ星を持つ
老舗のフレンチレストランの真向かい!
フレンチレストランのオーナー、マダム・マロリーは、
何もかも対照的なこのインド料理店に敵意を燃やし、
食材やお客をめぐって2軒のレストランは衝突を繰り返します。
この状況に困ってしまったのが、「メゾン・ムンバイ」の息子・ハッサン。
彼は、マダムの店の副料理長・マルグリットに思いを寄せていたのです。
事態を良くしようと、ハッサンは料理を持ってマダムに食べてもらおうと、
会いに行くのですが・・・。
果たして、生まれも文化的背景もまったく違った二つのお店は
分かり合うことができるのでしょうか?
 
マダム・マロリーを演じるのは、
「クイーン」でオスカーに輝いた名女優ヘレン・ミレン。
ドラマの展開によって、次第に心を開いていく姿を、
さすがの演技で魅せています。
インド料理店の主人には、250本以上の出演作を持つ
インド映画のベテラン、オム・プリ。
監督は、「ギルバート・グレイプ」「サイダーハウス・ルール」で知られる
名匠ラッセ・ハルストレム。
ハルストレム監督の作品にチョコレートを通じて、
仲たがいしていた「ある村」の人々が心を通わせていく
「ショコラ」という映画があります。ジョニー・デップの
代表先としても有名な作品なんですが、
この「マダム・マロリー」は、まさに「ショコラ」のインド版という
雰囲気の作品です。
フランスとインドという全く違う文化が、料理によって近づき、
理解しあっていく様子を、繊細に描き出しています。
実に後味のよい映画に仕上がっているので、
スタッフの名前を見てみたら、プロデューサーは、
あのスティーブン・スピルバーグ監督でした。
「なるほど!」という感じです。「未知との遭遇」や
「ET」では宇宙人との心の交流を描いた監督です。
この映画の基本のところもそれらの映画と通じているような気がします。
 
それから、なんといっても釘付けになってしまうのが、
物語を彩る料理の数々!
観ながらお腹がすいてくるのは間違いなし。
映画のサイトには、料理のレシピも紹介されていますので、
観て、作って、味わって、何度も楽しめる映画ですよ!
 
今日ご紹介した映画「マダム・マロリーと魔法のスパイス」は、
■Denkikan
で、今週土曜日・11月29日から公開されます。
 
「マダム・マロリーと魔法のスパイス」オフィシャルサイト 
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「光の音色 -THE BACK HORN Film-」

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・11月22日から公開される
「光の音色 –THE BACK HORN Film-」です。
 
メッセージ性の高い歌詞と骨太のサウンドで、日本のロックシーンに
独自の存在感を築いているバンド、「THE BACK HORN」。
そのオリジナリティあふれる曲の世界観から
クリエイターに注目されることが多く、
これまでも黒澤清監督の映画「アカルイミライ」や、
紀里谷和明監督の映画「CASSHERN」、
「機動戦士ガンダム 00」など
数々の映画やアニメとコラボレーションしています。
メンバー4人のうち3人が映像系の専門学校出身ということで、
これまでも映像作品には
こだわりを見せてきたロックバンドです。
 
今回ご紹介する映画「光の音色 –THE BACK HORN Film-」では、
ついに彼ら自身が映画のメインテーマとなり、
スクリーンデビューしています。
 
「ノン子36歳(家事手伝い)」や「海炭市叙景」などの作品で
今、最も注目を浴びる映画監督・熊切和嘉がメガホンを取りました。
熊切監督と言えば、禁断の愛を描いた前作「私の男」が
モスクワ国際映画祭で最優秀作品賞を受賞したばかり。
まさに今油の乗った監督とミュージシャンの
コラボレーションによって全く新しい映画が誕生しました。
 
映画は、THE BACK HORNのスタジオライブのパートと、
ドラマのパートで構成。
ドラマの部分は、ロシアのウラジオストックで現地の俳優を起用して
撮影された、オリジナルのストーリーです。
主人公は、1人の老人。
彼は亡くなった妻を埋葬するためにシャベルで穴を掘りますが、
埋めることができず、手作りの車に乗せて旅に出ます。
旅の途中で様々な思い出が交錯する老人。
彼の旅はいったいどこに辿り着くのでしょうか?
 
このドラマのパートにはセリフがなく、音も必要最小限しか入っていない、
ほとんど無音の世界。
まるでロシアの映画を観ているような感覚になる無国籍感です。
一方、THE BACK HORN のライブシーンは、
不思議な照明に彩られた独特の映像に仕上がっています。
旅する老人の言葉や感情、
思い出をTHE BACK HORNのライブシーンが現していく、
とても斬新な演出になっています。
ファンの方なら、この場面でこの曲が!という楽しみもありますし、
バンドに詳しくない方は、ドラマのストーリーと曲が合わさって
生まれる世界を新鮮な気持ちで楽しむことができます。
 
気鋭の監督と、注目のロックバンドがコラボして生まれた新たな映画。
ぜひ、大きなスクリーンと音が楽しめる映画館で体験してください!
 
今日ご紹介した映画「光の音色 –THE BACK HORN Film-」は、
■Denkikan
で、今度の土曜日・11月22日から、
1週間のみの限定公開となっています。
まさに映画とライブのいいとこどりのような
ハイブリッドな映画ですので、貴重な音楽体験ができると思います。
 
「光の音色 –THE BACK HORN Film-」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「紙の月」

「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、今度の土曜日・11月15日から公開される
「紙の月」です。
 
この作品は、女性を中心に大きな人気を誇る直木賞作家・角田光代の
ベストセラー小説を映画化したものです。
2011年に公開された角田光代原作の「八日目の蝉」は、
日本アカデミー賞をはじめ多数の映画賞を受賞。
主演の井上真央もこの年の主演女優賞を独占しました。
そんな注目の作家が銀行の巨額横領事件を描いた
ベストセラー小説が、この「紙の月」。
主人公をいったい誰が演じるのかと映画の製作が
決定する前から話題なっていましたが、ここ数年、
舞台を中心に活動していた宮沢りえが
7年ぶりの映画主演をつとめています。
 
そんな宮沢りえが主演するのが「紙の月」です。
 
舞台は、バブル崩壊直後の1994年。
夫と2人暮らしの主婦・梅澤梨花は、
銀行の契約社員として外回りの仕事をしていました。
ある日、顧客の平林の家で、
孫の大学生・光太と出会った彼女は、逢瀬を重ねるようになります。
光太と過ごすうち、ふとしたことから顧客の金に手をつけてしまう梨花。
最初は1万円だったのが、次第にその金額は大きなものになり、
ついに後戻りできなくなってしまいます・・・。
果たして、梨花の不正は暴かれてしまうのか?
映画は思わぬ展開を見せてゆきます。
 
主役の梨花を演じる宮沢りえは、平凡な主婦が、
大胆な横領犯へと堕ちていくさまを、実に巧みに演じています。
社会的には許されない犯罪に手を染める主人公なんですが、
不思議と主人公が嫌いにはならないんですね。
映画の観客は、次第に梨花に感情移入していって、
「いつ不正がバレるのか・・・今日か・・・明日か・・・」と
彼女と一緒にドキドキする仕掛けになっています。
これは映画ならではの不思議な感覚です。
先日行われた「第27回東京国際映画祭」では最優秀女優賞を受賞。
多分、これから発表される今年の各種映画賞では、
主演女優賞を独占するんではないでしょうか?
 
共演陣も強力なメンツです。
主人公の横領のきっかけとなってしまう大学生・光太役には、
このところ活躍目覚ましい、若手実力派の池松壮亮。
また、梨花の同僚を演じる元AKB48の大島優子と
小林聡美にも注目です。
この二人の役どころは、映画オリジナルの設定で、
原作には登場してこない登場人物です。
 
特に小林聡美演じるベテラン銀行員・隅より子のキャラが強烈です。
髪型もいつもの小林聡美とはまったく違っています。全然笑いません。
笑顔のイメージいつもの小林聡美のイメージとは
真逆の役どころでのキャスティングです。
これも助演女優賞間違いなしの演技ですので注目してください。
この映画、キャスティングがどの役もすばらしいです。
いつものイメージとは全く違った俳優の表情を観られるのも、
この映画の素晴らしいポイントです。
 
監督は、去年日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝いた
「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督です。
「桐島、部活やめるってよ」もそうだったんですが、
あるコミュニティでの複雑な人間関係によって生ずるドラマを
綿密に描くのが得意と言われている吉田監督にとって、
「銀行」というのはうってつけの題材だったような気がします。
誰もが知っているのに、その中で何が起きているのか、
多くが秘密になっている場所「銀行」、
まさにぴったりの題材だったんではないでしょうか?
なんと言っても、この原作小説をこのキャストと監督で製作した
プロデューサー・チームが素晴らしいと思います。
 
映画の配給は、松竹なんですが、松竹映画というと
70年代に「砂の器」をはじめ松本清張原作の映画化で
一時代を築いた映画会社です。「大人のサスペンス」と言えば
松竹という時代もあったくらいです。
ここ数年は、時代劇やファミリー作品が中心だった松竹映画ですが、
今年は、「白雪姫殺人事件」というスマッシュ・ヒットも生んだので、
続けてこの「紙の月」もヒットすれば、
「大人のサスペンス映画」のブームが再び起きるかもしれません。
そうなると映画ファンとしては嬉しいですね。
 
現実の世界でも時々明るみに出る、こうした横領事件。
こういった犯罪に、手を染めてしまう女性の姿を、緊張感たっぷりに
そしてある意味痛快に描いた1作です。
 
今日ご紹介した映画「紙の月」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・11月15日から公開されます。
 
「紙の月」オフィシャルサイト http://www.kaminotsuki.jp/
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

美女と野獣


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。

毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。

今日ご紹介するのは、現在公開中の「美女と野獣」です。

「美女と野獣」といえば、1991年に作られたディズニーの
大ヒットアニメ映画を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
最近では、「眠れる森の美女」の新たな側面を描いた実写版として、
アンジェリーナ・ジョリー主演の「マレフィセント」が作られたりしたので、
この映画もその類の作品と思っている方も多いと思いますが、
その切り口とも違っています。
今回の「美女と野獣」は、本家フランスのスタッフが才能を結集した
まったく新しい解釈の「美女と野獣」なんです。

そもそも「美女と野獣」は、
ディズニーのオリジナルキャラクターではありません。
実はこの物語には、私たちが良く知っているものとは
ちょっと違う原作が存在しているんです。
私たちが知る「美女と野獣」は、1756年に出版された
ボーモン夫人のバージョン。
それをさかのぼること16年、1740年にヴィルヌーヴ夫人によって
書かれたものが、「美女と野獣」のもともとの原作なんです。
この、オリジナルのヴィルヌーヴ夫人の原作を徹底検証して
作られたのが、今回ご紹介する「美女と野獣」という訳です。

さて、そのストーリーですが・・・。
バラを盗んだ父の代わりに、
恐ろしい野獣が住む城へ囚われの身となったベル。
命を投げ出すことを覚悟して城に乗り込んだベルでしたが、
野獣がベルに要求したのは、毎晩ディナーを共にすることだけ。
城で生活するうちに、ベルは野獣の恐ろしい姿の中にある
もう1つの姿に気づき始め、
野獣に秘められた過去を解き明かしていきます・・・。


今回の映画のポイントは、この野獣の過去にスポットをあてたところ。
なぜ王子は呪いをかけられ、野獣となってしまったのか、
ディズニーのアニメ版では出てこなかった部分にスポットをあて、
このおとぎ話を、よりドラマチックに描き出しています。
もちろん、ファンタジーらしい華やかなドレスやビジュアルも見どころの1つ。
また、フランスを代表する俳優ヴァンサン・カッセルが
野獣を演じているのも見ものです。
何故、彼が「野獣」になってしまったかを説得力ある演技で見せてくれます。
主役のベル役は、レア・セドゥ。「アデル、ブルーは熱い色」の
演技でカンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞したのも
記憶に新しいところ。美 しさの中にも強い魂を秘めた
ベルの役を見事に演じています。

「美女と野獣」というとディズニーのアニメ版と
同じように有名な作品があります。
小説家であり、劇作家であり、詩人としても有名なフランスの
天才ジャン・コクトーが監督を務めた1946年の映画「美女と野獣」です。
この作品に登場した「野獣」のイメージは、ジャン・コクトーが
日本でみて感動した歌舞伎の「鏡獅子」から
インスパイア―されたという説があります。
確かにこの作品の「野獣」のイメージ。
ワイルドだけれど高貴な気品ある存在感は歌舞伎の世界と
通じるものがあるかもしれません。
その後のディズニー版も、今回のバージョンも、
基本はこのジャン・コクトー版の「野獣」のイメージが踏襲されています。
日本の歌舞伎が世界のエン タメに影響したって聞くと、
ちょっと嬉しい説ですね。

さらに今回の作品には、「野獣」のお城に登場する小さなある
「キャラクター」やクライマックスに登場する恐ろしい
ある「キャラクター」などに、 日本のアニメーションからの
影響も垣間見えます。
ずばり、言ってしまうと「もののけ姫」です。
宮崎駿監督の「もののけ姫」のあの「キャラ」やあの「キャラ」のような
感じのキャラが実写で登場するんですよ。楽しそうでしょう!

ディズニーのアニメとはひと味違う、大人の雰囲気あふれるファンタジー。
デート映画にもおすすめですよ!

今日ご紹介した映画「美女と野獣」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。

「美女と野獣」オフィシャルサイト
http://beauty-beast.gaga.ne.jp/

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「みうらじゅん祭りin 本渡第一映劇」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今回は、10月31日(金)~11月5日(水)に開催される
「みうらじゅん祭りin 本渡第一映劇」について
本渡第一映劇の柿久和範さんに電話でお話を伺いました。

Q①ご出演の方のお名前と職業・所属を教えて下さい。
 
名前:柿久和範 (ふりがな)かきひさかずのり
所属:本渡第一映劇代表
プロフィール:昭和36年7月4日生まれ天草市(旧本渡市)出身
中学校まで天草、高校は長崎県諫早市、大学は東京(日大経済)
アルバイトは、映画館、放送局など
卒業後、日本ソフトウェアエンジニアリング(株)入社
平成2年帰郷プログラマーとして職に就いたが会社が倒産
平成3年8月に休館していた本渡第一映劇を借りて
「映画館復活祭天草シネマパラダイス」を開催
その後、天草シネマ倶楽部での上映会を経て
平成10年1月に本渡第一映劇を常設館として復活
今に至る
 
Q②「本渡第一映劇」についての基本情報を教えて下さい。
 
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熊本県天草市栄町5-23
電話・fax(0969)-23-1417
木曜は休館日
ホームページ
 
Q③「本渡第一映劇」の歴史を教えてください。
 
昭和30年代には
天草映劇(大正14年開業)
本渡映劇(昭和30年開業)
本渡東映(昭和32年開業)
中央館(昭和7年開業)
の4館あった映画館
 
昭和40年(1965)に中央館が金子雅俊氏により
本渡第一映画劇場と改名されオープン
元・中央館の建物を現在の建物に建て直して
昭和46年12月27日にリニューアルオープン
 
そして天草の映画館は平成元年に
この本渡第一映劇1館となった。
その1館も平成2(1990)年9月の「天と地と」を
最後に休館に入った
 
映画館のある街を復活させようと
天草シネマ倶楽部が本渡第一映劇を借りて
期間限定の上映会を開催した
平成3年(1991)8月24日25日の
第一回天草シネマパラダイス
 
天草に“映画”を呼び戻すきっかけとなり
映画館復活委員会の活動と努力によって
平成10年(1998)1月1日に常設館として
正式に本渡第一映劇が復活
 
客席数1階78席2階38席
音響設備SRD(ドルビー・デジタル)
 
 
Q⑤「みうらじゅん祭り」の開催時期、
上映作品についてご紹介ください。
 
 
みうらじゅん祭りin 本渡第一映劇
 
期間:10月31日(金)~11/5(水)
上映作品:
アイデン&ティティ:(当館初上映)
原作:みうらじゅん監督:田口トモロヲ主演:
峯田和伸、中村獅童、麻生久美子
80年代の終わりに起こった空前のバンドブームを
背景に「売れる歌」と「本当に歌いたい歌」の間で
揺れ動くバンドメンバーたちの苦悩を描いた
涙と笑いの青春映画
 
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色即ぜねれいしょん:(4年ぶり2回目の上映)
原作:みうらじゅん監督:田口トモロヲ主演:
渡辺大知、峯田和伸、岸田繁
いつの時代でも変わることの無い普遍的な
青春時代の悩み、そして手に入れるべき勇気を
涙と笑いで綴った、みうらじゅんの自伝的小説の映画化!
 
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マタンゴ:(14年ぶり2回目の上映)
特技監督:円谷英二監督:本多猪四郎主演:
久保明、水野久美、小泉博
無人島に漂着した男女7人が、食料と女性を奪い合い
対立する飢餓と不和の極限状態の中、
不気味なキノコ(マタンゴ)の誘惑に負け
自身がその毒に犯されていく姿を描く
カルト映画の名作!
封切り時の併映作品は「ハワイの若大将」
みうらじゅん氏のリクエスト作品。
 
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Q⑥上記作品の見所はどんなところですか?
 
すべて35ミリフィルムでの貸し出ししか行っておらず、
現在、映画館で見られることがほとんどない作品です。
この3作品を観ると仏像とボブ・ディランをこよなく愛し、
マイブームを追い続ける日本のサブカル界の巨匠
みうらじゅんの頭の中が少しだけ覗けるのでは・・・?
 
Q⑦「本渡第一映劇」は、どんな映画館を目指していますか?
 
目指しているわけではありませんが、うちは、
映画館側とお客さん側の距離が近い映画館です。
例えば、映画を観終わってその感動を大事に持って
帰られるお客さんと、今観た映画について話をしたい
お客さんがいると思いますが、うちでは終わった後、
映画談義がそのまま出来るような雰囲気を作っています。
知らないお客さん同士で話したり、私と話をしたり、
映画が人々のコミュニケーションの手段になれば
ステキだなと、いつも思っています。
 
今、シネコンではなく、昔ながらの‘映画館’が、
日本から無くなりつつあります。
うちはデジタル上映は出来ませんが、
35ミリフィルムの上映ができる映画館です。
新作やメジャーな作品はどんどん出来なくなりますが、
昭和の名作や、今回の『マタンゴ』など
フィルムでしか上映できない作品を中心に、
今後も本渡第一映劇ならではの作品を
お届けして行きたいと思っています。
 
東京や大阪には、いまだに名画座と呼ばれる劇場が、
運営を続けています。
天草・本渡だけのお客さんだけでは、
今の状態で続けることは不可能ですが、
市外や熊本県外からも、映画館を目的の一つとした、
天草観光が成り立っていけばいいなと思います。
古い日本映画を上映する、毎年恒例の
『天草名画座番外地』には、福岡や、長崎あたりから
来て頂いたお客さんもいらっしゃいます。
最近では、『チャップリンのライムライト』、
『荒野の七人』、『死刑台のエレベーター』、
『カルメン故郷に帰る』、『静かなる決闘』、
『大魔神』などは、その映画を観るために、
生まれてはじめて天草に来たというお客さんが
いらっしゃいました。
映画館をやっていて良かったと思える瞬間です。
 
Q⑧これまでの活動の中で、
最も印象深いエピソードをお願いします。
 
天草映画祭で、高倉健さんとお会いできたことです。
映画を好きな人間にとって映画人に会えるのは
一つの夢です。現役の映画俳優の頂点に立つ、
健さんにお会いできるとは・・・!
常設館として始めて3年目の平成13年だったのですが、
映画の神様からの最高のプレゼントでした。
 
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後日談があって・・・。私は、子供の頃
『キイハンター』を見て、それ以来ずっと
千葉真一さんのファンだったのですが、毎年、必ず、
健さんと千葉さんの出演映画を上映していて、
それを聞きつけた千葉さんが、
『天草でぼくの映画を上映してくれているようだけど、
突然行っても泊まる所あるかな?』と電話が・・・!
千葉さんは、「健さんが行った映画館に自分が
行かないわけにはいかない!」と、
自ら第一映劇でのトークショーを申し出てくれたのです!
 
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Q⑨熊本県民にPRしたいこと、
今後の上映予定、お知らせなどあれば教えてください。
 
実は、天草の人にも映画ファンはちゃんといて、
熊本市内のシネコンに通っている方もたくさんいます。
レンタル屋さんにも、学生や若い方がたくさんいるのですが、
メジャーな最新作を上映できないウチみたいな映画館には、
お客さんは、足が向かないと思います。
でも、一度来てみてください!
映画はそのとき、どの場所で、どんなシチュエーションで
観たのか一緒に記憶されるものだと思います。
本渡第一映劇で観た映画が、自分の一生を
左右する一本になるかも知れませんよ!?
天草は、遠い田舎かも知れませんが、
この町でしか体験できないこと、
味わえない食べ物もあります。『藍より青く』や
『サンダカン八番娼館望郷』、『女たちの都』など、
映画のロケ地としても有名です!みなさん、
一度天草へ映画の旅へ来ませんか?そして、
観たばかりの映画のお話など一緒にしましょう。
お待ちしております。
 
今後の予定は、『新・天草名画座番外地vol.3』として、
原節子、高峰秀子、他、東宝オールスター出演、
成瀬巳喜男監督作品『妻・娘・母』、加山雄三、
内藤洋子、酒井和歌子主演の『兄貴の恋人』、
『シコふんじゃった』、『里見八犬伝』、
『女経』、そしてチャップリンの名作『街の灯』を、
すべて35ミリフィルムで上映します。
新作では、木村大作監督『春を背負って』があります。
この作品は、木村監督のこだわりで、
奇跡的にフィルムが製作された作品です。
もしかしたら、新作ではこれが最後のフィルム作品に
なるかもしれません。プロジェクター上映作品では、
何時間もかけて危険な道のりを通学する
子供たちの姿を追った、『世界の果ての通学路』を上映します。
 
来年以降も、フィルムでしか、観られない映画の数々や、
プロジェクターで上映可能な作品を選びながら、
最低でも、もう一年頑張ろうと思っています。
採算が取れるなら、お客さんが企画する
上映イベントなどもやってみたいです。
何でもご相談ください。
 
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「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」

 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」です。
 
ここ数年、ヨーロッパを舞台にした著名人の生涯を描いた
映画が何本も作られヒットしています。
エリザベス女王のプライベートを描いた「クィーン」。
同じくイギリス王室を描いた「ダイアナ」。
イギリス初の女性首相を描いた
「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」。
アカデミー賞作品賞にかがやいた「英国王のスピーチ」もありました。
この秋には、伝説のデザイナーの生涯を描く映画
「イヴ・サンローラン」も公開されます。
著名人の隠されたエピソードは誰もが知りたいところ。
さらにこれらの映画は、ヨーロッパの歴史ある風景なども
バックグラウンドとして描かれるので、
どれも観客の満足度が高い映画になっています。
そこで、今回登場するのが、その決定版とも言える映画です。
 
今回描かれるのは、伝説の女優・グレース・ケリー。
よく美しくて近寄りがたい女優さんのことを
“クール・ビューティー”と言いますが、
その元祖は、グレース・ケリーだと言われています。
“クール・ビューティー”と称賛され、「喝采」で
アカデミー賞主演女優賞を受賞し、
まさにハリウッド女優として人気絶頂の中
モナコ大公のレーニエ3世と結婚し、
本物のプリンセスとなったグレース・ケリー。
おとぎ話のような彼女のエピソードは、
今も多くの女性たちの憧れです。
 
今日ご紹介する映画
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、
グレース・ケリーがレーニエ大公と結婚した後の話。
いわば、おとぎ話の“めでたし、めでたし”の続きが
どうなったのか?というかなり興味深いお話です。
 
物語の舞台となるのは、
世界中の注目を集めた“世紀の結婚”から6年後。
跡継ぎに恵まれたものの、自分の意見をはっきり言う
グレースは、宮殿のしきたりになじめず、
周囲から浮いた存在になっていました。
そんな彼女に、ヒッチコック監督はハリウッドへの復帰を打診。
仕事と家庭との間で揺れ動く中、フランスの
シャルル・ド・ゴール大統領が
モナコに課税を強要するという政治的ピンチが降りかかります。
国を守るため、グレースは女優として培った名声を利用し、
公妃として一世一代の大芝居に打って出ます!
 
グレース・ケリーを演じるのは、ニコール・キッドマン。
実際のグレース・ケリーとは、あまり似てない
彼女なんですが、持ち前の美貌と演技力で、
彼女になりきった姿を見せてくれます。
劇中に実際の当時の映像が使われたりしているので、
だんだんと本物のグレースに見えてくるから不思議です。
本物の公妃になるために、グレースが、フランス語や
立ち居振る舞いをトレーニングするシーンもありますが、
一瞬で表情を変えるニコール・キッドマンの演技力にも注目です。
 
監督は、「エディット・ピアフ ~愛の賛歌~」のオリヴィエ・ダアン。
彼は今回、「グレース・ケリーの伝記映画というより、
夫婦の物語を描きたかった」とか。
なので、ドラマの内容も、プリンセスではなく、
1人の女性としての立場や心情に
寄り添ったものとなっています。
とはいえ、完璧な公妃を演じたクライマックスの
スピーチの場面は見もの!
ゴージャスなドレスやジュエリーにも注目です。
 
今回のこの映画が世界初のお披露目をされたのは、
今年の「カンヌ国際映画祭」。
まさに50年前のこの「カンヌ国際映画祭」で
グレース・ケリーとレーニエ大公が出会って
「世紀の恋」が生まれたんですから、
映画の宣伝担当もなかなか粋なことを企画するもんですね。
ところが、このプレミヤ上映会にモナコ王室が
クレームをつけました。「映画の内容が事実と違う」というんです。
このニュースが世界中を駆け巡って、
逆に映画の宣伝になるという効果をもたらしたというから
皮肉なものです。もしかしたら、宣伝担当は、
そこまで読んで「カンヌ」でのお披露目をしたのかもしれません。
恐ろしきはショービスネスの世界ですね。
映画の内容が、本当なのか、はたまたフィクションなのか?
是非、映画館で確認してみてください。
 
今日ご紹介した映画「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札」オフィシャルサイト
 
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「NO(ノー)」

 
「FMK Morning Glory」毎週火曜日にお送りしています、
「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「NO(ノー)」です。
 
テレビを見ていると必ず目にするCM。
あまり意識して見ないものですが、気が付くと
コマーシャルソングを口ずさんでいたり、
商品の名前と一緒に内容が思い出されたりするものですよね。
今日ご紹介する映画「NO」は、このコマーシャルが
1つの国を変えてしまったという実話をもとにした
社会派エンターテイメント作品です。
こういう社会派の内容を面白い映画に仕上げるのは、
ハリウッド映画が得意とするところ
古くは1976年の「大統領の陰謀」でウォーターゲート事件を
描いたり、1991年の「JFK」では大統領の暗殺に隠された
謎を独自の解釈で描いてみたり、昨年のアカデミー賞作品賞を
受賞した「アルゴ」もイラン革命を舞台にした
政治的痛快脱出劇でした・・・・・・とこんな風に政治や事件をさえ
エンターテイメントにしてみせるハリウッド映画。
その底知れぬパワーを感じさせるのが
この社会派映画のジャンルなんです。
ところが、この映画「NO」は、英語圏でない南米で作られた映画。
ハリウッド以外から生まれた珍しい社会派エンタメ作品です。
 
舞台となるのは、南米のチリ。
チリは、1970年、大統領選挙で社会主義政党の
アジェンデ氏が選ばれ、大統領に就任しました。
しかしそれを良く思わない軍部が73年にクーデターを起こし、
ピノチェト将軍による独裁政権となります。
ピノチェト政権は、反対派の誘拐や虐殺を繰り返し、
国民を恐怖で支配。国際的な批判が高くなったことから、
1988年、ピノチェト政権の存続を求めるかどうか、
国民投票を実施することになります。
公正な選挙ということで、賛成と反対の両派が27日間、
毎日15分ずつテレビキャンペーンを展開することになりますが、
設定された時間は深夜。
政権側は勝てる自信満々です。
 
さて、反対派の友人に依頼され、キャンペーンの
アドバイザーを務めることになったのが、
広告代理店に勤めるCMディレクターのレネです。
レネは、反対派陣営から、ピノチェト政権がどんなに
残虐か真面目にアピールした映像を
見せられますが、「それでは人の心は動かせない」と、
CMの手法を駆使した映像を試作。
猛反対を受けながらもレネは信念を通し、
明るくユーモアに溢れたキャンペーン映像が流れ始めます。
 
さて一方、レネが勤務する広告代理店の上司は賛成派で、
しかもキャンペーンの映像を作っています。
同じ会社で一緒に仕事をしながら、腹の探り合いをしているんです。
レネの作った映像をみた上司は、彼をつぶそうと
戦略を変更。
レネも対抗し、お互いあの手この手のCM合戦となります。
 
結構シリアスな政治映画なのに、このCMが面白い!
それと同時に、CMでこんなにも人を操ることができるんだ、
という怖さも感じます。
ちなみに、映画の中で流れるCMは当時のものが使われていて、
画質を合わせるために
本編の映像も88年当時のカメラ機材を使っているんだとか。
面白くて、考えさせられる1本です!
 
主役のレネを演じるのは、
メキシコ生まれのイケメン俳優・ガエル・ガルシア・ベルナール。
20歳の時「アモーレス・ペロス」で映画デビュー。
それ以来「天国の口、終わりの楽園」、
「モーターサイクル・ダイアリーズ」、「バッド・エデュケーション」と
英語圏以外の実力派監督の作品に次々主演し、
世界中の監督からオファーが殺到する人気俳優です。
今回、ひげ面でちょっとくたびれた格好の広告マンを
演じていますが、「瞳」の美しさは相変わらずです。
最初は、反対派の運動にちょっと懐疑的だった主人公が、
次第に「チリの未来」のために働くようになる気持ちの変化を、
この美しい「瞳」で表現しているのが素晴らしいですよ。
女性ならずとも、男性も「かっこいい!!」と拍手を
お送りたくなるような存在感です。
是非、ガエル・ガルシア・ベルナールの美しい瞳に注目して、
この映画、楽しんでください。
 
今日ご紹介した映画「NO」は、
■Denkikan
で、現在公開中です。
 
「NO」オフィシャルサイト
 
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「ジャージー・ボーイズ」

 
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています
「キネマのススメ」。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の名匠
クリント・イーストウッド監督作品「ジャージー・ボーイズ」です。
 
クリント・イーストウッド監督と言えば、もはや「巨匠」という
称号を越えて「生きている伝説」とまで言われる
「ハリウッド映画界の宝」とも言える存在。
「許されざる者」、「ミリオンダラー・ベイビー」で2度の
アカデミー作品賞に輝き、俳優としても、監督としても、
彼がかかわる作品は間違いなく面白いと言われています。
まさに「イーストウッド・ブランド」とも言える作品です。
 
イーストウッド映画は、音楽の使い方が
素晴らしいとよく言われます。そんなイーストウッド監督が
今回、全編音楽に彩られた作品を完成させました。
 
FMKでもよくオンエアされる、定番ソング「君の瞳に恋してる」。
アンディ・ウィリアムスやフランク・シナトラ、ローリン・ヒルなど
様々なアーティストが歌い、日本のアーティストにも
数多くカバーされているダンスナンバーのクラッシックですね。
最も有名なのは、1982年の
ボーイズ・タウン・ギャングによるものですが、
オリジナルを歌っているのは誰かご存じでしょうか?
オリジナルは、1960年代に人気を博したグループ
「フォー・シーズンズ」のリードボーカリスト、フランキー・ヴァリ。
1967年に全米2位を記録しています。
 
この映画「ジャージー・ボーイズ」は、
この伝説のグループ「フォー・シーズンズ」の
4人の若者たちの栄光と挫折、そして、いまでは
定番の曲となった「君の瞳に恋してる」の誕生の裏に隠された
劇的なドラマを、名匠クリント・イーストウッド監督が
見事に描き出したものです。
 
ニュージャージーの貧しい街に生まれた
フランキー・ヴァリ、トミー・デビート、
ボブ・ゴーディオ、ニック・マッシの4人は、
美しいファルセットボイスと完璧なハーモニー、
曲作りの才能を武器に、
スターへの階段を一気に駆け上ります。
しかし栄光の裏には落とし穴が・・・。
小さなほころびがやがて大きな亀裂を生み、
裏切り、グループの解散という挫折が訪れます。
絶望の淵に立つフランキーに送られたのが、
あの曲、「君の瞳に恋してる」でした・・・。
 
この作品、もともとはブロードウェイミュージカルとして
作られたもので、2005年から上演が始まり、
トニー賞も受賞しています。
この映画でも、フランキー役のジョン・ロイド・ヤングをはじめ、
ブロードウェイ版を演じたキャストが出演。
素晴らしい歌声を聞かせてくれます。
 
今回の作品では、通常のミュージカル作品のように
事前に歌をレコーディングして、
撮影のときは口パクで歌うという方法をとらず、
撮影現場で歌った声をそのまま収録しています。
そう、あの大ヒット作品「レ・ミゼラブル」で採用された
ものすごく大変な方法をあえて採用しているのです。
そのため、出演者の感情の動きが、
見事に映像と歌声に反映されていて、
観客の感動も倍加する仕掛けになっています。
まるでライブを劇場で見ているような感覚を
味わうことができますよ。
 
イーストウッド監督は実は音楽にもとても造詣が深く、
自分の作品はもちろん、他の監督の映画で
音楽を担当したこともあるほどなんです。
ジェームズ・C・ストラウス監督、「さよなら。いつかわかること」など…。
 
それだけに、この作品でもライブシーンの描き方は抜群!
実は撮影中の休み時間に、ひとりでピアノを弾いて
リラックスしていたという話も伝わってきています。
監督が休み時間にピアノを弾くなんて
どこまで渋い人なんでしょうか!!
 
ここで、ちょっと余談の見どころポイントをご紹介します。
映画の中でヒット街道をばく進中の
「フォー・シーズンズ」のメンバーが
テレビを見ているシーンがあるんですが、
そのテレビに映っているのは、「ローハイド」です。
「ローハイド」というのは、俳優クリント・イーストウッドの出世作。
つまりは、「フォー・シーズンズ」のメンバーたちと
イーストウッド監督は同時代を生きたスターなんですね。
こういう洒落っ気もイーストウッド監督らしい演出です。
現在、84歳のイーストウッド監督、彼の人生そのものが、
いつか映画になる気がします。
 
今日ご紹介した映画「ジャージー・ボーイズ」は、
■TOHOシネマズ光の森
で、現在公開中です。
 
「ジャージー・ボーイズ」 オフィシャルサイト
 
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