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キネマのススメ

「ワン チャンス」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ワン チャンス」です。
 
テレビのオーディション番組に出演したのをきっかけに
ちょっと冴えない一般人から世界的大スターになった・・・と
言えば誰を思い浮かべるでしょう?
「スーザン・ボイル」という方が多いかもしれませんが、
実は同じ番組で、彼女より一足早く大スターになった
男性がいます。ポール・ポッツです。
携帯電話の販売員から、たった一夜にして大スターになった
彼の半生を映画化したのが、今日ご紹介する映画
「ワン チャンス」です。
 
イギリス・ウェールズに生まれたポールは、
小さいころからいじめられっこでしたが、
地元の聖歌隊に入り、オペラ歌手になるのを
ひそかに夢見ていました。
夢を捨てないまま30代半ばになった彼は、
念願のイタリア留学を実現します。
懸命に練習して、やっと憧れのテノール歌手、
パヴァロッティのオーディションにのぞむのですが、
あがってしまってうまく声が出せません。
「君は、オペラ歌手になるのは無理」とパヴァロッティに
ダメ出しされ、失意のどん底に・・・。
それでも諦めず、再び歌うチャンスが訪れますが、
次々と思わぬトラブルに見舞われます。
 
映画を見ると、実はポールは、棚ぼた的にラッキーを
手に入れたのではなくて、我々が知るあのオーディションの
シーンまでに波乱万丈の人生を歩んだ努力の人と
いうことが分かります。
ポールを応援する周囲の人物たちも、ユニークな人物
たちばかりで、映画を観ているうちに、観客も
ポールの仲間のような気分になっていきます。
オーディションで夢を掴んだクライマックスの瞬間は、
観客と一緒に拍手喝采したくなることうけ合い!です。
 
監督は、「プラダを着た悪魔」のデヴィッド・フランケル。
ドラマチックになりがちなストーリーを、たくさんの
笑いどころを用意して楽しく見せてくれます。
感動大作が苦手・・という人も、イギリスのコメディが
好きなならば、オススメです。
また、歌唱シーンもたくさん出てくるんですが、
なんとポール・ポッツ本人が歌の吹き替えを
担当しているので、リアリティ抜群です。
 
実は、この映画の舞台裏にも、
ひとつのサクセス・ストーリーが隠されています。
ポール・ポッツ役には、演劇界で活躍していた
ジェームズ・コーデンがすぐに決まりました。
演技力もあり、ポールにも雰囲気がそっくりで、
イギリスではすでに人気の俳優でした。
ポールの妻ジュルズ役も重要な役だったので、
多くの女優をオーディションしていました。
歌手のケイティ・ペリーやアデルも候補に
あがっていたというこのジュルズ役。
重要な役なのでキャスティングも慎重になっていました。
すると監督のもとに大女優メリル・ストリープから
メールが届きます。「アレクサンドラ・ローチを起用しなさい!」と。
 
実は、メリル・ストリープは、
「マーガレット・サッチャー鉄の女の涙」でサッチャーを
演じた時に、自分の若い頃を演じたローチの演技力を
高く評価していたのです。この「ワン チャンス」の
監督デヴィッド・フランケルとメリル・ストリープは、
以前「プラダを着た悪魔」で一緒に仕事をしていたので、
わざわざ推薦のメールを書いてくれたそうです。
とにかくこのジュルズ役のローチが素晴らしい演技です。
何度もめげそうになるポールを励まして、応援する姿には
、きっとあなたもホロリとするはずです。
さすがメリル・ストリープは目が確かだなぁ・・・・と
感心してしまいます。
 
失敗を重ねた主人公が、最後の最後のラストチャンスに
すべてをかけて大舞台にのぞむというストーリーラインは、
あのボクシング映画「ロッキー」を思いださせます。
プロデューサーのマイク・メンチェルも実はそれを
意識していたそうで、「あらゆる障害を乗り越え、
状況に屈せず、夢を追いかけることを止めない男の情熱と
向上心の物語。ポール・ポッツの物語は、
まるでロッキーだ。」と発言しています。
最近ちょっと元気がないなぁ・・・というあなた!
観た後に、元気をくれる1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「ワン チャンス」は、
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「ワン チャンス」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「ブルージャスミン」

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「ブルージャスミン」です。
 
この映画は、アメリカ映画の巨匠、ウディ・アレンの監督最新作。
主演をつとめたケイト・ブランシェットが、第86回アカデミー賞で
主演女優賞を獲得しています。
受賞のスピーチで「女性を主役した映画はヒットしないと
考えてる古い映画人が多いけど、そんなことありません。
観客はそういう作品を求めいています。」と
かっこいい発言をして、絶賛の拍手を浴びました。
2004年「アビエーター」で助演女優賞を受賞したケイトは、
今回で念願の主演女優賞を受賞。
女優として大輪の花を咲かせたと言えそうです。
 
このところ、ヨーロッパを舞台に、恋愛コメディを
中心に作ってきたウディ・アレンですが、
この作品は、アメリカが舞台。
ニューヨークとサンフランシスコという二つの都市を舞台に、
様々な人間模様を描いています。
 
さてそのストーリーですが・・・、
主人公は、ニューヨークで大富豪の夫と共に、
贅沢な暮らしを送っていたジャスミン。
しかし、セレブと思っていた夫は、実は、ねずみ講まがいの
イカサマビジナスで金を稼いでたことが判明し、
警察に捕まってしまいます。
ゴージャスな生活から一転して、無一文となったジャスミンは、
サンフランシスコに暮らす妹の家に転がり込みます。
しかし、境遇も考え方も全く違う妹とは、そりが合うはずもありません。
過去の栄光が忘れられないジャスミンは、
なんとかセレブな生活を取り戻そうとするのですが・・・。
 
この映画の見どころは、何といっても
オスカーを獲ったケイト・ブランシェットの演技です!
ケイト・ブランシェットといえば、
「エリザベス」や「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの
高貴な女王様イメージが強いですが、
この映画では、セレブとしてこの世の春を謳歌する
ニューヨーク・パートとセレブから転落して地味な生活を
強いられるサンフランシスコ・パートが交互に描かれてゆきます。
時間軸が、いったり来たりすることで、ジャスミンの人間性が
浮き彫りになる仕掛けになっていて、
さすがウディ・アレンと思わせる構成です・
セレブから転落して、仕事を探さないといけないのに、
カッコいい仕事しかしたくない、でもパソコンが使えないから、
まずパソコンスクールに通う・・・。
勉強しなければいけないのに、
セレブ生活を夢想してしまうジャスミン。
かなり回りくどくドタバタするそんなイタイ女性を、
ケイトが見事に体現しています。
 
全てを失ったのにその現実を直視できず、
一流ブランドを身にまとい続け、精神を病んでいく
ジャスミンの姿は、痛々しいけれど滑稽でもあるし、
共感できないけれどなんとなく気になるキャラクター。
ウディ・アレンは、女性を撮らせたらピカイチ!と
言われる監督で、これまで彼の作品に出演して
演技賞を受賞した女優がたくさんいます。
 
今回も、まさにそんな1本で、ケイト・ブランシェットの
美しさとセレブぶりの奥様からまったく反対のイタイ女性に
変貌してゆくという振り幅の大きな役をやらせることで、
女優としての力量をたっぷり発揮させる映画になっています。
 
実は、このジャスミンのキャラクターにはモデルがいるそうです。
2008年に4兆円を超える巨大詐欺事件で逮捕され、
「禁固150年」という途方もない判決をうけたバーニー・メイドフ。
裁判では、「自分は関係ない。まったく知らなかった」と
無実を訴え続けた妻・ルース・メイドフがその人。
全米が注目したこの事件をヒントに、
アメリカで古典となっている戯曲「欲望という名の電車」と
ミックスさせて映画化したのがこの「ブルージャスミン」という訳です。
 
実話をモデルにしているだけあって、シャネルに身をつつんで、
シャンパンを飲みながら、プライベートジェットを買う話をする・・・・
みたいな超リッチなセレブ生活も、
かなり丁寧に描いてあって見せ場になっています。
アメリカの大金持ちの隠された生活を覗き見る
野次馬的な面白さも、たっぷり用意されていますので、
ゴージャスな映画が見たい人にもおすすめの1本です。
 
そんなゴージャスな気分を観客にも味わってもらおうという
イベントが企画されています。5月16日(金)、
今週の金曜日です。
 
シネマ&ティーパーティ「ブルージャスミン」。
ジャスミン・ティーを飲みながら、アロマライセンスカレッジの
学院長・首藤美重子(しゅとう・みえこ)さんのトークショーを
楽しんで、その後に映画「ブルージャスミン」を観ようと
いうスペシャルなイベントです。
場所は、中央区新市街のDenkikanで5月16日
金曜午後7時開場、7時半開演です。
入場料金は、事前予約で1500円。
当日は1800円です。60人限定となっています。
あなたもジャスミンの気分が味わえるかもしれませんよ。
詳しくは、Denkikanまでお問い合わせください。
電話096-352-2121です。
 
ウディ・アレンが監督した映画は、
何度見ても発見がある深みがある作品なので、
イベントに参加した後に、友達やカップルで一緒に
観てみるのもいいかもしれません。
 
今日ご紹介した映画「ブルージャスミン」は、
■Denkikan
で、現在公開中です。
 
「ブルージャスミン」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~」

毎週、わたくし松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています「キネマのススメ」。
今日ご紹介するのは、5月10日(土)公開「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去(かむさり)なあなあ日常」 です。
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」「ハッピーフライト」と数々のヒット作を生み出してきた矢口史靖、待望の最新作。
三浦しをん のベストセラー小説を原作に林業の世界を舞台にした青春エンターテイメントが完成しました。
主人公は、大学受験に失敗した勇気。ふと目にしたパンフレットで微笑む美女にひかれ林業研修プログラムに参加することに・・・・・。
ケータイの電波も届かぬ山奥での過酷な林業の現場。
勇気は現場で鍛えられながら、少しずつ変化してゆくのですが・・・・・・・・。
勇気役は、若手注目株の染谷将太(そめたに・しょうた)。謎の美女役に長澤まさみ。林業の天才ワイルドで凶暴な男・ヨキを伊藤英明が演じています。
 
今日は、キャンペーンのため熊本にいらっしゃった矢口史靖監督にお話をうかがいました。
「ロボジー」でのインタビュー以来、このコーナー2度目の登場となります。
 
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実は、今回のインタビューは、時間の都合でカットした部分もありましてノーカット完全版のインタビューをポッドキャストしています。
シナリオ作成の際におきたという 聞くも涙の「マダニ事件」。
是非聴いてほしいエピソードです。
 
ここでプレゼントのお知らせ
この映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)」オリジナルの入浴剤「なあなあの湯」を
5人の方にプレゼントします。
 
メール:glory@fmkumamoto.jp
 
FAX:096-355-5200
 
本日中必着です。
 
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●この映画「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去(かむさり)なあなあ日常」 は、
 
TOHOシネマズ はません  
TOHOシネマズ 光の森  
TOHOシネマズ宇城 
シネプレックス 熊本  
イオンシネマ熊本
 
で、5月10日(土)公開です。
 
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「WOOD JOB!(ウッジョブ)〜神去(かむさり)なあなあ日常」 
オフィシャルサイトhttp://www.woodjob.jp/

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本日オンエアのこのコーナーのノーカット版インタビューをポッドキャストで配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 
 

「アメイジング・スパイダーマン2」

 
毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「アメイジング・スパイダーマン2」です。
 
「スパイダーマン」といえば、2002年からスタートして
大ヒットしたサム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演の
3部作が有名ですが、2012年、キャスト・スタッフともに一新し、
新たなスパイダーマンとしてスタートしたのが
「アメイジング・スパイダーマン」のシリーズ。
監督に「(500)日のサマー」で注目されたマーク・ウェブ監督を迎え、
全世界で7億5千万ドルの興行収入をあげる大ヒットとなりました。
この待望の続編が、今日ご紹介する
「アメイジング・スパイダーマン2」です。
 
ニューヨークのヒーローとして、人気者になっていた
スパイダーマンこと、ピーター・パーカー。
しかし、気持ちが通じ合ったはずの恋人のグウェンとは、
少しギクシャクした関係となっていました。
1作目の事件に巻き込まれてグウェンの父が亡くなったことを
気に病んでいるピーターは、グウェンとの付き合いに
罪の意識を感じるようになっていたのです。
そんな中、巨大企業オズコープ社の御曹司で、
ピーターの幼馴染ハリー・オズボーンが
海外から帰ってきます。
再び友情をあたためる彼らでしたが、
ピーターの前に新たな強敵が次々と現れます!
 
今回、スパイダーマンを苦しめるのは、
高圧電流を操るエレクトロ、
強力なサイ型のパワースーツに身を包んだライノ、
そして高速グライダーですべてを切り裂く
グリーン・ゴブリンの3人。
強大な力を持つ彼らを相手に、スパイダーマンは
絶体絶命の戦いを強いられます。
 
特にエレクトロを演じるアカデミー賞俳優
ジェイミー・フォックスの存在感が素晴らしいです。
映画の前半では、かなりイケテないオタクな青年だったのが、
不慮の事故をきっかけにスパイダーマンを憎む
最強の怪人・エレクトロに変身するあたりは、
悪役ながら魅力たっぷりです。
イケてない青年の時のイケてなさがホント素晴らしいです。
 
役者というと、もう一人、注目してほしいのは、
ハリー・オズボーン役のデイン・デハーン。
デビュー当時のレオナルド・ディカプリオのような純粋さと
凶暴さを併せ持った俳優さんで、
SF作品「クロニクル」で注目され、今回の大役に起用されました。
いまハリウッドでも注目の俳優で、
来年公開予定の作品「Life」では、
あのジェームズ・ディーンを演じています。
 
スパイダーマンの魅力といえば、
高層ビルを縦横無尽に飛び回る、
スピード感あふれるアクションですが、
今回も3人の強敵を相手にパワーアップした
空中アクションを見せてくれます。
しかもこの作品、3D公開されていますから、その臨場感は、
もはや“アトラクション”と言ってもいいほどの迫力ですよ!
今回、ニューヨークで史上最高の撮影規模での
ロケが行われたそうで、ニューヨークのビルの街並みを
実際のレイアウトに忠実に描いてあります。
ニューヨークの地理にちょっと詳しい方なら、
スパイダーマンがどこからどかまで飛んで行ったのか
実感できるような画面構成になっています。
 
そしてもう1つの注目が、ドラマティックなストーリー展開。
グウェンとの関係や、消息を絶ってしまった両親の秘密など、
さまざまな苦悩を乗り越えながら成長していく
青年ピーターの姿が丁寧に描かれています。
前半はラブ・ストーリー的な展開が丁寧に描かれています。
この伏線が後半に活かされる仕掛けになっているのも、
「(500)日のサマー」というラブ・ストーリーの傑作を産んだ
マーク・ウェブ監督の起用が生かされていると言えそうです。
 
特に中盤からクライマックスにかけて、ある大きな事件によって
「挫折」する主人公が描かれますが、ヒーローものとして
「禁じ手」ともいえるある展開を経てのクライマックスの燃える展開は、
是非見逃さないでほしいですね。
 
スパイダーマンのキャッチフレーズは、「あなたの親愛なる隣人」。
ヒーローというとバットマンのようなちょっと暗い孤高のヒーローや
「スーパーマン」のような圧倒的なパワーと
正義の象徴のような人間離れした存在のようなヒーローが
思い浮かぶんですが、「スパイダーマン」は、正体は
謎なんだけど、ニューヨークの市民に愛されている存在です。
応援してくれる仲間がたくさんいるヒーローというポイントが、
クライマックスの重要な伏線になっていますので忘れないように!

繰り返します。
スパイダーマンのキャッチフレーズは、「あなたの親愛なる隣人」です。
 
最後にちょっと予備知識を!
映画のエンド・クレジットで、別の映画の予告篇的な
映像が挿入されます。
「アベンジャーズ」シリーズなどではお約束となっている
この展開ですが、「スパイダーマン」では初の試み。
しかも、次の「アメイジング・スパイダーマン」の予告ではなくて、
「マーベル」が作る別のシリーズ「Xメンフューチャー&パスト」の
予告映像が入っているんです。
配給会社も違う作品の予告が挿入されるのは、
実は異例のことなんですよ。
ひょっといたら「アベンジャーズ」のように今後「Xメン」と
「スパイダーマン」の共演なんてこともあるのかもしれませんね。
 
とにかく、アクション映画としても人間ドラマとしても、見どころ満載!
ゴールデンウィークにおすすめの1本ですよ!
 
今日ご紹介した映画「アメイジング・スパイダーマン2」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」です。
 
2012年に公開され、全世界で大ヒットを記録した映画
「アベンジャーズ」。
そのプロジェクトから、アイアンマンやマイティ・ソーなど
主要キャラクターたちを主人公にした映画が作られ、
これまたいずれも大ヒットしていますよね。
2008年の「インクレディブル・ハルク」、「アイアンマン」
2010年の「アイアンマン2」、
2011年の「マイティ・ソー」、
「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」
2012年の「アベンジャーズ」
2013年の「アイアンマン3」、「マイティ・ソー/ダーク・ワールド」
と、これまで8作が作られられていまして、どれもが大ヒット。
 
その、アベンジャーズ・プロジェクトの最新作となるのが、
今日ご紹介する映画「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」です。
 
この作品、一足早く公開されたアメリカでは、
オープニング週末3日間で9600万ドルを記録。
これによってアベンジャーズ・プロジェクト作品の
シリーズトータルの興行成績が24億ドルを超え、
これまでトップだった「ハリー・ポッター」シリーズや
2位の「スター・ウォーズ」シリーズを抜いて、
シリーズ作品の全米興行収入歴代ナンバー1になったんです!
 
すごい作品ということは分かりますが、
このキャプテン・アメリカというキャラクター、
日本ではまだちょっとなじみが薄いですよね。
キャプテン・アメリカは、第二次大戦のころ、
病弱なため入隊できなかった若者・スティーブが、
科学者によって、精神と肉体を増強されたスーパーソルジャーで、
アベンジャーズのリーダー的な存在。
しかも、70年間北極で氷漬けになっていたという
キャラクターなんです。
一種のタイムスリップしたようなヒーローなので、
戦後の世界情勢や流行なんかにも疎いキャラクターが、
映画の中でもギャグとして披露されるシーンがあります。
キャプテン・アメリカが、教えられた「流行もの」を律儀に
メモをとるシーンがありますが、メモには
「スティーブ・ジョブズ」「ロッキー」や「ニルバーナ」など
いろんな言葉がメモられています。余談ですが、
このメモがアップで映るシーン。
公開される国によって微妙に内容が違うそうです。
 
今回、キャプテン・アメリカは、これまで共に戦ってきた
国際平和維持組織「シールド」から突然命を
狙われるようになります。逃亡者となった彼と仲間を
追いつめるのは、謎の暗殺者ウインター・ソルジャー。
アベンジャーズ以外みんな敵、という状況の中、
果たして彼らの運命は!?
 
ヒーローといえば、特殊な能力を持っていることが多いですが、
このキャプテン・アメリカの能力は、
人間の基本的な力が高められたもの。
ヒーローの中ではかなり人間臭いもので、
それが大きな魅力となっています。
また、アベンジャーズの紅一点ブラック・ウィドウを
演じるスカーレット・ヨハンソンが
今回もしびれるようなカッコよさを見せてくれますよ!
実写版「ルパン三世」が夏に公開されますが、
実写版峰不二子に最も近い女優は、
スカーレット・ヨハンソンじゃないかな・・・・・と思います。
 
そして、もう一人重要な役を演じるのが、「シールド」の幹部
アレクサンダー・ピアース役を演じるロバート・レッドフォードです。
最近は映画監督やプロデューサーとしての活動が有名ですが、
70年台のアメリカ映画界では1,2を争う人気俳優。
アベンジャーズ・プロジェクトのような派手なSF大作というより
社会派の映画に数多く主演していた彼が、
今回のような作品に出演するのは、とても意外だったのですが、
映画を見て「なるほど」と膝をうつ瞬間がありました。
今回「シールド」がすすめようとする「世界監視計画」は、
70年台のアメリカの政界を揺るがせた大事件
「ウォーター・ゲート事件」を彷彿とさせる内容です。
ニクソン大統領を辞任にまで追い込んだこの事件を
映画化したのが1976年の映画「大統領の陰謀」でした。
この映画で正義の新聞記者を演じたのが
ロバート・レッドフォードだったのです。
今回の「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」は、
国家が国民を監視する社会をかなり皮肉を交えて
描いていますので、ロバート・レッドフォードのキャスティングが
映画のスパイスとしてかなり効いています。
そう、今回の「キャプテン・アメリカ」は、大作アクション映画で
あると同時に政治風刺的な側面もあるのです。
 
アメリカの映画ファンサイトでは、93%が満足という
好評を得ています。大ヒット中の「アナと雪の女王」ですら
89%ですから、いかにこの数字が高いかがわかると思います。
 
ちなみに今後のアベンジャーズ・プロジェクトは、
「ガーディアン・オブ・ギャラクシー」という宇宙ものが年内公開。
来年2015年には「アベンジャーズ」のメンバーが再結集する
「アベンジャーズ・エイジ・オブ・ウルトロン」が公開されます。
さらにニューヒーロー「アントマン」の企画を
先週「キネマのススメ」で紹介した
「ワールズ・エンド酔っぱらいは世界を救う!」の
エドガー・ライト監督が準備中らしいです。
まだまだ続くアベンジャーズ・プロジェクト。
今回の「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」にも、
今後のシリーズの伏線が相当はられているようなので、
そのあたりのチェックもお忘れなく。
もちろん、アベンジャーズに詳しくない初見の方も、
十分楽しめる1本ですよ。
 
今日ご紹介した映画
「キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
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そして、今日は番組からプレゼントがあります!
この映画のメタリックシールとノートブックをセットにして
抽選で2人の方にプレゼント致します。

プレゼントご希望の方は、
メール:glory@fmkumamoto.jp
FAX:096-355-5200
締め切りは今日(22日)中です。
たくさんのご応募をお待ちしています★

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

『ワールズ・エンド 酔っ払いが世界を救う』

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・4月19日から公開される
「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」
です。
 
このタイトル!いかにもB級映画って感じですよね。
実はこの作品、今、映画好きが大きく注目している、
監督エドガー・ライト、主演サイモン・ペッグ&ニック・フロストの
トリオで作られた最新作なんです。
 
彼らの名を一躍高めたのは、2004年に製作された
「ショーン・オブ・ザ・デッド」。
本国イギリスでは大ヒットしたものの、日本では未公開。
劇場公開されずDVDでのリリースとなりました。
しかし、映画好きの間では、この作品がじわじわと話題になって、
トリオでの2作目となる
「ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン-」は日本公開を
希望する署名活動が起こり、ついに劇場公開が実現したという
エピソードがあります。

ちなみに、1作目の「ショーン・オブ・ザ・デッド」は
元祖ゾンビ映画といわれる「ドーン・オブ・ザ・デッド」に。
2作目の「ホット・ファズ」は、「ダーティハリー」や
「ハートブルー」といったアメリカのポリスアクションに
オマージュを捧げていて、映画ファンのマニア心をくすぐっていました。
彼らしいオマージュの捧げ方には共通のポイントがあって、
登場人物がスーパー・ヒーローでなく、すべてダメな奴なんです。
ダメ人間が「極限状況」でどんな力を発揮するかが、
このチームの映画の無類の面白さになっています。
 
そんな彼らの最新作、どんな内容かというと・・・、
主人公は、楽しかった学生時代が忘れられないまま
アラフォーになってしまったゲイリー。
ある時彼は、高校時代の最後に、
一晩で町の12軒のパブをハシゴするというバカ騒ぎ
「ゴールデン・マイル」に失敗したことを思い出し、
再びチャレンジしようと4人の仲間たちに声をかけます。
未だ定職につかずフラフラしているゲイリーと違って、
仲間は仕事や家庭を持ついい大人。
はしゃぐゲイリーにイヤイヤ付き合う彼らですが、
パブ巡りをするうちに故郷の町の様子が
違っていることに気づきます・・・。
 
このパブ巡りの最後の1軒の名前が、「ワールズ・エンド」。
途中で酔いつぶれず無事にたどり着けるか、というのがテーマで、
最初はグダグダな同窓会といった感じなんですが、
中盤から突然ストーリーの方向が大きく転換!
“酔っぱらいが世界を救う!”というサブタイトルがピッタリの
壮大なSFアクションコメディ映画になっていきます。
そう、今回彼らは、SF映画にオマージュを捧げているんですね。
地球の危機を救うために、ひたすらビールを飲んで酔っぱらい、
ゴールの「ワールズ・エンド」を目指す彼ら。
なんともおバカな内容ですが、
固い友情に胸を熱くするシーンもあり、あなどれません。
 
キャストも、おバカな物語に対して、
豪華すぎるほどの役者が集合しています。
主役の二人は、この映画の脚本も担当しているサイモン・ペグ。
彼は最近、「スタートレック」や「ミッション・インポッシブル」など
ハリウッド大作映画にもレギュラー出演するほどの超売れっ子。
ダメコンビのニック・フロストと息の合った芝居を見せてくれます。
同級生のオリヴァ―を演じるのは
「ホビット」シリーズの主役をつとめるマーティ・フリーマン。
ヒロインを演じるロザムンド・パイクは、「タイタンの逆襲」、
「アウトロー」など大作の出演が続いている注目女優です。
 
ここで、知っておくと、よりこの映画を楽しめる情報をひとつ。
映画の中で、舞台として登場する「パブ」。
一種の飲み屋さんなんですが、「パブ」とは「パブリック」の略。
イギリスでは古くから公共の場として人の集まる場所が「パブ」。
ここでビールを飲みながら語り合う事が
イギリスのひとつの文化になっています。
ここでの飲み方は、「パイント・グラス」での飲み方。
「1パイント」は「568ミリリットル」です。
日本の「中ジョッキ」よりちょっと多いぐらいですね。
1件ごとに「1パイント」を12件ハシゴすると、
それだけで「6816ミリリットル」。
「約7リットル」のビールとなります。
ここで飲まれるビールは、日本で多く飲まれる
「ピルスナー・スタイル」のビールと違って
「エール・スタイル」という芳醇なビール。
日本のビールがのど越しを楽しむことに
重点を置いているのに対して、風味を噛みしめるタイプの
ビールなので、本当は、フィッシュ・アンド・チップスという
おなじみのおつまみを肴に、チビチビと飲むタイプの
ビールなんです。要は腹にたまりやすいビールなのです。
この映画での12軒のハシゴ酒「ゴールデン・マイル」が、
いかにバカな行為なのかがわかってもらえるでしょうか?
 
観ていると、無性にビールが飲みたくなってくる1本。
車を置いて、飲む気満々で観に行くことをおススメします。
 
今日ご紹介した「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」は、
■Denkikan
で、今週土曜日・4月19日から公開されます。
 
「ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!」
オフィシャルサイト http://www.worldsend-movie.jp/

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

『それでも夜は明ける』

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・4月12日から公開される
「それでも夜は明ける」です。
 
間違いなくこの春公開の映画の中で最も注目される映画です。
この作品、先月発表された「第86回アカデミー賞」で、
最優秀作品賞、脚色賞、そして出演者のルピタ・ニョンゴが
助演女優賞を受賞しました。

日本語タイトルは「それでも夜は明ける」ですが、
原題・英語のタイトルは「12 Years a Slave」。
このタイトルにあるように、12年間奴隷となった、
ある男性の実話をもとにした映画です。
 
監督は、スティーブ・マックイーン。
大変有名な映画スターと間違えてしまいますが、
同姓同名のイギリス出身の黒人の映画監督。
美術大学を卒業後、おもにアート作品を発表し、
イギリスでは勲章までうけている人物。
劇映画のデビューは2008年で、今回の「それでも夜は明ける」が
長編映画3作目というから、間違いなく「天才」と呼べる人物です。
ちなみに黒人監督の作品がアカデミー賞作品賞を受賞したのは
史上初のことです。

製作は人気俳優のブラッド・ピット。
彼は“奴隷の映画なんて興行的に成功しない”という
大手映画会社とケンカして他からお金を集めて
この映画を作った、というエピソードがテレビなどでも紹介されて、
かなり株を上げましたよね。
俳優だけでなく、プロデューサーでも超一流ということを
この作品で証明しました。
アカデミー賞でもオスカー像を嬉しそうに持つ姿が印象的でした。

実は、ブラピ自身もこの映画の舞台となったアメリカ南部の出身。
幼少期をミズーリ州で過ごしています。
ミズーリは、奴隷制の是非が大きな争点となった
「南北戦争」の激戦地となった場所。
ブラピがこの企画に思い入れた理由も
そのあたりにあるのかもしれません。
 
さて、ではその映画の内容ですが、舞台は1841年。
主人公は、アメリカ・ニューヨーク州で
妻と2人の子供たちと共に暮らす、バイオリニストのソロモンです。
彼は、生まれたときから自由証明書で認められた自由黒人で、
白人の友人も多く持ち、何不自由ない暮らしを送っていました。
ある時、彼はワシントンでのショーに出演し、
打ち上げの席で酔いつぶれてしまいます。
翌朝目が覚めると、ソロモンの手足は鎖につながれていました。
興行主の裏切りで、奴隷として南部に売られてしまったのです!
そしてソロモンの奴隷としての壮絶な日々が始まります・・・。
 
この映画の背景となったのは、アメリカ北部では
黒人の奴隷解放が進み、南部は奴隷制度が残っていた時代。
南北戦争が始まる20年ほど前です。
このころ、海外からの黒人の輸入は禁止されていたため、
ソロモンのような自由黒人を誘拐し、
売り飛ばす犯罪が多くあったといいます。
突然自由を奪われ、人間として扱われない奴隷となって
しまったソロモンの衝撃は、現在の僕たちと全く同じ。
映画では、余計な説明を省き、
映像だけで壮絶な彼の体験を描き出していきます。
 
劇中では、奴隷に対する拷問をかなりリアルなタッチで描いています。
思わず目をそらしたくなるようなシーンも続出しますが、
それ以上に、それを目撃するソロモンの表情のアップを
かなり長い時間を使って見せています。
セリフではなく、その時に主人公がどう考え、感じていたかを、
観客に感じさせる独特の映画的手法です。
もし、あなたがその場にいたら、どんな行動をとりますか?
映画はそう語りかけているような気がします。
 
奴隷制度は、“自由の国アメリカ“のイメージからは
程遠い暗い歴史であり、アメリカ人にとっては
あまり見たくない部分ではないでしょうか。
 
これを真正面から描いたのはとても勇気のいることで、
それにアカデミー賞を与えたアメリカ映画界はさすがだ、
と思える部分でもあります。
決して口当たりの良い映画ではありませんが、
だからこそ観てほしい1本です!
 
今日ご紹介した「それでも夜は明ける」は、
■Denkikan
■TOHOシネマズはません
 
で、今週土曜日・4月12日から公開されます。
 
「それでも夜は明ける」オフィシャルサイト
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「第二回 新・午前十時の映画祭  デジタルで甦る永遠の名作」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、「第二回 新・午前十時の映画祭
デジタルで甦る永遠の名作」
です。
 
映画の黄金時代に生まれた名作映画を
1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」。
往年の名作映画を、朝10時から上映するシステムで人気のこの企画。
去年4月からは、「新・午前十時の映画祭
デジタルで甦る永遠の名作」として全作品、高品質の
デジタルシステムでの上映に生まれ変わりました。
 
今年も今週末・4月5日土曜日から、
全国52の劇場で開催されるんですが、
「第二回」の注目は、日本映画が初登場することです!
選ばれたのは、
 
谷崎潤一郎の原作を映像派の
市川崑(いちかわ こん)監督が演出した
「細雪(ささめゆき)」、
 
時代劇で有名な内田吐夢(うちだ とむ)監督が
手がけた現代劇の傑作ミステリー
「飢餓海峡(きが かいきょう)」、
 
ヤクザ映画の歴史を変えたと言われる
深作欣二(ふかさく きんじ)監督の
「仁義なき戦い」、
 
テンポのいい演出がいま見ても新鮮な
川島雄三(かわしま ゆうぞう)監督の
「幕末太陽傳(ばくまつたいようでん)」、
 
松本清張の原作、日本の美しい風景の中に潜む、
奥深い悲しみを描き出した
野村芳太郎(のむら よしたろう)監督の「砂の器」、
 
山田洋次(やまだ ようじ)監督が高倉健主演で
作ったヒューマン・ドラマの
「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」、
 
世界の映画祭で数多くの賞を受賞した
黒澤明(くろさわ あきら)監督の
「羅生門(らしょうもん)」、
 
そして、日本のコメディ映画の金字塔、
古沢憲吾(ふるさわ けんご)監督の
「ニッポン無責任時代」の8本。
 
1950年代から80年代までの、
バラエティ豊かな名作が揃っています。
 
このほか、外国映画は「俺たちに明日はない」や
「ゴースト/ニューヨークの幻」、
「さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)など
新しく選ばれた映画が11本。
そして、第1回~3回までの「午前十時の映画祭」で
上映された作品の中から6本が再上映されます。
 
熊本での上映館は、「TOHOシネマズ 光の森」で、
来年3月20日までの毎日、2週に1本ずつ上映が行われます。
料金は、1作品につき、一般1000円、
学生500円のリーズナブル・プライス!
学生だったら、全25作品をすべてみても1万2500円ですよ。
上映される作品は、映画の歴史に残る傑作ばっかりなので、
2週間に1回、通って観るってのもいいかもしれませんね。
 
スタートとなる今週土曜日、
4月5日からの作品は「オズの魔法使」です。
素晴らしい名作を大きなスクリーンで見られるまたとないチャンス!
このところ、古い日本映画も改めて評価されていますから、
ぜひこの機会にご覧になってみてください!
 
今日ご紹介した「第二回 新・午前十時の映画祭
デジタルで甦る永遠の名作」は、
■TOHOシネマズ 光の森 
で、今週土曜日・4月5日から、毎日午前10時からの開催です!
 
「第二回 新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作」
オフィシャルサイト http://asa10.eiga.com/
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「白ゆき姫殺人事件」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、今週土曜日・3月29日から公開される
「白ゆき姫殺人事件」です。
 
サスペンス作品、あなたは好きですか?
テレビでも毎日のように刑事ドラマや
2時間サスペンスがオンエアされています。
 
主に傑作サスペンスには、洋画が多いような気がしますね。
「息もつかせぬ展開」や「どんでん返し」や
「意外な犯人」など、このジャンルで大抵のパターンは
出尽くしている・・・・・・・と思われていたんですが・・・・・・。
いやー、まだまだ新しい切り口があったんですね。
しかも日本映画でそんな作品が登場したんです。
 
この映画、タイトルからわかるように、
ある殺人事件を追ったサスペンスです。
被害者は、三木典子(みきのりこ)という24歳の女性で、
誰もが認める化粧品会社の美人OLだったことから、
彼女の勤務先の人気商品にちなみ、
この事件は「白ゆき姫殺人事件」と呼ばれます。
やがて、同僚の城野美姫(しろのみき)という女性が
容疑者として疑惑をもたれるようになるんですが、
果たして城野美姫は本当に犯人なのか?
というのが、大まかなストーリーです。
 
さてこの映画、単に事件の謎解きをしているものではありません。
みなさんは、何か事件が起きると、
その詳細をネットで調べたりしませんか?
特にツイッターなどのSNS上では、
誰かがまことしやかにつぶやいた一言が
あっという間に「事実」として広まっていくことがあります。
この映画のキモは、まさにそこ!
テレビ局に勤める赤星という男性は、
三木典子の後輩という友人から
城野美姫のことを聞き、SNS上でその情報をばらまきながら、
ワイドショーのディレクターとして、
美姫の周囲の人々を取材していきます。
会社の同僚、同級生、近所の人、様々な人が語る
美姫の姿は、果たして本当なのか?
 
疑惑の女性、城野美姫を演じるのは、
人気女優の井上真央(いのうえまお)。
被害者の三木典子を、
モデルで女優の菜々緒(ななお)が演じています。
また、情報を広めてしまう男・赤星を、
人気俳優の綾野剛(あやのごう)。
美姫の周りの人々として、蓮佛美沙子(れんぶつみさこ)、
貫地谷(かんじや)しほり、金子(かねこ)ノブアキなど、
若手の演技派が出演しています。
どの役者さんの演技も素晴らしくて、
映画を二度、三度観ると「なるほど、ここはそういう意味で
こういう表情だったんだぁ・・・・」と思える、
とても繊細な演技をしています。
一度目は純粋にストーリーを楽しんで、
2度目は役者さんの演技を楽しんで観るといいかも・・・・
まるで「一粒で二度美味しい」
グリコのキャラメルのような映画です。
 
監督は、「アヒルと鴨とコインロッカー」や
「ゴールデン・スランバー」などで一風変わったサスペンス作品を
生み出した中村義洋(なかむらよしひろ)監督。
中村監督は、新人の起用の仕方に定評のある監督で、
あの堺正人や鈴木福くんなども、
まだ無名の時代に起用してブレイクのキッカケを
作ったことでも有名です。
役者の将来性を見抜く鑑識眼があるんでしょうか?
今回の「白ゆき姫殺人事件」で言えば、井上真央、
綾野剛の主役二人はもちろん、
サブキャラの菜々緒や金子ノブアキなんかが、
これまでのイメージと全く違った新境地を見せています。
この映画では、さまざまな登場人物の証言が紹介されてゆきます。
このようなスタイルの作品を、海外では、黒澤明監督の
傑作に敬意を表して「羅生門スタイル」と呼ぶそうです。
映画「羅生門」は1950年の作品です。
今回の作品は、「羅生門」発表当時はなかった
「ネット社会」という現代的な切り口を使って、
見事に21世紀の新しい「羅生門」を誕生させています。
黒澤監督の「羅生門」と是非比較して観てみてください。
 
原作は、「告白」や「夜行観覧車」の、
ベストセラー作家・湊(みなと)かなえ。
湊かなえ作品は、ここ数年でテレビや映画で
たくさん映像化されてきましたが、これまででベストの出来が
この「白ゆき姫殺人事件」だと思います。
湊作品では、エンディングでのブラックな「後味」が
魅力なんですが、この作品は、映画的な「ひとひねり」が
効いていますので、ちょっと泣ける展開になっています。
原作ファンの方も楽しんで観られると思いますよ。
 
映画を見ながら「こんな状況ある、ある、ある!」と思いつつ、
似たような状況を僕たちは毎日目にし、それに踊らされていないか・・・、
胸に手を当ててみたくなる映画です。
日本でも、こんな面白いサスペンス作品ができるんです。
ぜひご覧になってください。
 
今日ご紹介した映画「白ゆき姫殺人事件」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・3月29日から公開されます。
 
「白ゆき姫殺人事件」オフィシャルサイト
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「LIFE!」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
明日・3月19日水曜日から公開される「LIFE!」です。
 
「メリーに首ったけ」や「ナイトミュージアム」など、
日本でも人気の俳優ベン・スティラー。
主にコメディ作品で楽しい演技をみせてくれます。
彼の特徴は、劇中でおかしな行動をする割には、
あまり自分自身は笑わないキャラクターを
演じることが多いところです。
どこか愛想のない無表情なフェイスが魅力です。
そのまま見ると二枚目なんですよね。
 
日本では、あまり知られていませんが、
実は、彼は出演だけでなく監督や製作も手掛ける
マルチな才能の持ち主なんです。
今日ご紹介する「LIFE!」は、そんなベン・スティラーが
主演、監督、製作の1人3役を手掛けた作品です。
 
ベン・スティラーが演じる主人公は、
アメリカのグラフィック雑誌「ライフ」の
写真管理部門で働く、ウォルター。
地味で平凡な毎日を送る彼は、日ごろから
現実逃避の空想をする癖がありました。
ある時、ウォルターは雑誌の最終号の表紙を飾る
写真がないことに気づき、そのネガを持っているはずの
カメラマンを探すための旅に出ます。
 
空想の中では、ものすごいアクションをやってのける
スーパーマンですが、現実世界では全く冴えないウォルター。
想いを寄せる同僚の女性とも、まともな会話すらできません。
しかしそんな彼が、必要に迫られて出かけた旅の中で壁にぶつかり、
乗り越えていく中で、隠されていた自分の可能性に気付いていきます。
 
またウォルターが訪れる、グリーンランドやアイスランドの
壮大な景色も、見どころの1つ。
自然の中で人々と出会い、
生き生きとした自分を取り戻していくウォルターの姿は
爽快感にあふれていて、観ている僕らも元気をもらえます。
 
今回の作品、実は1947年公開の
ダニー・ケイ主演のコメディ「虹を掴む男」のリメイクなんです。
舞台となる場所は出版社という点は同じですが、
今回は、印刷物としての発行を止め、
デジタルに移行する「ライフ」の編集部を舞台にしているため、
デジタルとアナログという現代的なテーマも盛り込まれています。
会社のリストラ問題など現代的なテーマも盛り込みながら、
仕事の意味とは何か?
人生で本当に大切なものは何かという深い命題にも
答えてくれる作品になっています。
当初、この作品は、スティーブン・スピルバーグが
監督を熱望していたそうですが、スケジュールの関係で
降板し、ベン・スティラーが自ら監督主演することに
なったそうです。
オリジナル版の軽いコメディタッチとは、
かなり違った仕上がりになっています。
どちらかというと感動的なクライマックスになって
いますので、オリジナルを知っている人も
十分に楽しめる作品になっていますよ。
 
もう一点、個人的な見どころを紹介するとしたら、
音楽に注目してほしいです。ベン・スティラーの映画は、
どれも音楽の使い方が素晴らしいんです。
特に監督作品は、抜群の選曲センスで、
観客のツボを心得た見事な音楽がたくさん流れてきます。
例えば、デビッド・ボウイの往年の名曲
「スペース・オディティ」が、とても重要なシーンで使われています。
ただ曲が流れるだけじゃなくって、
一工夫して演出がされていますので、お楽しみに!
 
この映画の予告編には、こんな言葉が使われています。
 
「毎日同じ生活を繰り返していますか?」
「仕事で大きな失敗をしたことがありますか?」
「自分に自身をなくしていませんか?」
「空想することはありますか?」
「自分を変えたいと思いますか?」
 
「この映画の主人公は・・・・・・・あなたです。」
 
単なるコメディ映画と思ってみていたら、
最後にはハンカチが必要になるかもしれませんよ。
最近忙しくて疲れ気味・・・という方にはオススメの1本!
グリーンランドやアイスランドの素晴らしい景色を堪能するためにも、
ぜひ大きなスクリーンでご覧ください♪
 
今日ご紹介した映画「LIFE!」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、明日・3月19日水曜日から公開されます。
「LIFE!」オフィシャルサイト
http://www.foxmovies.jp/life/

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