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キネマのススメ

「アナと雪の女王」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、3月14日(金)公開の「アナと雪の女王」です。
 
この映画、先日発表された「第86回アカデミー賞」で、
スタジオ・ジブリの宮崎駿監督の「風立ちぬ」と争って、
見事「長編アニメーション賞」を受賞した話題のアニメーション。
アメリカだけでなく世界中で大ヒットしていて、
現時点での全世界興行収入は9億5500万ドルを突破。
ディズニー・アニメーション・スタジオの90年の歴史の中で
最大の大ヒットを記録してます。
 
ディズニー映画というと世界中にファンがいるトップ・ブランド。
3世代、4世代にわたって愛される
たくさんのキャラクターを生み出しています。
 
そんな魅力的なキャラを生み出す魔法に満ちた
ディズニー映画の最新作がこの「アナと雪の女王」です。

ストーリーを紹介しますと・・・、
主人公は、エルサとアナという仲のいい姉妹の王女。
姉のエルサは触れたものを凍らせる魔法の力を持っていましたが、
その力を隠し、自分の世界に閉じこもって暮らしていました。
大人になり、新しい女王となったエルサでしたが、
多くのゲストを招いて開かれた王冠を受け継ぐ
儀式パーティの席上で、自分の力をコントロールできずに
王国を冬へと変えてしまいます。
魔女と疑われたエルサは、ひとり山へ逃げ出してしまいます。
妹のアナは姉のエルサを救うため、雪山の奥へと旅に出ます。
 
この映画の原作は、アンデルセンの童話「雪の女王」なんですが、
雪と氷の世界というモチーフを使った、新しいストーリーになっています。
童話では、主人公の女の子が雪の女王に連れ去られた
仲良しの男の子を助けに行きますが、
これを姉妹の話に変えたのが新しいところ。
そしてもう1つ、ディズニーのお話といえば、
女性と男性が出会って恋をし、最後には男性が女性を幸せにする、
というのがスタンダードでした。
今回も、王子様や山男などの男性キャラクターは出てきますが、
これまでとはひと味違う結末になっているのも見どころです。
 
この女性が活躍するストーリーに関しては、
秘密がありまして、たびたびこのコーナーでも紹介している
ピクサーの代表ジョン・ラセターさんが一枚噛んでいます。
現在、ピクサーとディズニーの両方のクリエイティブ部門を
統括しているラセターは、今回作品を
「ディズニー・クラッシックの再生」と位置付けて、
ディズニー映画史上初めて女性の監督を起用しています。

彼女の名前はジャニファー・リー。
当初このプロジェクト脚本家として参加していたんですが、
その才能にほれ込んだラセターが監督に抜擢。
アニメーションのビジュアル部門を主に共同監督の
クリス・バックが担当し、ストーリーやキャラクターの演出を
ジャニファーが担当したそうです。
そのため、女性の目線での細かい仕草や感情の動きが
見事に表現されるアニメーションが完成しました。

これまでディズニーの弱点は、女性キャラの「受け身」だと
言われてきました。ヒーローに助けられるお姫様的なキャラが、
70年代以降の女性の自立の動きの中で
「古臭い」と糾弾されてきた歴史もあります。

そんな批判に向かって「新しいプリンセス像」を描いたのが
この作品です。助けられるお姫様でなく、
自ら困難に立ち向かってゆく「プリンセス」。
それでも女性特有の優しさや美しさを失わずに・・・・・・・。
そんな新しいディズニー映画の誕生が
この作品には込められています。
そのあたりの制作者側の熱い思いが、
「アナと雪の女王」本編の前に上映される短編作品
「ミッキーの救出大作戦」で描かれています。
最初、白黒の映像として登場するミッキーが、
後半あっという仕掛けで3DCGのキャラクターに
生まれ変わります。伝統を大切にしながら、
新たな前進を試みるスタジオの意気込みを見事に表現した
短編作品ですので見逃さないで下さいね。
 
個人的な見どころをあげますと、
ディズニー映画でおなじみのヒロインの相棒となる
妖精的なキャラ。通称「サイドキック」と呼ばれています。
例えば「ピノキオ」におけるジミニ―・クリケット。
「ピーターパン」のティンカーベル。
「アラジン」のジーニーなどなど。
彼らはおもに「お笑い担当」で、ストーリーが停滞しないように
随処にギャグを入れる役目を担っています。
今回、雪だるまのオラフがその「サイドキック」役です。
当初、かなりうざいキャラクターとして登場するオラフですが、
映画の終盤では、観客の心をがっちり掴む
魅力的なキャラに成長してゆきます。
 
そしてもう1つの注目が、映画を盛り上げる音楽。
主題歌の「LetItGo」は、アカデミー主題歌賞を受賞しているほか、
この映画のサウンドトラック自体もアメリカで大ヒットしていて、
2月15日付のビルボードチャートでは
総合1位を獲得しているそうです。ディズニーならではの
美しいアニメーションに共感を呼ぶストーリー、
そして素晴らしい音楽と、3拍子そろったアニメーション。
ぜひ、映画館で体験してください!
 
今日ご紹介した映画「アナと雪の女王」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、3月14日(金)の公開です。
 
「アナと雪の女王」オフィシャルサイト

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「ホビット 竜に奪われた王国」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
現在公開中の「ホビット 竜に奪われた王国」です。
 
この映画は、あの「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズと
同じ世界を舞台にした、冒険ファンタジー。
トールキンの小説「ホビットの冒険」を原作に、
3部作として映画化されることになっていて、
1作目は去年公開された「ホビット 思いがけない冒険」、
2作目が今日ご紹介する「ホビット 竜に奪われた王国」、
そして3作目が今年12月に全米公開される
「ホビット ゆきて帰りし物語」です。
 
今回、映画化となった「ホビット」シリーズの物語の舞台は、
「ロード・オブ・ザ・リング」より60年前で、
主人公は、あのフロド・バギンズのおじ、ビルボ・バギンズ。
彼は魔法使いのガンダルフに誘われて、
13人のドワーフたちと共に、邪悪な竜“スマウグ”に奪われた
ドワーフの王国を取り戻す旅に加わります。
ここまでが、前作「思いがけない冒険」で描かれたところ。
 
今回の「竜に奪われた王国」では、
いよいよ彼らの冒険が佳境に入っていきます。
巨大なクモの大群や凶暴なオークなど、
様々な敵が行く手を阻むほか、前作では最後にちょっとだけ
出てきた邪悪な竜“スマウグ”が本格的に登場!
のちの「ロード・オブ・ザ・リング」につながる、
様々なエピソードも描かれます。
また、オーランド・ブルームが演じるエルフのレゴラスや
女性戦士タウリエルなど、新たなキャラクターも加わり、
物語に厚みが出ています。
そもそも原作には登場していないレゴラスなんですが、
エルフ族はあまり歳をとらないという設定を上手に生かして、
小説のストーリーを大幅にアレンジ。
ファンには嬉しい登場となっています。
今回、レゴラスは。主役といっていいほどの大活躍で、
中盤の急流のアクションシーンでは、得意の弓を使って
縦横無尽に動きまわるスゴワザを披露してくれます。
 
個人的に注目してほしいポイントをあげますと・・・・・・・。
なんと言っても、邪悪な竜スマウグの存在感ですね。
声を担当しているベネディクト・カンバーバッチが、
自ら志願して、モーション・キャプチャーで
竜の表情を演じています。

モーション・キャプチャーの技術は、以前このコーナーで
ご紹介したので、ご存知の方も多いと思いますが、
顔や全身にマーカーをつけて人間の動きをCGのキャラクターに
反映させるという最新の映画技術。
「ロード・オブ・ザ・リング」のゴラムを演じたアンディ・サーキスさんが
第一人者ですが、カンバーバッチのスマウグ役は
それに負けていない存在感です。
監督のピーター・ジャクソンは、怪獣映画を作りたくて
映画監督になった人。以前「キング・コング」という傑作も
監督していますが、今回は、多くのファンがいる
スマウグを時間をかけて存分に描いています。
ちょっと日本の「ゴジラ」シリーズへのオマージュと思われる
粋な演出も用意されていますので、
怪獣好きは見逃さないようにして下さい。
 
前作の「思いがけない冒険」は、
冒険に出かけるまでの時間が長く、
「ヒゲヅラのおっさんばっかりが画面のほとんどを占める
暑苦しい映画」という悪口を言う人もいました。
確かに、物語の設定を説明する部分があったので、
ちょっとテンポが悪く感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、今回は冒険に次ぐ冒険、アクションに次ぐアクションで、
上映時間の2時間40分があっという間。
通常の映画のクライマックスにあたる盛り上がりのシーンが、
何回も詰め込まれた本当に内容の濃い映画です。
 
アメリカでは。「スターウォーズ帝国の逆襲」以来
最高の続編映画と評価する人も多いとか・・・・・
なるほどという気がします。
とにかく。完結となる3作目が待ち遠しくなる1本です!
ぜひ期待して映画館にお出かけください!
 
今日ご紹介した映画「ホビット 竜に奪われた王国」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「ホビット 竜に奪われた王国」オフィシャルサイト http://wwws.warnerbros.co.jp/thehobbitdesolationofsmaug/
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 

「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の
「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」です。
 
何の特技も持たない普通の高校生が、覆面ヒーローに変身して
街の平和を守る姿を描き、映画ファンから大きな支持を集めた
2010年の大ヒット作「キック・アス」。
メジャースタジオの製作でなかったにもかかわらず、
世界中で1億ドルを超える大ヒットを記録しました。

その待望の続編が、今日ご紹介する
「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」です!
 
1作目でマフィアを退治してから数年後、
正義の味方“キック・アス”と“ヒット・ガール”という
ヒーローの姿を捨て、
普通の学園生活を送っていたデイブとミンディ。
前作で父を亡くしたミンディは、保護者の刑事・マーカスに
「もうヒーローにはならない。普通の女子高生になる。」と
約束させられてしまいます。
一方、1作目ではかなりヘタなキャラだったデイブは、
スーパーヒーロー軍団を作って
世界の平和を守ろうと決意、元ギャングの活動家
ストライプス大佐と共に、ヒーロー軍団
“ジャスティス・フォーエバー”を結成。
同じころ、“キック・アス”に恨みを抱くレッド・ミストが、
名前を変えて悪の軍団と共に姿を現し、
ジャスティス・フォーエバーたちを襲います。
彼らは、絶対絶命のピンチを切り抜けることができるのでしょうか?
 
キック・アスの仲間、ストライプス大佐には、
なんと大物ジム・キャリーが扮し、
キャストも華やかにパワーアップしています。
 
ジム・キャリーは、このストライプス大佐役に
かなり入れ込んでいたようで、自分で作ってきた
武器を持参して撮影にのぞんだそうです。
ちょっとイタイその行動がこの役そのもので
ちょっと笑ってしまいます。

そう、この映画の一番の特徴が、ヒーローたちが
決してかっこよくないんです。微妙に外したダサさが
「等身大のヒーローもの」というこの映画のコンセプトを
うまく表現しています。
同時に、警察にかわって悪人に罰を与える
「覆面ヒーロー」の危うさ・・・も表現しています。
 
かなり残酷なシーンもあるブラックコメディ的な
ヒーローアクション映画だったので、1作目の世界的大ヒットは、
映画業界的には異例のことでした。
2作目は1作目のヒットのおかげでアクションもスケールアップ・
しかし、映画のスケールは変わっても、
ファンを熱狂させた世界観は変わりありません。
たとえば、可愛い顔で過激なセリフを吐き、
なぎなたや二丁拳銃を駆使するアクションを連発して
大人気となったヒット・ガール。
成長した今回は、ハイティーンらしい
大人の雰囲気も加わって新たな魅力を見せています。
バイクでのアクションや高速走行する車での
ガン・アクションなど見せ場も満載です。
 
ヒット・ガールを演じるのは、
もちろんクロエ・グレース・モレッツ。
前作は12歳でしたが、今回は15歳の美しい女子高生に成長。
今回は学園生活のシーンもあるので、
学園コメディ的なシーンも満載です。
父の遺品のある「とんでもない武器」で、
いじめっこの女子高生を懲らしめるシーンは、
かな~り下品ですが、爆笑間違いなしの名シーンです。
 
前作からのファンはもちろん、
今回だけ見ても十分に楽しめる1本ですが、
サブキャラの細かい設定を十分に楽しむには、
前作を予習して見ておくことをお勧めします。
 
今日ご紹介した映画
「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「キック・アス ジャスティス・フォーエバー」
オフィシャルサイト

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「大統領の執事の涙」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「大統領の執事の涙」です。
 
世界を動かしているといっても過言ではないほど、
大きな影響力を持つアメリカの大統領。
この映画は、7人の大統領に仕えた
1人の黒人執事の姿を描いた作品です。
ハリウッド映画では、よく大統領が登場します。
去年このコーナーで紹介した「リンカーン」のように
歴史に名を残す偉人もいれば、「ホワイトハウス・ダウン」に
登場したジェイミー・フォックスのような
バズーカ砲を撃つ戦う大統領もいます。
 
とにかくアメリカ国民にとって大統領とは特別な存在なんですね。
この「大統領の執事の涙」は、我々がよく知る
実在のアメリカ大統領の意外な素顔を描いた
作品としても興味深い一作です。
 
主人公は、アメリカ南部の綿花畑の奴隷として生まれた、
セシル・ゲインズ。
ある事件から両親を失った彼は、一人で生きていくため
見習いからホテルのボーイとなり、その働きぶりが認められて
大統領の執事にスカウトされます。
以来30年間、大統領のそばで、
様々な世界的事件を目の当たりにしてきたセシル。
彼の家族もまた、激動の時代に翻弄されていきます。
 
この作品は、アメリカの新聞・ワシントン・ポストに紹介された
ユージン・アレンという実在のホワイトハウスの執事の記事をもとに、
史実とフィクションを組み合わせて作られたもの。
アレン氏が実際に執事として働いていた
1950年代~80年代という
アメリカの激動の時代を背景にしています。 
 
ポイントとなるのが、執事セシルと息子2人とのエピソード。
ホワイトハウスで白人に仕える父を恥じて
公民権運動の活動家になった長男と、
対照的に国のためにベトナム戦争に志願する次男。
時代に翻弄される家族の姿が丁寧に描かれ、とても感動的です。
アメリカ近代史を描いて高い評価を受けた
アカデミー賞作品「フォレスト・ガンプ」が、
あまり描いていなかった黒人の公民権運動について、
この作品では詳細に描かれています。
多くの映画批評家から“黒人版フォレスト・ガンプ”と評されました。 
 
主人公セシルを演じるのは、「ラストキング・オブ・スコットランド」で
アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた名優、フォレスト・ウィテカー。
セシルが仕える大統領を、ロビン・ウィリアムズ、
ジェームズ・マースデン、ジョン・キューザックなどが演じ、
それぞれの大統領っぷりで楽しませてくれます。
 
特に注目して見てほしいのが、
ロナルド・レーガン大統領を演じたアラン・リックマンです。
「ハリー・ポッター」シリーズでスナイプ先生を演じた
彼がロナルド・レーガンの口調まで忠実に再現していて
びっくりします。しかもナンシー夫人を演じるのは、
往年の名女優ジェーン・フォンダです。
実生活ではリベラルな政治活動家としても有名な
ジェーン・フォンダが、まったく逆の共和党の
ファースト・レディをユーモアたっぷりに演じています。
 
もうひとつ見どころを紹介しますと、
ジョン・F・ケネディ大統領の家族がとても重要な
役どころで登場してくるんですが、
ケネディ家の長女としてかわいらしい女の子が登場してきます。
主人公セシルが絵本を読んであげるような
名シーンも登場してくるんですが、この少女こそ、
現駐日アメリカ大使・キャロライン・ケネディさんの
少女時代なんです。
 
学校の授業などでは、とても退屈に感じるような
アメリカの近代史を、2時間でよく分かるように解説してくれて、
しかも感動させてくれるドラマチックな作品です。
この作品を観た後に、「フォレスト・ガンプ」、
「JFK」、「マルコムX」など同時代を描いた作品などと
比較してみるのも楽しいかもしれません。
 
今日ご紹介した映画「大統領の執事の涙」は、
■TOHOシネマズ 光の森
■シネプレックス熊本
で、現在公開中です。
 
「大統領の執事の涙」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「スノーピアサー」

「FMKMorningGlory」毎週火曜日にお送りしています、
「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「スノーピアサー」です。
 
この映画は、「殺人の追憶」や
「グエムル漢江(はんがん)の怪物」で知られる、
韓国映画の鬼才ポン・ジュノ監督の最新作。
 
韓国の新世代を代表する監督としてデビュー以来、
毎回タイプの違う作品を作りながら、どれも高い水準の作品を
発表するという離れ業をやってのけているポン・ジュノ監督は、
世界的に最も注目されているアジア人監督と言われています。
彼はこれまでも、東京を舞台にした
オムニバス映画に参加するなど、
国際的な映画プロジェクトにも携わってきましたが、
この「スノーピアサー」は、
初めて欧米のキャストを招いて英語で撮った作品です!
 
物語の舞台は、温暖化を食い止めるために撒かれた
薬品のため、雪と氷の世界となってしまった、近未来の地球。
わずかに生き残った人々は「スノーピアサー」と
呼ばれる列車の中で暮らし、地球上を移動し続けていました。
列車の前方は一握りの上流階級が支配し、
贅沢な暮らしを送る一方で後方車両には貧しい人々がひしめき、
厳しい格差社会が生まれていました。
そんな中、最後尾の乗客である主人公カーティスは、
自由を求めて革命を起こし、先頭車両を目指します。
 
近未来SFであり、革命の物語であり、なにより電車好き、
列車好きには、夢のような映画と言えるかもしれません。
 
この、ユニークな作品のモチーフとなったのは、
1980年代に書かれたフランスのコミック。
原作では、最後尾の男性と先頭車両の女性が一緒に
進んでいくことになっているそうですが、
ポン・ジュノ監督は最後尾の人々が暴動を起こし、
富裕層と衝突する設定にアレンジ。
列車という狭い空間の中に作り出された格差社会を
よりインパクトのある形に変え、
人々の感情を鮮明に描き出しています。
 
実は、ポン・ジュノ監督は、たいへんなマンガ・マニアで、
日本のマンガはもとより世界中のマンガを
コレクションしているそうです。
画面構成の参考にもしているそうで、
今回の作品では、タイトなスケジュールでたくさんのカットを
撮影するために、全カットの絵コンテを監督自ら
書き上げているそうです。
 
ワールドワイドなストーリーのために集められたキャストは、
「アベンジャーズ」のクリス・エヴァンス、
「ナルニア王国シリーズ」のティルダ・スウィントン、
「トゥルーマン・ショー」のエド・ハリスなどなど。
さらに、「殺人の追憶」や「グエムル」で
主演をつとめた韓国映画の大スターのソン・ガンホが
重要な役どころで出演するなど、
豪華で多彩な顔ぶれが揃いました。
 
作品ごとに新たな驚きを与えてくれるポン・ジュノ監督が、
ハリウッドのスターを迎えて作り出したSF大作。
どんな映画になっているのか、
ぜひスクリーンで確かめてください!
 
今日ご紹介した映画「スノーピアサー」は、
■TOHOシネマズはません
で、現在公開中です。
 
「スノーピアサー」オフィシャルサイト
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「ラッシュ/プライドと友情」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
今週金曜日・2月7日から公開される
「ラッシュ/プライドと友情」です。

よく、男性同士の友情と、女性同士の友情は違う、
と言いますよね。
女性は、結婚や出産など環境の変化に影響を
受けやすいため、普遍性を感じる男性の友情に
憧れることも多いようです。
この映画では、男同士のライバル心と友情という
1970年代に実際にあった、
F1レーサー同士の関係を描いています。
 
主人公の2人のレーサーは、
ジェームス・ハントとニキ・ラウダ。
 
ハントは、5000人の女性と付き合ったと言われる
プレーボーイで生活も自由奔放、
直観的なドライビングテクニックで勝ち上がってきた、
天才型のレーサー。

一方のラウダは、コンピュータと呼ばれるほど隙のない走りと、
プロ並みのメカニックの知識を持つ優等生。
何かにつけて比較される2人は、お互いをライバルとして
強烈に意識していました。

そんな彼らがトップを争っていた1976年。
快調なレースを続けていたラウダは、
ドイツ・ニュルンベルクのレースで
激しいクラッシュに見舞われます。
再起不能と思われていた彼ですが、
わずか6週間後、奇跡的にレースに復帰。
2人の戦いは、日本で行われる
シリーズ最終戦へともつれ込みます・・・。
 
本当にドラマチックなストーリーですが、
これは全部実話というんですから驚きです!
当時、死の淵からよみがえったニキ・ラウダは、
当時テレビアニメのモデルにもなり、
子供たちのカリスマでした。
 
今回の映画では、ジェームス・ハントを
「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース、
ニキ・ラウダを「イングロリアス・バスターズ」の
ダニエル・ブリュールが演じています。
モデルとなった2人に本当に似ているので、
このキャスティングはばっちりハマっています。
 
今回の作品は、アカデミー賞監督ロン・ハワードが、
綿密な取材をもとに描きだした壮大な対決と友情の物語です。
これまでも自動車レースを描いた映画はたくさんあります。
数年前に「マトリックス」のスタッフが日本のアニメ
「マッハGOGOGO」を実写化した「スピードレーサー」
という映画が話題になりましたが、あれは架空の
レース競技のお話でした。権利関係が難しいので
実際の「F1レース」の世界を舞台にした映画は
とても少ないんです。
 
今回、F1の世界の伝説とも言える2人のレーサーを
描くということで、これまでどんな映画でも描かれなかった
F1業界の裏側をのぞくことができます。
どうやってレーサーはスポンサーを獲得するのか?
レースのマシンはどんな風にチューンアップされるのか?
悪天候の時にレーサーはどんな風に対処するのか?
などなど見どころ満載です。
 
1976年当時を完璧に再現した迫力のレース、
真剣勝負の中で生まれる男たちの友情・・・。
見どころ満載!泣ける要素満載の傑作です!
ちなみに、日本語吹き替え版では主役の2人を
KinkiKidsが声優を担当していますので、
車なんて興味ないわという女性も、ぜひご覧になってみてください!
 
今日ご紹介した映画「ラッシュ/プライドと友情」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週金曜日、2月7日から公開されます。
 
「ラッシュ/プライドと友情」オフィシャルサイト
http://rush.gaga.ne.jp/
 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「小さいおうち」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今日ご紹介するのは、現在公開中の「小さいおうち」です。
 
日本映画の巨匠・山田洋次監督の最新作となるこの作品。
通算82本目の監督作品。
キャリアの長い山田監督ですが、
デビューは1961年のコメディ「二階の他人」。
1968年からは大ヒットシリーズ「男はつらいよ」の監督を
1995年まで担当し、ギネスブックにも載りました。
その後は、「たそがれ清兵衛」からのはじまる
時代劇三部作やシネマ歌舞伎など
新しいジャンルの映像作品も担当。
ここ数年は、「おとうと」「東京家族」と現代劇が続きました。
どの時代の山田作品を観るかで
かなり印象は違ってくるかもしれません。
 
どの時代の映画を観るかによってイメージは
かなり違ってきますが、どの作品にも共通するのは、
登場人物を見つめる優しいまなざしです。
あの寅さんですら、
単なるバカなキャラクターとしては描かれていません。
周りの人の気持ちを深くおもんばかる繊細な
登場人物が山田映画の真骨頂です。
 
今回は、82作目の監督作品で、
初の本格ラブストーリーということでも話題です。
原作は、第143回直木賞を受賞した、
中島京子の小説。
これを読んだ山田監督がぜひ映画化したいと、
熱いラブコールを送ったんだそうです。
 
舞台は、昭和初期。
山形から上京したタキは、東京の郊外に建つ、
少しモダンな赤い三角屋根の家、
平井家に女中として奉公します。
そこには、おもちゃ会社に勤める主人と
優しい奥様・時子と可愛い坊ちゃんが暮らし、
タキは、若くおしゃれな時子に憧れていました。
しかし、おもちゃ会社のデザイン部に勤める
板倉という男が出入りするようになり、
次第に板倉と時子は惹かれあっていきます。

・・・それから60年後の現代。
タキの親類である健史は、
タキが大学ノートに綴った自叙伝を読み、
長く封印されていたある秘密にたどり着きます。
果たして、その真相とは・・・?
 
時子を演じるのは、山田監督とは「隠し剣 鬼の爪」以来
7年ぶりのタッグを組む、松たか子。
タキには、野田秀樹の舞台で活躍するなど、
今大きな注目を集める若手女優、黒木華。
物語の鍵となる板倉を、吉岡秀隆が演じます。
そのほか、妻夫木聡、倍賞千恵子、
片岡孝太郎など、脇を固めるキャストも豪華です。
 
山田監督は、「戦前の東京の庶民の暮らしを再現したい」と、
舞台となる赤い三角屋根の家の外観や内装にかなりこだわったとか。
レトロモダンな室内や和風と洋風が入り混じったインテリアなどは、
女性が見たらきっと憧れを抱くのではないでしょうか。
 
おしゃれな昭和レトロだけが見どころではありません。
今回の映画では、ドラマの背景として描かれる
「戦争」についての描写にかなり鋭いものがありました。
この映画の時代は、中国との戦争がはじまった昭和初期の時代。
庶民が戦争をどう考えていたのか?
現代の感覚からすると驚くようなセリフがたくさん登場します。
戦争のニュースを語りながら・・・
「わが社ももっと儲かるようになる・・・期待できるぞう!!」と
ある人物が語るシーンがありますが、
これが当時の偽らざる庶民の姿だったのかもしれません。
宮崎駿監督の「風立ちぬ」も、戦場をまったく描かない
強烈な反戦映画でしたが、この山田洋次作品も戦場の
出てこない戦争映画とも言えるかもしれません。
 
最後にもう一つ、この映画は、フィルムで撮影されています。
ハリウッドも含め、世界中の映画界が
ここ数年ですべてデジタル撮影に切り替わったことを考えると、
あえてフィルムで撮影するということは
かなり贅沢な映画作りなんです。
山田監督としては、映画人としてのこだわりが
このフィルム撮影に込められているんでしょうね・・・・。
もちろん、山田監督の繊細な演出に応えた、
役者さんたちの演技が素晴らしいのでお見逃しなくです。
 
特に予告でも一部分、流れていた、
タキが時子に意見するクライマックスシーンは見もの!
ぜひ、その素晴らしい演技をスクリーンで確かめてください!
 
今日ご紹介した映画「小さいおうち」は、
■Denkikan 
■TOHOシネマズ 光の森
■TOHOシネマズ はません
■TOHOシネマズ 宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「小さいおうち」オフィシャルサイト 
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「エンダーのゲーム」

毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、
現在公開中の「エンダーのゲーム」です。
この「エンダーのゲーム」、SF小説が好きな方なら
ご存知の方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?

原作は、1977年にアメリカの作家
オースン・スコット・カードによって発表された小説です。
最初は短編小説として発表されたものですが、
1985年に長編化され大ヒット!
SFの世界で最も権威ある賞といわれる「ネビュラ賞」と
「ヒューゴー賞」をダブル受賞した伝説的な小説です。
日本のアニメやゲームなどにも大きな影響を与えていて、
あのエヴァンゲリオンのルーツとも言われているんです。
 
舞台は近未来の地球。人類は、強大な軍事力を持つ
昆虫型生命体・フォーミックとの
宇宙戦争を続けていました。
彼らはフォーミックの侵攻に備えるために
バトルスクールを作り、世界中から集めた少年たちに、
宇宙で戦う技術を叩き込んでいました。
そこに、戦いを終わらせる特殊な能力を持つものとして、
わずか6歳で送り込まれたのが、主人公のエンダー。
彼は戦争への疑問を抱き、苦悩しながらも、
戦士としての頭角を現していきます。
 
戦いたくないと思いながら、
戦争に駆り出されてしまう設定は、
エヴァンゲリオンやガンダムに良く似ていますよね。
また、主人公を取り巻く少年や少女たちにも、
エヴァを思わせるキャラクターが
何人か登場するので、そういった視点からも楽しめそうです。
 
原作者のオースン・スコット・カードは、
小説の発表当時からたくさんの映画化オファーを受けましたが、
ハリウッド的な派手な戦闘シーンを売り物にした実写化に
首をたてにふりませんでした。
そのため何度も映画化のプロジェクトが頓挫し、
「もう永遠に映像化は無理だ。」とさえ言われる
曰くつきの原作となっていたのです。
今回は、原作者自らがプロデューサーをつとめ、
細部にわたって原作のイメージを大切にした
映像化が行われました。
 
エンダーを演じるのは、「ヒューゴの不思議な発明」で
注目を浴びたエイサ・バターフィールド。
バトルスクールの教官を、ハリソン・フォード、
伝説の戦士をアカデミー俳優ベン・キングスレーが
演じています。
「スターウォーズ」と「ブレードランナー」という
2大SF映画の古典に出演していた彼は、
長らくSF作品への出演はひかえてきました。
そんな彼がこの作品を選んだのには、
大きな意味がありそうです。
やはり脚本が素晴らしかったのでしょうね。
宇宙を舞台に登場するハリソン・フォードは本当に
久しぶりなので、ファンとしは嬉しいうれしいですね。
ハリソン・フォードは、来年公開予定の
「スターウォーズ7作目」への出演が噂されていますので、
まだまだ今後もSF世界のハリソンが見られそうですね。

”少年が世界を救う”という、日本のアニメに通じる世界観を、
ハリウッドが最新技術を使って描き出したこの作品。
エヴァやガンダムにハマった世代には、見逃せない1本です!

今日ご紹介した映画「エンダーのゲーム」は、
 
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、現在公開中です。
 
「エンダーのゲーム」オフィシャルサイト
-----
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 

「大脱出」

 
毎週火曜日にお送りしています「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
 
今日ご紹介するのは、現在公開中の「大脱出」です。
シルベスター・スタローンと
アーノルド・シュワルツェネッガーといえば、
「ロッキー」や「ランボー」、「ターミネーター」など、
数々の大ヒット作を持つ、泣く子も黙るアクションスター。
 
80年台からずっとスーパースターで居続ける彼ら。
彼らの名前がクレジットされているだけで、
その映画を観に行きたくなる、
という映画ファンもたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか?
スタローン67歳、シュワルツェネッガー66歳で
合計133歳のアクション超大作って凄いと思いませんか?
 
そんな、2大アクションスターがガッチリタッグを
組んだ映画が、今日ご紹介する「大脱出」。
確かに、「エクスペンダブル」の1,2で
共演シーンはあったものの、ほんのちょっとでした。
ファンからすれば、もっと共演シーンがみたいよー・・・・と
思ったのも正直なところ。

今回は、看板に偽りなし、2大スターのガチ共演が
楽しめる娯楽大作に仕上がっています。
火薬が飛び交う派手な銃撃戦もあるんですが、
なんと2人ががちんこで殴り合うシーンもあるんです!
「ロッキーVSターミネーター」ですよ。夢の対決です。
ファンにとってはたまらないですよね。
でも、今回はアクションだけではありません・
タイトル通り、ある監獄から脱出する、
というところが見せ場です。

ずばり「脱獄モノ」ですね。
最近、テレビやオンラインなどで
脱出ゲームがはやっていますが、
この映画でもそんな、頭脳を駆使した
密室の脱出劇を見せてくれますよ。
 
スタローンが演じる主人公は、
自ら刑務所を脱獄することで、警備の弱点を指摘する
セキュリティ・コンサルタント、ブレスリン。
彼は依頼を受けて、脱出不可能と云われる
海の巨大監獄から、脱獄することになります。
ところがその依頼はワナで、
ブレスリンはピンチに陥ってしまいます。
そんなブレスリンの前に現れたのが、
シュワルツェネッガー演じる囚人の親玉・ロットマイヤー。
はたして彼は、敵なのか味方なのか・・・?
 
映画の前半は、いろんな脱獄のテクニックが満載で、
まるで「ミッション・インポッシブル」のような
スピード感で進行します。
「意外」とは失礼ですが、知的な警備コンサルタント役が、
スタローンにかなり似合っています。
なんとなく、いままでのイメージだと、鍵とか怪力で
壊してしまいそうな感じですが、今回は、看守の裏をかいて
見事に脱獄するスマートなキャラをかっこよく演じています。
シュワルツェネッガーの方も、いろいろ謎が多い人物で、
裏の裏の裏の顔があるっていう複雑な役どころです。
 
もちろん、シュワルツェネッガーとスタローンという
2大スターが主役なんですから、
クライマックスには、ハリウッド映画らしい
ド派手なアクションが用意されています。
どきどきする展開の脱獄のストーリー・プラス・
ド派手アクションという「一粒で二度美味しい」映画です。
ファンにとってはたまらないですよね。
 
ちょっと男臭い映画かなーと思っている方には、
うれしい裏切りの映画になっていますのでお楽しみに!
 
「大脱走」「パピヨン」「ミッドナイト・エクスプレス」
「ロンゲスト・ヤード」「アルカトラズからの脱出」
「ショーシャンクの空に」などなど。
脱獄モノには傑作が多いんです。
限定した場所で画面を持たせるには、
やっぱり映る役者さんが魅力的でなければ
映画がもたないんですね。
スター俳優と脱獄モノは意外と相性が
いいと言えるかもしれません。
 
今回の「大脱出」もそんなスター映画の1本です。
しかも、一番の見ものは、2大スターのオーラ!
歳をとってもさすがの存在感で楽しませてくれる1本です!
 
今日ご紹介した映画「大脱出」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本で、現在公開中です。
 
「大脱出」オフィシャルサイト
http://dassyutsu.gaga.ne.jp/
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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
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「ジャッジ!」


毎週火曜日にお送りしています、「キネマのススメ」。
毎週、松崎ひろゆきが選んだ映画をご紹介しています。
今年最初にご紹介するのは、
今週土曜日・1月11日から公開される「ジャッジ!」です。
 
ある職業や業界の内幕を描いた映画って、結構多いですよね。
三谷幸喜の監督デビュー作の「ラヂオの時間」なんか、
ラジオ業界の私たちですら笑ってしまう細かい
演出がつまった映画でした。
今日ご紹介する「ジャッジ!」も、
そんな業界もの映画のひとつです。
この映画の中で描かれるのは、広告業界。
しかも世界一のテレビCMを決める、
国際的な広告祭の知られざる内幕を描いています。
 
さて、そのストーリーですが・・・、
主人公は、情熱は人一倍あるものの、実力は伴わない
落ちこぼれの広告マン、大田喜一郎。
彼はひょんなことから上司の大滝一郎に
サンタモニカ国際広告祭の審査員を押し付けられてしまいます。
「太田喜一郎と大滝一郎、俺たちは名前が似てるから、
外国人には決してばれない。」という訳です。
 
現地ではパートナーが必要と知った大田は、
同僚の英語が堪能なひかりに偽の妻の役を頼みこみ、
広告祭に参加しますが、なんと「ちくわのCM」で
賞を獲らなければ、会社をクビになってしまうことを知ります。
果たして大田は、海千山千の審査員を向こうにまわして、
ちくわのCMに賞を獲らせることができるのでしょうか!?
 
この映画の監督・永井聡は、
日本最大の広告賞・ACCCMフェスティバルで、
クラフト部門ディレクター賞を2年連続受賞した
CM業界のトップクリエーター。
ダイハツの軽自動車のCMやカロリーメイトの
満嶋ひかりが歌うCMなどを演出しています。
さらに、脚本を手がけた澤本嘉光も、
ソフトバンクの「ホワイト家族」シリーズなどを手掛けた
売れっ子CMプランナー。
つまり、業界の当事者たちが、
彼らでなければ分からない内幕を
かなり面白いパロディにしているんです。
「そんなのあり!?」と思うような広告祭でのエピソードも、
実際の体験をもとにして
描かれているというんですから驚きです。
 
この映画の中で何度も登場する台詞があります。
「広告業界では、“無茶”と書いて“チャンス”と読む。」です。
無理難題がどんどん発生してきて、
どうにもならなくなったときに、この台詞が発せられます。
ピンチの主人公がどうピンチを切り抜けるかは
映画を観てのお楽しみです。
 
主演は、妻夫木聡。
ダメダメなCMクリエーターを、愛嬌たっぷりに演じています。
共演は、北川景子、豊川悦史、鈴木京香など。
小さい役にもビックリするような大物が出演しているので、
それを探すのも楽しいですよ。
 
新春にピッタリの楽しい1本。
カップルやお友達と、初笑いにお出かけください!
 
今日ご紹介した映画「ジャッジ!」は、
■TOHOシネマズ光の森
■TOHOシネマズはません
■TOHOシネマズ宇城
■シネプレックス熊本
■イオンシネマ熊本
で、今週土曜日・1月11日から公開されます。
 
ここで追加情報です。
この映画では海外の広告祭が舞台になっていましたが、
日本の最も大きな広告祭「ACCCMフェステバル」の
入賞作品上映会が、2月28日金曜@鶴屋ホールで開催されます。
広告賞を受賞した2013年のコマーシャルが
一同に会する本物の広告祭です。
ちなみに私、松崎がナレーションしたCMも入賞していますので、
たぶん当日流れると思いますよ。
2月28日金曜@鶴屋ホールで午後1時からです。
こちらは入場無料です。
「ジャッジ!」を観てから見るとさらに面白いと思います。
 
「ジャッジ!」オフィシャルサイト
http://judge-movie.com/

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本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
 
詳しくはここ↓
 
 
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