熊本市立熊本博物館 学芸員「原 秀夫」さん
今日は、熊本市立熊本博物館の学芸員「原秀夫」さんに
お話をうかがいました。
原さんのプロフィール
熊本博物館 学芸員 天文担当。
博物館では、プラネタリウムの運営(投映、番組制作、機器の維持管理など)
を中心とした天文教育普及活動に従事しています。
現在は、間近に迫った(11月23日~27日)、
小惑星探査機「はやぶさ」帰還カプセル特別公開に向けた
準備を行っています。
宇宙に興味を持ったきっかけを教えてください。
小学5年生の時、火星の大接近がありました。
その時、開催された火星観察会で、望遠鏡で火星を見たのがきっかけです。
その時、いただいた火星の写真は今でも持っています。
その後、望遠鏡を買ってもらい、自分で天体観察したり、
本や雑誌を読んだりするようになりました。
博物館の学芸員になるにはどうすれば良いのでしょうか?
学芸員という資格があり、大学で所定の単位を修得するか、
試験に合格すると得られます。
ただ、採用そのものが稀なことから、実際に学芸員として
勤務できる人は少ないようです。
私は別の仕事をしていましたが、天文に関わる仕事に就きたいと思い、
採用試験を受けました。
大学は教育学部でしたので、理科専修の中の地学ということになります。
学芸員になる前は、地元の自治体事務職員を、
4年程(正確には3年9ヶ月間)しておりました。
採用試験は、いわゆる一般的な公務員試験の内容(教養試験)に、
専門試験(学芸員と天文学)がありました。
学芸員としての苦労、やりがいなどあれば教えてください。
熊本博物館では、幅広い分野を扱っているため、
それぞれの専門分野としては、1名もしくは2名の学芸員しかいません。
天文担当の学芸員も私1名のため、
何でも一人でこなして行かなくてはならないという厳しさがあります。
その分、多くのお客様にプラネタリウムにお越しいただいた時は、
嬉しく思います。
これまでの業務の中で、あるいは個人的に観測された天体ショーなどで、
最も印象深いエピソードを教えてください。
大学生の時見たヘール・ボップ彗星が、とても印象的でした。
繁華街からでも、キレイな尾をたなびかせる姿を見ることができました。
南半球で見た星空も印象に残っています。天の川がとてもきれいで、
南十字星など日本では見ることができない星々が輝いていました。
小惑星探査機「はやぶさ」帰還カプセル特別公開について教えてください。
会場 熊本博物館特別展示室 期間11月23日(水)~27日(日)
料金 無料(帰還カプセル特別公開のみ)
※常設展示・プラネタリウム観覧は、有料
主な展示品 いずれも宇宙から帰還した実物
「インスツルメントモジュール」
・・・小惑星イトカワの物質を入れておくコンテナ部がある
「搭載電子機器部」
・・・「はやぶさ」からの指令を覚え役割を果たすカプセルとしての心臓部
「パラシュート」
・・・カプセルをゆっくりと降下させるためのもの
「背面ヒートシールド」
・・・大気圏突入の際の熱から守る
最後に宇宙のどんなところに魅かれるのか、魅力を教えてください。
普段はあまり気にしないことかもしれませんが、
私たちが見上げる星空は宇宙そのものです。
逆の見方をすると、はかり知れない広大な宇宙の1点で
私たちは生活していることになります。
その私たちの生きる宇宙は、まだまだ分らないことばかりです。
HPアドレス:http://webkoukai-server.kumamoto-kmm.ed.jp/
「熊本博物館」
熊本市古京町3-2 (藤崎台県営野球場北隣り)
電話番号 096-324-3500
休館日毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
本日オンエアのこのコーナーをポッドキャストでも配信中。
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